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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年4月19日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件が6件、政令が1件、それから月例経済報告に関する配付が1件です。特に環境省関係のものはありません。
 私から、黄砂について申し上げます。環境省では、平成15年度から最新の黄砂の観測機器であるライダー装置、レーザー光を用いた機器であり、黄砂の濃度分布等を測定することができる機器なのですが、このライダー装置による黄砂モニタリングネットワークの整備をしてきました。そして黄砂の飛来状況への国民の関心が高まっていることを受け、本日からリアルタイムで、黄砂の飛来情報を環境省のホームページ上で試験的に提供することと致しました。この黄砂の飛来情報ページでは、国内外10カ所の観測地点について、地上から上空6kmまでの飛来量と、高度分布図をご覧になることができます。今後、利用者のご意見等を踏まえて、よりわかりやすく情報を提供できるように、システムの改善を図り、また来年の黄砂飛来シーズンに本格運用を目指すこととなります。
  また現在、中国とモンゴルにおいて、我が国の支援によって黄砂モニタリングネットワークの構築が進められているところであり、中国では今年度7カ所設置する予定で、モンゴルでも今年度3カ所が設置予定されております。環境省としては、それらの国々と連携して観測データの共有化を図り、北東アジアの国際的な黄砂モニタリングネットワークを構築してまいりたいと考えております。なお、我が国に飛来する黄砂の物理的・化学的な性状を分析した、黄砂実態解明調査の中間報告書も本日公開致しました。この後お配りしますので、ご参照いただければと思います。
  水俣病の実態調査の件ですが、原則として16日投函ベース期限としていたのですが、書き方がわからないなどで質問されている方もおり、多少遅れてもということで各県対応されているようです。4月18日時点での回収数ですが、熊本県、鹿児島県、新潟県の3県を合わせ、7,466ということでございます。多くの方々にご協力いただいているところであり、感謝申し上げます。また、まだご回答いただいていない方々もおられるので、県と協力しながら、さらに協力を呼びかけてまいりたいと考えております。
  私からは以上です。 


2.質疑応答

質問
 日中の環境問題に関してですが、先日、首脳会談がありましたけれども、一部報道で、環境基金を設置して中国の環境問題に備えるという話が出ているようなのですが、現在、政府内ではどういう議論になっているかということと、簡単な内容みたいなものがあればお聞きしたいのですが。

→日中環境基金の報道は拝見致しましたが、何か具体的な形で、政府内で今こういうことが検討されている、というような事実は承知しておりません。


質問
 ポスト京都に絡んで、経団連が18日に提言を発表し、中味としては、セクター別アプローチを採り入れてほしいとか、排出量取引制度には反対だとか、過去の省エネ対策の成果も考慮すべきだというような内容だったのですが、それについてのご感想をお聞かせいただけますか。

→ 我が国が地球温暖化防止に積極的に貢献していくべきこと、すべての国がその能力に応じて排出削減に取り組む実効ある枠組みの構築の必要性など、経団連の提言書には政府の考え方と多くの共通点があると思い拝見致しました。ただ、提言書に書かれていない点で、私ども環境省として必要不可欠だと思っているのは、気候の安定化という究極目的に向けて、次期枠組みというのは、京都議定書と比べて排出削減がより進んでいくような枠組みを目指していかなければならないという点だと思います。
 いずれにしろ私どもとしては、何よりも実効ある次期枠組みの構築に向けて、我が国も主導的な役割を果たせるように、産業界の方々も含めて、各界の意見を伺いながら努力してまいりたいと思います。
 それから今のご質問の中で排出量取引については、京都議定書目標達成計画でも今後の検討課題の一つとしてきちんと明記がされておりますので、もちろん様々な意見があることは承知しておりますが、それらも伺いつつしっかりと検討を進めてまいりたいと思います。


質問
ポスト京都で排出削減をより進めていかなければいけないという意味では、経団連の提言としては若干物足りないということでしょうか。

→そうですね。いろいろ傾聴すべき意見も入っていることは認めますし、私どもと共通の意見も入っておりますけれども、やはり今の枠組を更なる排出削減に向けて、もっと進むような方向で次期枠組みを構築していかなければいけないわけですから、そういう点で、これからもいろいろ議論を重ねていきたいと思います。


質問
 今の点で確認なんですけれども、経団連の場合、エネルギー効率の向上を進めていっている点に関して、それでは排出削減が十分進まないのではないかということを考えていらっしゃるのですか。

→私どももエネルギー効率というのは大事な視点だと思うし、重要な考え方だと思いますから、エネルギー効率の向上、あるいはそれを世界に対して広げていくということについては、私どもも同感でございます。
 ただ申し上げたように、全体としてこれから排出量を大幅に減らしていかなければなりません。IPCCで言われたように、地球温暖化は予想を上回る速度で現実に進みつつあるわけですから、エネルギー効率の向上以外にも、もっといろいろ議論・検討する点はあると思っております。


質問
 目標達成計画の見直しなんですけど、先月、中間取りまとめがあって、その中で委員の一部から、なかなか議論が進まないので、合同部会の形も協力するが、環境省だけでももう少し部会を開いて議論を進めるべきだという意見がありましたが、このあたりはどのようにお考えでしょうか。

