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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年10月22日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、政令3件です。特に環境省関係のものはございません。
 私からですが、昨日21日、ワシントンで開催された世銀・IMF合同開発委員会において財務副大臣より、世銀の「森林炭素パートナーシップ基金」に対して最大1000万米ドルの拠出を行うとの発表をいたしましたのでお知らせします。
  「森林炭素パートナーシップ基金」は、Forest Carbon Partnership FacilityでFCPFと言いますが、2006年のCOP12で世銀が基本構想の発表を行い、6月にハイリゲンダムで開催されたG8サミットでもその発展と実施が奨励され、9月25日の世銀理事会でその設立が承認された基金です。この基金はCDMと似ているのですが、例えば途上国が違法伐採対策を実施したり、森林火災対策、あるいは伐採を止めることなどによって、森林からのCO2の排出を削減した場合、その削減部分を認定し、拠出されている基金から資金をもらうという仕組みです。一方、拠出する方としては、排出削減に見合う枠としてみなされるものをどのように自国のフレームワークの中でカウントするかはこれから検討される事項なのですが、いずれにせよ仕組みとしてはそのようなものですから、途上国にとっては森林減少防止の取組の進展に大いに資するものだと思っております。
  途上国における森林減少に伴う二酸化炭素の排出量は、世界全体の温室効果ガス排出量の約2割を占めており、これを防止することは大きな削減効果となることから、環境省においてもその重要性に鑑み、国連気候変動枠組み条約や世銀における意見交換に積極的に関わって参りました案件です。
  また、環境省としても人工衛星データを活用する熱帯林モニタリングの手法について調査研究を進めて参りたいと思っております。今回の拠出表明を受けて今後さらにこの森林減少に伴う温室効果ガスの排出削減のために関係省庁とも連携し、国際社会に対して積極的に協力していきたいと考えております。
  なお、本日午前中に鴨下大臣が新宿御苑においてE3の供給施設工場を視察されており、その際、記者会見されたと承知しておりますので繰り返しにはなりますが、環境省ではE3導入が地球温暖化対策に貢献する大変有意義な取組であることから、政府公用車向けにE3供給を開始するための準備を鋭意進めているところです。この施設により、環境省本省の公用車24台のうち、ガソリン車12台全てについてE3を導入する予定です。他省庁に対しても今、導入の呼びかけを行っているところです。実際に新宿御苑で供給を開始するのは11月9日を予定しております。
  私からは以上です。


2.質疑応答

質問
「森林炭素パートナーシップ基金」の件ですが、人工衛星を活用した熱帯林モニタリング調査は今も実施しているものなのでしょうか。

→「森林炭素パートナーシップ基金」に直接つながるものではありませんが、熱帯林モニタリング調査は来年度の予算要求において、地球環境研究総合推進費の競争的資金の中でこのモニタリング手法について公募するとしておりますので、そうした形で調査研究を進めて参りたいと思っています。

質問
来年度からということでしょうか。

→来年度からです。

質問
世銀の会議では日本側はどなたが発表したのでしょうか。

→遠藤乙彦財務副大臣から発表されたと承知しております。

質問
来年度からの熱帯林モニタリング調査の目標についてお伺いします。

→まずは熱帯林モニタリング調査の手法についてどのようなものがあるか、特に研究手法について募りたいと思っております。その中からいいものを拾い上げて競争的資金の仕組みの中で活用していこうということです。熱帯林ですので、なかなか分け入ってというわけにはいきませんので、人工衛星データを活用します。そうした手法のものを拾い上げていくこととなると存じます。

質問
世銀の基金が今後、森林減少を防止した分を途上国へ拠出しますが、拠出額を決める時の森林減少度合いのようなものを、こうしたものでデータを提供するということでしょうか。

→役に立つと思います。森林減少による二酸化炭素の排出の計算については、これから研究・分析していかなければならないと思いますので、こうしたことも参考になると思います。

質問
上手いモニタリング手法ができたら世銀に提供していくということでしょうか。

→世銀にも報告・提供するかもしれませんが、日本としても一つの知見として活用していきたいと思います。森林は吸収源だけではなく、一方で伐採等により炭素を排出するわけですから、インドネシアでのCOP13でも森林の問題についても議論が出てくるのではないかと思います。世界的にも役立つと思いますし、我々の一つの知見としても活用できればと思っております。

(了)

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