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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年4月5日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、法律案が1件でした。特に環境省関係のものではありません。
 私から一つ申し上げます。環境省では、平成19年度の新規事業と致しまして、大都市圏におけるエタノール3%混合ガソリン、いわゆるE3ですね、この大規模供給実証事業を行うために、環境省の委託を受けてE3の製造からガソリンスタンドの給油までの実証事業を一貫して行う事業者を、3月2日から30日にかけて企画公募したところです。公募の結果ですが、1者から、あるいは1グループと言った方がいいかもしれませんが、応募がありました。応募者は大阪府で、その下にいくつかの民間の協力事業者がつくという形になっております。提案の具体的な内容については現在審査中のため、省内での契約委員会等の手続を経て、審査結果と併せて来週中をメドに公表したいと考えているところです。
 私からは以上です。


2.質疑応答

質問
 バイオエタノールの件ですが、これまで環境省の方では、石油の元売りの大手、主に石連の加盟会社だと思うのですが、そことも経産省を通じて交渉を続けてきたと思うのですが、やはりそちらからの応募はなかったということで、今後はどうされるのでしょうか。

→環境省では、この19年度から、大阪等の大都市圏ならびに宮古島において、E3の大規模実証事業に着手することとしていますが、私どもから経産省、特に資源エネルギー庁に対して十分な説明を行っておりますし、理解も得ているところです。資源エネルギー庁は、バイオ燃料の利用拡大を図る観点から、自動車業界や石油業界の方々を交えて、品質管理等の安全対策、あるいは脱税対策といったことについて検討を行っており、E3とETBEのどちらも実施できるという方向で議論を進めていると承知しております。
 環境省としては京都議定書の目標達成計画の50万klを目指しつつ、石連がETBEということで進めておられることに対して私どもも期待しておりますし、どんどん進めていただきたいのですが、それだけでは目標達成できませんから、是非、バイオエタノール直接混合の方も併せて、両方ということで議論をしておりまして、政府としてはそういうスタンスでいるということです。19年度の大規模実証事業を着実に進めていくとともに、今申し上げたエネ庁を中心とした検討結果を踏まえて、バイオ燃料全体の本格的普及に向けて、さらに取り組んでいきたいと思います。


質問
 ETBEの方は今月末から販売を始めるということで、ETBEの方が先行して始まっていくような形で、直接混合方式が将来先細りしてしまうのではないかという気もするのですが、環境省が思い描く将来計画の見通しはどのようにお考えでしょうか。

→そういう意味でも、今回の大規模実証事業をきちっと進めていくということは極めて重要だと思いますから、応募があった件について現在審査を進めており、まず大規模実証事業についてコースに乗せていくということが大事だと思っています。今後、ETBEと直接混合方式が並行してどちらも進んでいくという形で、また農水省が力を入れている国産エタノールの大幅な増大とか、いろいろな課題がありますが、まずは一歩一歩着実に増やしていくことをしっかりと進めて参りたいと思います。


質問
 バイオエタノールの販売について、詳細は来週ということですが、イメージとしては大阪府下で販売されるということでしょうか。

→基本的には大都市供給ということですから、大阪に限らないということですが、それらを含めて、きちんと後日ご説明することとなると思います。


質問
 石連の会長が、あちこちでかなり派手な発言をされていると思いますが、これは、環境省としてのスタンスとしては、ETBEにしろ、E3にしろ、どちらでも普及すればいいという立場であると考えてよろしいのでしょうか。

→石連がETBEの普及に向けて努力しておられることは、十分私ども評価をしておりますし、期待もしております。是非、ETBEについても、これからも大いにその拡充に向けて進めていただきたいと思っております。
 しかし、それだけではこれからの、例えば京都議定書の目標達成計画一つとってみても足りないわけですから、やはり直接混合方式も含めて、両方で進めていっていただきたいというのが、私どもの考えであります。


質問
 ETBEに関しては、化審法の審査の話もありましたし、健康影響ということもありますし、コストもやっぱり基本的に高くなるわけですし、混合率から考えても、それほど上げられるわけではないなど、いろいろな課題があると思います。それでもETBEはETBEで進めていくというお立場なのでしょうか。

→おっしゃったような問題はETBEも抱えていると思います。しかし、そういうものを一つ一つクリアしながら、ETBEはETBEとして大いに進めていただきたいと思っております。
 私どもの言っている直接混合方式も、水の問題など色々指摘されています。これも通常の管理をすれば大丈夫だと考えており、そういう意味では、もう検証されていると思いますが、脱税の問題とか、いろいろと心配されていることもあると思います。そういう一つ一つの問題をクリアしながら両方とも進めていきたいというのが環境省の考えです。


質問
 E3の件なんですが、大阪府のプランは、どういう末端のスタンドでどうやるかということも含めた提案ということですか。

→製造段階、それから実際に混ぜ合わせる段階、実際にスタンドで売る段階、それらの一貫したプロジェクトとして応募されてきていますから、1グループといいますか、大阪府と、他にもいろいろな会社が協力して入っているということでございます。ただ詳細は、恐縮ですけれども、今は審査中ということです。


