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大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成19年12月28日(金))


1.発言要旨

 本日の閣議案件ですが、一般案件が4件、国会提出案件が19件、報告が2件、配布が3件です。環境省請議はありません。
 私は1月1日から5日まで、ツバル訪問を予定しています。これは総理から10日ほど前に、島嶼国の支援と地球温暖化について現状を見てきてほしいという指示があったものですから、内々で調整をしておりましたが、1月1日から行くということになりました。
 ツバルは島嶼国の中で、気候変動に対してある意味で最も脆弱な国の一つでありますから、具体的にどういう適応策をとる必要があるのか、あるいはそれを日本がどういう形で支援できるのかということについて、ツバルの首相をはじめ、環境大臣らと会談をすると同時に、島民の方とも接して、どんな支援が最もふさわしいのかということについても聞いてきたいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)就任から年末を迎えられて、これまで4ヶ月間の御感想はいかがでしょうか。

(答)私が大臣になってから一番のポイントはCOP13だったのだろうと思いますが、そういう中で気候変動に対する国際世論、あるいは国民の皆さんの意識が、かなりのスピードで拡大してきたなということを実感しております。特にその中で、IPCCとアル・ゴア氏のノーベル賞受賞が大きなきっかけになったのだろうと思います。来年は環境の年にしたいと私個人も思っていますが、そういう意味では、この数ヶ月の間にかなり飛躍的にそういうことが進んだなというのが実感であります。

(問)昨日の4大臣会合で、町村長官から国内の削減目標を設定したいという意向が伝えられたのでしょうか。

(答)そういう具体的な話は、私は聞いていません。一部ではそういう話があったという報道がされていますが、数値に関して、例えばオールドAWGの中にそういうことが記載されているということについては私からも話はさせてもらいましたが、それをどういう形で吸い上げて官邸としてどうするという議論は、あの中ではなかったと承知しております。

(問)1月下旬にダボスで会議があって、総理も行かれますし、おそらく大臣も行かれると思うのですが、そこで日本の削減に向けて何らかの意思表示をすることになるのでしょうか。

(答)数値についてはまだ固まっていないと思いますが、少なくともG8の議長国として、環境問題でも世界に向けてリーダーシップを取るという意気込みは何らかの形で表明する必要があると、私自身は思っています。そういうことは官邸の方にも働きかけていきたいと思っております。

(問)大臣はこの前の国会答弁でも、年内にもということを発言されていましたが、実際にいつ頃までとか、どのような姿ということを、今はどう考えてらっしゃるのでしょうか。

(答)数値目標そのものを直接的にいくつだという話を、どのタイミングで表明するかという話については、検討しているというのが正直なところです。ただ、何回も申し上げていますが、中期目標がだいたいこのくらいじゃないかということを類推できるようなデータについては、日本もしっかりと出していくべきだと思っていますから、ダボスなどでもそれなりの進展があるのではないでしょうか。

(問)進展というのは、日本側から。

(答)何らかの意気込み、あるいは国際社会に対してリーダーシップを取るということにおいて、国際社会に納得してもらえるようなものを打ち出していく必要があるということです。それが数値目標かということはまだわかりません。

(問)日本が数値目標を表明するタイミングというのは、前から大臣がおっしゃっているように、アメリカ・中国・インドが新しい枠組みに入らなくてはならないので、その環境が整ったときということなのでしょうか。例えばダボスやG8環境大臣会合で、先に日本が数値目標を表明するということはないのでしょうか。

(答)私は、ある意味で条件は整いつつあるというか、機は熟してきたなというふうに思っていますが、これは国全体の国益を十分に配慮して、戦略的にあるべきだと思っていますから、そこのところは最終的には政府全体で議論した上での話だと思います。4大臣会合の中でも、私が就任した当時に比べると随分雰囲気が変わってきただろうなと思っています。

(問)今日、福田首相が中国で会談される予定ですが、首相がどんな話をするのかはご存じですか。

(答)中味はよくわかりません。昼くらいに会見されるでしょうから、その時の話を私も聞こうと思っています。

(問)ツバルの視察の成果というのは、1月のダボス会議にも反映されるのでしょうか。

(答)私はそう思っています。総理の指示も、そういう含みがあるのだろうと思います。皆さんもよくご存じだろうと思いますが、途上国支援がどうあるべきかということは、バリ・ロードマップの求心力という意味では大きな要素だと思っていますから、その象徴的なこととして島嶼国、特に象徴的なツバルに対して我々が何ができるかということは、これからの日本の姿勢を示す上でも重要だろうと思います。

