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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成19年1月29日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件4件、これは安倍総理の施政方針演説と外交演説、財政演説、経済演説についてです。それと政令3件、配布1件でした。特に、直接環境省関係のものはありません。
 私からは以上です。


2.質疑応答

質問
 鳥インフルエンザが拡大していますが、環境省として調査等を強化されるのでしょうか。

→今回、岡山県で、高病原性鳥インフルエンザが発生したということですので、宮崎県の場合と同様に、現地における野鳥に関する今後の対応を検討するため、本日午後、環境省本省職員を一人岡山県に派遣します。明日、環境省中国四国地方環境事務所の担当者二人と岡山県の担当者、地元の野鳥の専門家の協力も得て、発生農場周辺の渡り鳥を含む野鳥の生息状況の把握を行うこととしています。詳細については、現在、岡山県と詰めているところです。今後の対応については、この状況把握の結果を踏まえ、農林水産省、岡山県と連携しながら、専門家の意見も聞き、早急に検討したいと考えています。

質問
 これも鳥取大学と協力しながらということでしょうか。

→そうですね。協力しながら行います。また一方では農林水産省の感染経路究明チームがありますので、こちらの方にも知見や情報を提供していくという、宮崎県の場合と同じようなスタイルで進めていきたいと思っています。

質問
 結果が出るまでには、大体どれぐらいかかるのでしょうか。

→少し時間がかかります。概況調査自体は、どのくらい野鳥が生息しているか、大量死等の異常な出来事はないかなどについては、明日、地元の記者の方々には御報告できるのではないかと思うのですが、その後の本格調査つまり野鳥の陸鳥の捕獲や、フンの採取などを行っていくこととなると思いますが、そこからウイルス検査をし、その結果については、大体3週間ほどかかります。

質問
 岡山県の場合も、捕獲とフンの採取を行うのでしょうか。

→現在、岡山県と調整していますが、同じような形になるかと思います。

質問
 宮崎県と岡山県で離れた場所で発生しており、野鳥による感染説が盛り上がってきていますが、これについてはいかがでしょうか。

→農林水産省の感染経路究明チームにおいても、様々な可能性が議論、検討されていると承知していますが、渡り鳥の可能性も多分にあるということですので、環境省としても職員を派遣し、調査を行い、感染経路究明チームと一緒に検討していく体制をとっています。しかし、もちろんまだ渡り鳥が原因と確定したわけではありません。

質問
 野鳥による感染の可能性が岡山でも出たことで、これまで宮崎県で発生した状況から変わっているわけではないということでしょうか。

→そうですね。御参考までに清武町の調査について申し上げますが、環境省と宮崎県が鳥取大学の協力を得て、24日から27日までの4日間実施し、陸鳥の捕獲とカモ類のフンの採取を行いました。陸鳥については、渡り鳥を含む野鳥16種102羽を捕獲しました。そのうち渡り鳥が5種39羽でした。そして血液や気管等粘膜の採取を行いました。捕獲した主な種は、カワラヒワ、アオジ等の鳥を捕獲しました。一方でカモ類のウイルス保有状況調査ですが、合計150個体分のフンの採取を行いました。主な種は、マガモ、コガモ等です。採取した検体については、現在、鳥取大学で検査を行っているところです。生息状況の監視については今も宮崎県で継続中ですが、大量死等の異常は見つかっていないと聞いています。
  また、日向市の方ですが、発生周辺の野鳥の概況把握を25日に実施しました。現地で消毒等の措置が進行中で、発生農場そのものには入れず、周辺のおおむね半径7~8kmの範囲で現状把握を行いました。発生農場自体は山に囲まれた中にあり、だいたい今の時期に見られるような一般的な野鳥が確認できました。ただし、大規模に野鳥が生息しているというような地域ではなかったと聞いています。また野鳥の大量死等の異常は確認されませんでした。確認された鳥類は25種類で、このうち渡り鳥は6種類でした。この日向市の方も清武町と同じように、これから野鳥の捕獲、カモ類のフンの採取等を実施することを考えています。消毒の関係の処置の進展を踏まえながら、県とも連携し、どのように調査していくか検討していきたいと思っています。

質問
 今日は、世界遺産条約関係省庁連絡会議で、「小笠原諸島」の自然遺産の暫定一覧表への登録が正式に決まりましたが、外来種対策など、いろいろと課題はあるかと思いますが、環境省としてのこれからの意気込みをお伺いします。