質問
 具体的にどこから基材ガソリンの供給を受けてとか、あるいはどういうスタンドで売るかということまでは含まれていないのでしょうか。

→そういうことまでが含まれないと、きちっとしたプロジェクトとして進められませんから、そういうことも含めて出されていていると思います。


質問
 大阪府も自治体として参加しているということでしょうか。

→大阪府が申し込んできておられますので、もちろん大阪府が中心だと思いますが、大阪府の下に、民間の会社等も協力事業者として加わっているということです。


質問
 大阪府を申請者として、そういう基材となるガソリンの供給まで含めたものをできますよ、という申請が来ているということですか。

→そういうことだと我々は受け止めております。


質問
 温暖化の関係ですが、先日、アメリカの連邦最高裁がCO2を大気汚染物質と捉えて、アメリカのEPAに対して規制を検討しなさいという命令を出したということですが、それに対する感想と、これからのアメリカの温暖化政策に与える影響をどのように見ていらっしゃいますか。

→判決の全体の詳細・分析はまだでございますが、米国の環境保護庁、EPAが大気汚染物質の規制権限を有しているわけですけれども、大気浄化法に基づく自動車排気ガス規制において、CO2は大気浄化法上の大気汚染物質に該当し得るという判決が出たわけです。その該当し得るという判決を受けて、今後規制するかどうか、これはEPAの判断ということになると思います。私どもとしては、アメリカも先般の大統領の一般教書演説にございましたように、燃料対策にも着手している段階でありますが、さらに米国の温暖化対策の進展に大きな影響を持つことになると考えます。
  日本では、地球温暖化対策推進法を柱に進めているところでございますから、これが直ちに我が国の法体系を含めて、直ちに仕組みを変えていくといった影響はないと思いますが、非常に大きな重みを持って受け止めております。今後、環境法の体系の中で、どのようにCO2を位置付けていくかという問題に関わっているわけですから、興味深いものでもありますし、まずはアメリカの今後の動きをしっかり注視して参りたいと思います。
  ブッシュ大統領が記者会見で今後の政策決定に当たって必要な考え方として、経済成長を阻害しないこと、中国、インドなどの主要排出途上国との国際的合意、の二つを挙げておられます。私どもも次期枠組みということを考える際に、やはり米国を含めて、中国、インドと、主要排出国が含まれたものとすることが何より大事なことだと思っておりますから、その実現に向け、まずこれから米国がどういう、建設的な対応をされていくかということも含めて注視して参りたいと思っております。


質問
 水俣病ですけれども、未認定患者に対する調査が明日から始められますけれども、対象者が少ないということで、被害の全容解明にはつながらないのではないかという批判がございますが、それについてはどのように受け止められておりますか。

→現在、与党の水俣病問題プロジェクトチームにおきまして、水俣病被害者に関する救済策についての検討が進められており、その一環として、このアンケート調査を開始するということでございます。明日、熊本県、鹿児島県及び新潟県の認定申請者及び保健手帳交付者の皆様方にアンケート調査をお送りいたします。皆様方の症状あるいは日常生活の支障といったものを把握するために行うものでありまして、14項目ほど、質問が書いてあります。もちろん、調査にお答えいただく内容につきましては、救済策の検討に用いられるものでございまして、それ以外の目的に用いることは全くありません。是非この調査の趣旨をご理解いただいて、ご協力をお願い致したいと思います。
  それから今のご質問の点でございますが、水俣病の認定基準を満たしていないけれども、救済の手を差し延べるべき人たちを救うことが、今度の救済策のポイントです。まずその前段階の準備として調査をし、またサンプル調査をして、対策を作っていこうというのが、今の与党プロジェクトチームの考え方でございますから、対象としては確かに何十万人ということではありませんが、1万3千人ぐらいだと思いますが、そういう方々に対して、調査にご協力いただきたいと思いますし、そういうことを通じて、これからしっかりとした救済策が与党プロジェクトチームで練られると思いますので、その前提として、是非、ご協力いただきたいと思っております。


質問
 被害の全体が把握できるのかということで、調べられる方は行政に認定を申請している方と、新保険手帳の受け取った方ですね。それ以外にも、水俣病かもしれないけど、名乗り出ていない方もいらっしゃるわけです。そういう人たちについては、調査はいかないわけですよね。

→要するに、調査をするということは今後の救済策をきちっと作っていくために調査をするのであって、調査票が来ない人は新たな救済策の対象にならないというわけではありません。これは要するに、きちっとした、どういう救済策を作っていくかということのために調査をするわけですから、それをとりまとめつつおよその感じをつかんで、サンプル調査も加えて、どういう救済策を作っていくかというための調査ですから、実際にこの救済策の対象者がどういう方々となるのかとは、また別の問題だと思います。もちろん今回調査票をお書きになる方が救済策の対象者のほとんどに近いものになるとは思いますけれども。
  それからもう一つは、いわゆる健康調査のお話になるかと思います。これは熊本県の検討会でも、そのようなことが提案されていると聞いておりましたので、今後お考えを聞くこととしています。なお、18年度も熊本県で実施された健康調査データの分析・解析等を行っており、それについても、今年度も続けていくのか、あるいは形を変えるのかということも含めて、検討していきたいと思っております。


質問
 昨日、水俣病患者の方々が環境省に来られたと思うのですが、その中で、慰霊式に大臣に来ていただきたいというお話があったと思うのですが、そのあたりはどうなりそうでしょうか。

→水俣病は環境行政の原点であり、その慰霊式というのは極めて重要なものだと受け止めておりますので、日程調整が許せば出席すると、大臣ご自身も考えておられると思いますので、私どももそのように努力したいと思っております。


(了)

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