(問)来年3月にTICAD4というアフリカ開発会議があり、それも気候変動がテーマになるかと思うのですが、アフリカへの支援というのは何か予定はありますでしょうか。

(答)私はまだ承知しておりません。ただ、貧困と温暖化の問題、特に適応・技術移転の問題というのは表裏一体のものだろうと思っていますから、当然そういうことが議論になるのだろうとは思います。

(問)あと数日で約束期間が始まりますが、改めて御感想と御決意をお聞かせください。

(答)いよいよ第一約束期間に入るわけですから、この5年間に、日本はマイナス6%を実現しなければいけないわけです。それには、産業界ももちろんですが、特に国民の皆様には、是非そういう意識を共有していただきたいと思います。加えて我々も、国民の皆さんに折りあるごとに訴えて、最終的には、足下のマイナス6%を実現して、2050年には世界で50%の温室効果ガスを削減するということに向け、まずこの5年間をきちんとやるということが極めて重要だと思っておりますので、私も先頭に立って頑張りたいと思います。

(問)その際に、排出量取引とか、そういった対策を導入しようとした場合に、やはり経済界とはいろいろと対立が生まれてくるかと思うのですが、大臣ご自身は、そういった中で悪者になる覚悟と言いましょうか、そういう意気込みはありますでしょうか。

(答)約束を守るためにはすべてのセクターに協力してもらわなければいけないわけだから、悪者になるというよりは、むしろ説得をしていくために精力を使っていきたいと思います。必ずわかっていただけるだろうと思いますし、それぞれ自主行動計画でも深掘りをするということで努力をしてくださっているわけですから、それはそれで多として、常にアセスメントをしてフィードバックをしながら、もし達成ができないということが少しでも懸念されるようなら、その都度さらに強力な政策を打っていくというのは当然のことですので、それについてはしっかりと説得をしていきたいと思います。 環境についてはあまり対立構造をつくる必要はないと思います。みんなが納得ずくでやらなければ前に進まないことですから、必ずわかっていただけると思います。また、何度も言っているけれども、ある種の制約の中でしかイノベーションは生まれませんから。

(問)首相官邸に、内閣顧問として経団連元会長の奥田さんが温暖化担当として就任され、一部には経済界の説得役に回るのではないかという話もありますが、奥田さんの役回りというのはどういう位置づけになるのでしょうか。

(答)奥田さんとは最近、1回お会いしました。そういうことについて私たちの考えもお伝えしましたし、問題意識は共有できていると思っています。

(問)強力な助っ人とお考えでしょうか。

(答)助っ人なのかどうかはわかりませんが、少なくとも総理に対しての重要なアドバイザーであることは間違いないわけですから、是非、環境について考えた上でのアドバイスをしていただきたいと思っています。

(問)厚労省の話ですが、C型肝炎の問題が急激に進展しておりまして、その中で原告弁護団が求めている司法認定というのが議員立法の中に盛り込まれる形になるのだと思うのですが、環境省が抱える水俣病問題においても、同じように不知火患者会がそういうシステムを裁判の中で訴えているというのは御承知のとおりなのですが、今回のC型肝炎の動きで影響を受けるというか、参考になるというような受け止めはありますか。

(答)C型肝炎は、これから議員立法、特に前文の中で国の責任、あるいは謝罪というようなことが書かれるということは聞いております。司法でどういう形で認定を考えていくかということについて、そういう手法を使うということがこれから議論され、来年の8日か9日くらいに成案を得るような話をしていますが、それと全くイコールなのかということについてはこれから勉強しなければならないと思います。ただ、多少、時代は変わってきたのかなと思います。

(問)全くイコールというのは、水俣病の問題とC型肝炎の問題のことでしょうか。

(答)それぞれのバックグラウンドと、それぞれの立場がありますから、イコールではないと思うけれども、そういうやり方が世の中に認められるような時代になってきたのかなと思います。

(以上)

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