→まず、合同会議において、論点整理が出されました。今後、夏頃を目途として、定量的な見積もり・分析も含めて、きちんとした中間報告を取りまとめていけるように進むと思います。
 ご質問については、確かにそういう意見が出たことを私も承知しておりますが、ただ、それは何も合同会議の形式を否定するものではなくて、合同会議に加えて、中環審は中環審として、検討の場があってもよいのではないかという意見だったと承知をしておりますので、合同会議をこれからも続けていくということが前提だと思っております。中環審の件は、よく部会長とも相談して、円滑な審議・検討が進むように、どういうふうにしたらいいか、よく私どもとしても考えたいと思います。


質問
 今のお話の中で、おそらく別々の形での開催を要望する声の背景には、やはりこれから追加対策に関する実質的な検討に入る中で、環境税ですとか、排出権取引に関する議論に、合同会合の場ではなかなか深まらないという不満のようなものがくすぶっているのかなというふうにも感じるのですが、そのあたり環境省としてはどのようにお考えですか。

→確かに今おっしゃったように、各委員間で当然意見の異なるところも多々あるわけです。人数が多いですから、どうも意見を言う時間がないとか、あるいはもっと議論をしたいということもあると思いますから、審議の進め方についてはそれはそれで、先程も申し上げたように、部会長とも相談してよく考えて参りたいと思います。
 ただ、やはり地球温暖化対策について、これから目標達成計画の見直しの中で取りまとめるのは、政府全体として取りまとめるわけですから、合同会議というものの存在意義はあると思います。基本はやはり合同会議で進めていくということだと思います。そこにいろいろな対立する意見があるのは当然ですけれども、そういうことを踏まえた上でも、合同会議できちっと進めていくということだと思いますし、委員の皆さんもそう思っておられると思います。
 ただ、それを補完する形で、中環審は中環審で議論の場を別途設けるというのは、当然あり得ると思いますが、そこは中環審の話ですから、よく部会長と相談をしたいと申し上げております。


質問
 昨日、温泉法が成立しましたけれども、残りの法案の日程の見通しなどをお伺いしたいのですが。

→これは国会マターですから、私どもとしては粛々と各法案が進み成立していければと思っております。


質問
 昨日、クマタカが青海湖型だったという発表がありましたが、これはどういうことが言えるのでしょうか。

→昨日、クマタカが、検査・解析の結果、中国青海湖で分離されたウイルスと同系統だと確認されたという事実を発表しましたが、青海湖から日本に直接渡ってくる鳥はあまりいないと聞いておりますから、どういう経路でということも含め、これから感染経路究明チームとよく情報交換をしながら進めていかなければならないと思っております。
 昨日、農水省が主催しております感染経路究明チーム及び、家禽疾病小委員会の合同の検討会があって、私どももオブザーバーとして入っておりますが、中間的なまとめが出されたと聞いております。結局、今まで行ってきた調査等をこれからも地道に進めていくということが基本ですけれども、例えば、今まで岡山県と宮崎県で4件あったわけですけれども、これらについての関連性を含めた様々な議論が展開されており、夏には最終的な報告を取りまとめるといったことを聞いております。
 私どもとしては、今、近畿以西の22の府県でカモ類の糞を採取しておりますので、カモ類が繁殖地に戻る今月中までに、このウイルス保有状況を調査すること、あるいは原因不明の傷病猛禽類、クマタカやイヌワシ、オオタカといったものについて、ウイルスの保有状況について調査することとしておりますし、あるいは本年度も引き続いて、野鳥の飛来時期に合わせて野鳥を捕獲し、ウイルスの保有状況のモニタリングも進めていきたいと考えております。また、鳥インフルエンザ等野鳥対策に係る専門家グループ会合からも意見を聞きながら、農水省あるいは厚労省等関係機関と連携しながら取り組んで参りたいと思います。


質問
 水俣病の実態調査ですが、出した数はいくつですか。

→対象の母数ということでは13,400です。


質問
 いつまでに集める予定でしょうか。

→私どもとしては、一人でも多くの方々からご協力いただき、より実態を反映した集計結果にすることが何より重要だと思っておりますが、ずっと延ばすわけにもいきませんので、各県のご判断もあるかと思いますが、どうやって書くのかというような問合せも依然あるようですから、基本は16日投函までですが、それぞれの県において、もう少し遅れてもということで受け付けているようですので、もう少しあるのかと思います。


質問
 目標の回収率はあるのでしょうか。

→特に目標の回収率というのは考えておりません。只今申し上げたように、一人でも多くの方々にご協力をいただいて、より実態を反映した集計結果になることが重要であると考えておりますし、6月の半ばくらいには、与党PTのご検討に資するように中間報告を行えるように作業してまいりたいと考えております。


質問
 サンプリング調査の方はどうなっているのでしょうか。

→それぞれの県によると思いますが、とりあえず今はアンケート調査中心ですが、その中から無作為で5%程度の方々にサンプル調査、これはそれぞれの県によりますが、これから始める、もしくはもう既に始めているといった段階のところだと思います。


(了)

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