→暫定一覧表に小笠原諸島を記載するということが決まりました。1月中にはユネスコの方に提出することとなります。推薦に向けて大体3年程度以内に特に外来種対策を中心にきちんと整えて、対応していきたいと思っています。富士山など4種類の文化遺産、これは文化庁が中心ですが、こちらの方と一緒に、小笠原諸島は自然遺産として暫定一覧表に記載することに決まったわけですので、世界遺産としての価値は十分あると思いますので、世界遺産として推薦されるように、きちんと進めていければと思います。

質問
 水俣病の関係ですが、新潟県知事の認定審査会についての発言についてはいかがでしょうか。

→私も新聞報道でしか承知していませんでしたので、新潟県に趣旨を確認しましたところ、知事は、公健法の認定申請については認定基準に基づいて審査が行われるが、認定基準に達しなかった方についても、何らかの救済がなされるべきであるという趣旨で発言をされたということです。

質問
 公健法の基準を満たしていない方に対して、独自の基準を適用し、それで認定するということではないのでしょうか。

→そういうことではなく、認定審査会自体は公健法の認定基準に基づいて行われます。知事のお気持ちは、認定基準に達していない方々についても、やはり何らかの救済がなされるべきであるという趣旨で御発言をされたと聞いています。

質問
 そうしますと、今、与党が考えているようなことと同じなのでしょうか。

→知事御自身の力点の置き方などあるかと思いますが、基本的に大きく方向が違うものではないと思います。

質問
 認定申請されているうちの不知火の会の方が調査を受けないという話を聞いたのですが、これについてはどう受け止めていらっしゃいますか。

→私も報道では拝見しています。今回の調査の趣旨が、申し上げたように、認定基準には満たないけれども救済すべき方々が大勢おられると思いますので、そうした方々に救済の手を差し伸べる前提で行われるものです。その調査の趣旨を十分理解していただき、御協力いただきたいと思っています。

質問
 2月5日の国連環境計画の管理委員会に次官が御出席されるそうですが、そこでノルウェーとスイスが改めて水銀削減に関する条約づくりを始めようという提案をされると聞いています。日本としてはどのように対応するか決まっているのでしょうか。決まっているのであればどのように対応されるのかお伺いしたいのですが。

→関係省庁もありますので、まだ対応方針は決まっていません。水銀の貿易に関して、ノルウェー、スイス等から制限的な条約の取りまとめを提案する動きもあると聞いています。環境省としては、水俣病の経験も踏まえて、日本だけでなく地球規模での水銀汚染の防止に向けた国際的取組について、どういう形かはともかく前向きに積極的に貢献していきたいと考えています。

質問
 昨年の水銀の日本からの輸出が非常に増えており、そのこと自体についてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

→ただ輸出の量だけでなく水銀をどのような用途に使っていくかなどいろいろなケースがあるかと思います。例えば苛性ソーダの製造や、金銀採取の際に使用する場合は、すでに水銀に代替するものが存在しますので、これからもどんどん代替していくべきだと思いますし、そのような使途への輸出は、制限することで検討すべきだと思います。ただ、実際に水銀でないと困るもの、例えば蛍光灯用途などは途上国に直ちに代替技術があるわけではありませんので、そうしたことに向けての輸出については、やむを得ないところがあるかと思います。そこはよく吟味して議論する必要があると思います。全体的にはやはり水銀が環境に与える影響を考えれば、総じて中身を十分吟味し、途上国も含めて国際的に積極的な取組を進めていかなくてはならないと思っています。

質問
 財務省の貿易統計では、どこの国に、どれだけということで、そこから先どのような用途で使用したということは日本政府でも把握していないと思います。そういう中で今、用途を吟味していくという話になれば、そういうところから手をつけていくということになるのでしょうか。

→そうですね。まさにそうした観点から、水銀の各種用途への使用、環境への排出状況について、今年度からまさに調査に着手したところです。国境を越える取引等についても、その後どのような用途に使われるかを視野に入れて、この問題を考える必要があると思います。

質問
 医療系廃棄物の調査を始めるという話を聞きましたが、これについてはどうなっているのでしょうか。

→家庭からの医療廃棄物が非常に多く出ているということで、すでに環境省からは、各都道府県等に指示を出しており、注射針などの鋭利な物については家庭から病院などに持って行き、そこから処理・廃棄してもらい、そうでない医療廃棄物については市町村で一般廃棄物として処理すべきという指示を出しています。これからもきちんと見守り、市町村についても指導していきたいと思います。

質問
 調査をいつ頃までにというメドはあるのでしょうか。

→調査のメドは、はっきりとは聞いていませんが、わかれば、後刻皆様に通知致します。


(了)

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