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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成19年11月20日(火))


1.発言要旨

2.質疑応答

 本日の閣議ですが、一般案件2件、国会提出案件13件、公布2件です。環境省関連は主請議、共同請議ともにありません。
 私から冬の「うちエコ」についてですが、一つは「みんなで集まればうちエコ!」ということで、おうちで皆さんが一部屋に集まって団欒していただくことが、極めて環境負荷を減らすということです。友人などが集まって、そこでエネルギーをシェアしていただくということを環境省としては提唱していきたいと思っています。もう一つは「省エネ製品への買いかえ促進」です。「もったいない」という気持ちで長く使っていただくことは大変ありがたいのですが、殊に省エネに関して言えば、エネルギー効率が悪い古い家電は、できるだけ新しい、省エネ技術の粋を集めた家電を使用していただきたいということを国民の皆さんに訴えていきたいと思います。
 また、地球温暖化防止に向けて、様々なところで国民運動で訴えていますが、特にスポーツや音楽など発信力のある方々にも力を貸していただきたいということで、28日夕方に日本オリンピック委員会の竹田会長らにおいでいただくことになっております。発信力のある方々も何人か一緒においでいただくようです。
 私からは以上です。

(問)先週末にIPCC第4次評価報告書統合報告書が取りまとめられ、温暖化に関する最新の知見が盛り込まれ、世界に現状を訴えていますが、大臣はどのように受け止められていますか。

(答)第4次統合報告書は非常に苦労してまとめられたと聞いています。科学的知見で、温暖化は人為的なものだということについて、90数%の確度で認められたということは非常に意義が深いと考えています。我々はそれに従わなければいけない部分があるのだろうと思います。今まで温暖化について、様々な地球の長期的な気候の変動だとか、いろいろなことをおっしゃる人たちがいましたが、ほぼ人為的だということを世界の学者が認めたことが集約されたものだと思っています。それを受けて、ポリシーメーカーたる政治家、あるいは政府がどのように反映させ、施策に実行していくかということを、多分パチャウリ議長は投げかけたのだろうと思っています。世界のポリシーメーカーは謙虚に受け止めないといけないと思いますし、それを受けてのCOP13だと思います。来年の洞爺湖サミットもそうした科学的知見を根拠に、我々はどう行動するのかということになっていくのではないかと思っています。 

(問)水俣病問題についてですが、昨日、チッソの会長が記者会見を開き、現在、与党PTで枠組みを作り、調整を進めている新救済策について、受け入れかねるということを表明されました。従来から1995年の政治決着が最終決着だということでしたので、予想されたことではあるのですが、改めて受け止めをお願いいたします。

(答)1995年の政治決着が最終決着だという認識をかつてからお持ちだったということは我々もよくわかっていますが、その後に多くのまだ救済されていない方々がいるということも事実です。そういう中で与党PTが非常に苦労して全体的なことをまとめられました。本来であれば、チッソも協力していただくことが、我々政府にとっても望ましいことだろうと思っています。私も報道でしか聞いていませんし、行間で何をおっしゃったかよくわかりませんが、少なくともチッソの会長としての立場からいうと、例えばステークホルダーたる株主や社員といった人たちの立場もあるというポジショントークだと思っています。ただ、これから交渉で絶対に柔軟なことがないかというと、そうではないのではないかなということも感じるのですが、一つの立場として、ああいうことをおっしゃることについては、そうだろうなと現時点では受け止めています。

(問)現時点での案に関してはああいうスタンスですが、今後与党PTの案が変わり得れば、対応も変わり得るという趣旨のこともおっしゃっていると思いますが、これについてはいかがでしょうか。

(答)私はそのようには思ってはいません。与党PTの案が変わるというよりは、チッソが変わっていただくことの方が必要なのではないかと思います。ただ、それぞれの立場がありますから、チッソにはチッソの立場があり、ああいうことをおっしゃることについては、私が理解するという意味ではなく、そういう立場もあるのだなと考えます。

(問)すごく理解があるように聞こえてしまうのですが。

(答)いえ、理解はしていません。我々は、協力してくれるのが当然だという立場です。彼らは彼らなりにいろいろなものを背負っていることについて、また今の時点であのように発言していることについて、そうだろうなと受け止めているというのは、現状をそのように受け止めているというだけの話で、まとめるために私が彼らの立場を理解しているということとは全く違います。

(問)やはりチッソには対応を考え直してほしいということでしょうか。

(答)もちろんです。そうしたことを最終的には我々も働きかける時期が近々にあるだろうと思っています。

(問)昨日、チッソの会長がおっしゃった分社化についてですが、チッソにとっては非常に長年持ち続けている分社化構想がありますが、それに対して政府側の支援なり、理解なりを引き出したいという思いもあるように感じるのですが、これについてはいかがでしょうか。

(答)分社化をして責任が明確にならないのであれば、これは困った話です。ですから私は分社化ということに対しては理解はできません。

(問)理解できないのはどうしてなのでしょうか。

(答)責任が明確でなくなるということが懸念されるためです。

(問)最終的に働きかけるというのは、与党PTがということでしょうか。それとも大臣自らがということでしょうか。

(答)チッソは今、あのように立場を明確にしましたが、与党PTはPTの立場がありますから、まず与党PTがまとめていただくために交渉していただくことが第一番だと思います。そこから先は様々な立場の人間も関わらざるを得ないという意味においては、政府であり、所管している環境省であり、環境大臣であるという立場でも、まとめるために何らかの形で最終的には関与するということだと思います。

(以上)

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