本文へジャンプ
ここから本文
環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年6月28日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件が1件、国会提出案件が2件、政令が2件、報告が1件でした。特に環境省に関係のものはございません。
 私から一つお話を申し上げたいと思います。沖縄島北部、いわゆるやんばる地域にのみ生息するヤンバルクイナが、生息個体数・生息域ともに、近年、大きく減少しているものと推定されております。例えば、2001年の調査では1,200羽とされていますが、最近の研究ではさらに減少していると言われておりますし、生息域も南から段々と北上しているということです。昨年12月に公表した環境省のレッドリストでは、絶滅危惧ⅠB類から、絶滅のおそれが最も高い絶滅危惧ⅠA類となりました。個体数及び生息域減少の最大の要因は、外来種であるマングースの影響と考えられていますが、マングースをヤンバルクイナの生息域から完全に排除するまでの間、生息域内における保全施策のみでは、ヤンバルクイナの保存が担保されない可能性があります。
 このような状況に鑑みまして、今般、環境省では、ヤンバルクイナの飼育下繁殖に関する基本方針を作成し、飼育下繁殖に着手することとしました。飼育下繁殖の目的は三つありまして、一つはそうした飼育下繁殖技術の確立をすること、二つめは飼育下における生態的知見を把握すること、三つめは飼育下で一定数の個体群を確保することです。今年度は、飼育下繁殖の試験を行うこととし、平成20年度からの本格実施を目指します。まず10つがい、20羽を確保して、飼育下で増殖し、10年後を目途にこれを200羽くらいに増殖するという目標で進めることになります。なお、マングースの防除事業等、生息域内の保全施策については、今後も鋭意取り組んでいくこととしております。詳細につきましては、後ほど資料を配付いたします。
 私からは以上です。


2.質疑応答

質問
 温泉施設の爆発事故に関しまして、本日は省庁連絡会議、明日は安全対策検討会がありますが、どのようなところがポイントとなると考えていらっしゃいますか。

→連絡会議の名称は、温泉に関する可燃性天然ガス等安全対策関係省庁連絡会議であり、検討会も、温泉に関する可燃性天然ガス等安全対策検討会ですので、まず基本として、専門家の方々に集まっていただき、安全対策を中心に検討いたします。それも主として、渋谷の事故のことも考え、可燃性天然ガスを中心とした安全対策ということで議論を進める予定です。
 より具体的には、安全対策を実施すべき温泉の範囲、あるいは対策の技術的な内容、さらにそれを温泉事業者に実施させるための手段等を想定しています。その延長には、そのために今の法令でどういう面が活用できるのか、どういう面が足りないのか、足りなければその部分は見直さなければならない、改正しなければいけないわけですから、そういうことを含めた議論になります。なおもう一つ、掘削時の許可等を中心としたガイドライン作りの検討会を進めていますが、今回のものは可燃性天然ガス等の安全対策にしぼってということでございます。

質問
 今回の温泉は都市型で、ニーズがあったわけですが、方向性として、そういう都市型の温泉の開発にストップがかかる方向で進むのか、それとも適切な安全策を講じれば、これからも街中の開発が可能なのか、どのような形になるのでしょうか。

→基本的には、幅広く国民が利用する施設ですから、安全性は根本だと思います。今、7月6日を期限として、各都道府県に具体的な安全対策についての調査をしていただいており、まず現存施設がどうかということでそれぞれチェックを進められていると思いますので、この報告も参考にしながら、あるいは今日の関係省庁連絡会議や、明日の検討会等を進めていく中で広範に議論・検討されるものと思いますので、今から、こういう方向とか特定するよりも、まずは現在の状況・課題をきちっと調査して、検討していかなければならないと思います。そして足りない技術面の対策なり、制度なりを全面的に議論して、できれば秋頃までにと申し上げていますが、方向もきちっと出すということだと思います。
 

質問
 ヤンバルクイナの件ですが、飼育場所はどこになるのでしょうか。

→まだ検討中ですが、今は2カ所ほど予定されております。一つは、名護市にあるネオパークオキナワの国際種保存研究センター、もう一つはNPO法人で、どうぶつたちの病院飼育施設で、この両団体の協力を得ながら実施していこうと考えております。

質問
 過去に飼育繁殖した動物はいるのでしょうか。

→例えばツシマヤマネコなども、飼育下繁殖ということで、こういった方針を出して進めた一つの事例だと思います。また、トキも一種の飼育下繁殖だと思います。トキは結局、今は中国からのものだけになってしまいましたが…。ツシマヤマネコの次がヤンバルクイナということになろうかと思います。

質問
 ヤンバルクイナでこういうことをやるのは初めてということですか。

→ヤンバルクイナは初めてです。

質問
 今までに飼育などは全然されていないということですか。

→例えば病気になったもの等を動物園に預けて飼育されている例など、一部ございます。ただ、飼育繁殖としてきちっと方針をたてて進める形でやるのは、ヤンバルクイナとしては初めてです。

質問
 今の個体数はどれくらいですか。

→先ほど申し上げたように、2001年の調査で1,200羽という数字が出ていますが、それよりも少ないという研究報告が出されておりますので、1,000羽程度ではないかと思いますが、詳しくはわかりません。

質問
 これは沖縄県に委託するといったことではなく、環境省の事業として行うのでしょうか。

→今言ったようなところに協力を仰いでですが、環境省の事業として飼育繁殖を進めることとなります。

(了)

▲Page Top