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大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成19年11月22日(木))


1.発言要旨

 11月22日の繰上げ閣議ですが、一般案件1件、国会提出案件22件、政令2件です。環境省請議につきましては、クボタ・ショック後のアスベスト対策に関する質問に対する答弁書ということで、主請議が1件、共同請議はありません。
 私からの発言としては、東アジアサミットの成果についてですが、今回の東アジアサミットは、東アジアにおいて環境保全を推進する上で非常に重要な成果が得られました。まず、東アジアにおける持続可能社会の実現に向けて、低炭素・循環型社会の構築、豊かで多種多様な自然との共生、さらに将来に向けた環境保全の知的インフラ作りの支援、これらを柱とする、日本の具体的な環境協力イニシアティブが総理から表明されたわけでございます。これは、今年6月に閣議決定された21世紀環境立国戦略に掲げられた内容でもあります。
 また、会議では「気候変動、エネルギー、環境に関するシンガポール宣言」が採択され、気候変動への協調した取組の実施、森林保全に関する数値目標、公害対策と温暖化対策の双方に資するコベネフィット・アプローチなどを含む種々の取組が盛り込まれました。これは12月のバリでのCOP13や、来年の北海道洞爺湖サミットにつながる大きな成果と考えております。宣言に盛り込まれた取組のフォローアップについては、本宣言に基づき設置された、東アジアサミット環境大臣会合において行うことになったということです。環境省としては、日本の経験や智慧、最新の技術を活かして、東アジア地域における公害対策や温暖化対策の進展と、持続可能な社会の実現に向けて尽力してまいりたいと考えております。
 また、日中ハイレベル経済対話に環境大臣として出席するという話ですが、国会の御承認が得られれば、12月1日から2日に北京で行われる日中ハイレベル経済対話に出席する予定でございます。この対話の中では、経済分野における問題解決や協力促進について議論するわけでありますが、今回が初開催ということで、気候変動を含む環境・エネルギー、両国のマクロ経済、貿易・投資、それから地域及び国際経済が議題となると考えられています。
 今調整中ですが、私は周生賢国家環境保護総局長、解振華国家発展改革委員会副主任のお二人と会談し、環境分野の諸課題について意見交換を行いたいと考えています。周大臣とのバイ会談において、公害対策と温暖化対策の双方に資するコベネフィット協力について、具体的な取組を取りまとめるべく準備中です。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)お話のあった日中ハイレベル対話ですが、これまで、4月の日中首脳会談、それから8月に若林前大臣が中国に行かれて、いろいろと取組をされてきていますが、今回は鴨下大臣が行かれるということで、お話のあったコベネの取組などもあると思いますが、その他にどのようなテーマで、どのようなことをお話ししてこようとお考えでしょうか。

(答)まだ具体的な内容は詰まっていませんが、その後すぐに日中韓の環境大臣会合がありますし、加えてバリでのCOP13があります。特にバリでの温暖化対策について、中国の協力もいただきたいということを私から申し上げようと思っております。これからバリ・ロードマップについて、日本としていろいろと積極的に働きかけたいと思っていまして、中国は非常に重要な国でありますので、いろいろと協力体制、特に戦略的互恵関係というのが日中間の合意でありますから、それに伴って、環境というのも互恵なんだということを訴えていきたいと考えております。

(問)COP13に向けての日本提案がまとまったという報道が一部でありますが、これについてお願いします。

(答)COP13については、先立ってのボゴールでの準備会合で、日本としては既に話をさせていただいたわけですが、それに準拠したことをまとめたいと考えております。具体的には、バリ・ロードマップの合意、あるいは気候変動枠組条約の下での新たな交渉の場の立ち上げ、それから、我が国は「クールアース50」に基づき、米・中・インドを含む主要排出国が参加する実効ある枠組みを主導したいと考えているわけですので、基本的にはこういう原則に沿って、先立ってのボゴールでの準備会合で私が提案させていただいたことを、より具体的にまとめ上げるということです。

(問)中国でのコベネフィット・アプローチを具体化させたいというお話なのですが、何か具体的なプロジェクトをその時に出していきたいというようなことはお考えでしょうか。

(答)具体的なプロジェクトも含めて合意を取り決めたいと思っています。場合によると、書面での署名をするようなものもあるかもしれません。今準備をしておりますが、どこまで具体的に詰めるかというのはこれからの作業です。

(問)東アジアサミットで、数値目標が合意されそうだったのですが、インドが反対して駄目でした。これまでインドは立場が不明確だった点もあったのですが、非常に固いという印象が出てきましたが、それについて、COPに向けてどのように考えてらっしゃいますか。

(答)東アジアサミットにインドも入ってもらうということは我が国も働きかけたわけでしょうが、インドは途上国の立場を強く主張されたということなのだろうと思っています。ただ、今お話になったように、全体的な合意が得られなかったということは残念でありますが、それを受けて、じゃあそれでお終いということではなく、それぞれ話し合いのプロセスが始まったわけですから、根気強く、粘り強く、インドの立場も尊重しつつ、合意に向けて努力をしていくということが、バリに向けての私の考えです。

(以上)

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