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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年4月12日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件1件、法律案1件、政令1件でした。環境省関係のものは特にありません。
 私から2点申し上げます。
 1点目は日中首脳会談の件です。昨日、中国の温家宝首相が来日され、安倍総理との間で日中首脳会談と共同文書の署名式が行われました。首脳会談では環境協力が議題の一つとして話し合われるとともに中国から2羽のトキが日本に提供されることになりました。署名式で環境協力の一層の強化に関する共同声明が署名されたのを始め、トキについても別途、繁殖協力及び研究に関する覚書と、検疫及び衛生条件に関する覚書が締結されました。今回はかつてないほど環境がクローズアップされた日中の首脳往来だったという印象を持っています。
  環境協力の強化について、環境保護分野における協力は日中の戦略的互恵関係の構築に資するものとして、水質汚濁防止、循環型社会の構築、大気汚染防止、酸性雨・黄砂対策、海洋漂着ゴミの防止など幅広い分野で協力を強化していくことが合意されました。また、気候変動問題については、日中両国がその解決に努力する決意を表明し、2013年以降の実効的な枠組みの構築に関する過程に積極的に参加する旨を表明したことは大きな意義があったと思っています。トキの提供については、我が国のトキの安定的な保護・増殖及び野生復帰の取組を促進させるものと期待しています。
  環境協力、気候変動、トキの保護といったそれぞれの課題について、首脳間での合意を基礎に更に前進していくように努力していきたいと思っています。
  2点目ですが、3月29日に開催されました中央環境審議会21世紀環境立国戦略特別部会第4回会合で論点整理を審議したことを踏まえ、4月5日から30日まで環境省ホームページにおいて、21世紀環境立国戦略に対する国民の皆さまからの御意見を募集していますのでよろしくお願いいたします。
  私からは以上です。  


2.質疑応答

質問
 ポスト京都についてですが、昨日の共同声明での文言では、双方は2013年以降の実効的な枠組みの構築に関する過程に積極的に参加するということですが、この成果を引き出したことで、今後、日本が国際交渉でリーダーシップを果たしていくことに関し、どのような意義があるのでしょうか。

→次期枠組みについては、中国は従来から京都議定書の枠組みに基づいて第2約束期間においても先進国が一層の削減に取り組むべきだと主張しており、途上国のコミットメントにつながるような議論は避けてきたのが実態でした。そうした中国が今回の我が国との共同声明で、2013年以降の実効的な枠組みの構築に関する過程に積極的に参加することで合意したことは極めて重要だと思います。中国が対外的に次期枠組み構築に積極的に参加すると表明したのは初めてで、これは我が国が強く働きかけた結果であり、次期枠組作りに向けた我が国のリーダーシップの成果と言うことができるのではないかと思います。この合意を踏まえて日中間の協力を更に深めていくのはもちろんのこと、これから続いていく次期枠組みに関する国際交渉においても中国の一層の積極的な参加を働きかけていきたいと思います。


質問
 次期枠組みまで比較的時間がないと思いますが、具体的に日中間の協力に関する作業手順で想定されるのはどういうものでしょうか。

→日中間の協力については、例えば日中韓三ヵ国環境大臣会合を毎年行ってきており、今年も予定されています。これを一つの核として、日中環境保護合同委員会等についてまだ日時は決まっていませんが今後更に進めていくこととなります。また、例えば黄砂や廃棄物の処理など、それぞれの項目についても様々なレベルで、様々な機会に説明、協議していくこととなると考えています。具体的作業スケジュールはそうした様々な協議を通じて進めていくこととなると思います。


質問
 日米首脳会談では、今回のこの成果をどのように活かしていくお考えでしょうか。

→日米首脳会談について、日本政府全体としてどのように取り組むか、もちろん議論はしていますが、まだはっきりと会談にのぼる項目が固まっている状況ではありません。外務省中心に関係省庁で話を詰めているところです。ただ、気候変動の問題については、是非、日米間でもそのような議論が進められることを望んではおりますが、いずれにしても日米首脳会談前に温家宝首相との間できちんとした環境協力に関する共同声明がなされたことは極めて重要な意義があると思っています。中国はアメリカに次ぐ主要排出国ですので、そうした意味で、次期枠組みの構築に積極的に参加するとはっきりと中国が表明したことは、日米間はもちろん、これからの次期枠組みをめぐる国際交渉全般にも良い影響を与えると思っています。


(了)

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