本文へジャンプ
ここから本文
環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成19年10月12日)


1.発言要旨

 おはようございます。
 10月12日の閣議案件ですが、一般案件が1件、条約の公布が2件、法律案が4件、政令が4件でございます。環境省請議については、温泉法の一部を改正する法律案を閣議決定いたしました。
 私からの発言につきましては、一つは今申し上げました、温泉法の改正案の閣議決定でございます。これにつきましては、既にご存じと思いますが、本年の6月に東京都渋谷区で発生した、3名の方の尊い命が失われた爆発事故の教訓を踏まえまして、温泉において発生する可燃性天然ガスによる災害の防止を図ることが目的です。具体的には、温泉の採取を許可制にして、施設の構造や採取の方法が、災害の防止に関する技術基準に適合する場合に限り、採取を許可することとするなどの措置を講ずるというようなことです。
 また、「環境大臣室ニュースレター」というものを開設いたします。私もさまざまなところに行かせていただいて、現場を見させていただいておりますけれども、それぞれたいへんユニークな、すばらしいところもあるわけでありますから、それを広く皆さんに知っていただきたいという目的で、「環境大臣室ニュースレター」ということで、掲載をさせていただきます。
 もう一つは、「わたしがつくったマイバッグ環境大臣賞」及び「容器包装3R推進環境大臣賞」の授与についてです。お手元にお配りしているとおりですが、今、お見せしているのは小学生の部の優勝作品で、自分の小さくなったウィンドブレーカーのようなものの下を綴じて、それをマイバッグとして使おうというもので、とても可愛らしく、ユニークな作品であります。それからもう一つは、92歳でたいへん御高齢ですが、壊れたカサを使ってしっかりとしたバッグを作っていただいて、たいへん優れた作品ですので、御紹介をしておきます。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)昨日、経済産業省の事務次官の会見で、環境税について、効果もないし意味もないという発言をされているようなのですが、それについて大臣の反論をお願いします。

(答) 私も直接聞いたわけではありませんし、新聞等で側聞しただけですけれども、環境税は、私たちは国民への単なる啓蒙だとは思っておりません。むしろ、課税による排出抑制効果、あるいは国民の皆さんに環境というものを知っていただくためのアナウンス効果、そして税収、私もかねてから申し上げていますが、環境省にはいろいろな施策がありまして、それを分厚くするためには、やはり温暖化対策へのより厚い予算の配分が必要です。環境税はこういうものを三つ兼ね備えていると私たちは考えております。
 それから、先だっての世論調査でも、およそ半数の方が、何らかの形での環境に関する課税について賛同いただいているという結果もありますので、必ずしも国民の皆さまの支持をいただいていないということではないと思っております。
 今私が申し上げたような純粋な環境税から、一般の税の中でグリーン税制化していくというような、いろいろな趣旨のことがありますので、そういうことを含めて、私たちはしっかりと国民の皆さん、あるいは与党や国会の中で環境税についても議論をして、実現ができるものについては実現をしなければいけないと思っております。

(問) 京都議定書の目標達成に向けて、産業界の13業種が目標の引き上げの方針を示しまして、あとは業務・家庭部門だというようなムードが強くなっているようなのですが、業務・家庭部門の対策についてどういう方針で臨まれるのか教えていただけますか。

(答) これから目達計画の改定をしていく段階で、業務の部分でもまだ十分に協力いただいていない分野があります。例えば病院や学校などですね。そういうところも含めて、すべての各層がそれぞれ考えていただき、なおかつ実行していただくというような仕掛け・仕組みを作っていかなければならないと思っています。
 加えて、生活・家庭というようなことについては、特に国民の皆さまに御理解いただかなければいけないし、それを強制的にやっていただくというわけにはいかないわけで、できるだけ国民の皆さんが理解をして、自主的にやっていただくために、いろいろと我々から発信、あるいはさまざまな運動などを、より分厚くしていかなければいけないと思っております。加えて、特に民間の方でも非常に熱心な、NPO等の方々もいらっしゃるので、そういう方々も含めて、すべての人たちが協力をするような体制をどういうふうに作るかということを、これから暮れに向けて、しっかりと議論していきたいと思っています。

(問)世論調査の結果について、大臣の御感想をお聞かせ下さい。

(答) 私は、もう少し理解をして下さる方は少ないかなと思っておりましたので、そういう意味では非常に心強い気持ちでいっぱいであります。それから、若い方も含めて多くの皆さんが、将来の環境の問題、あるいは地球温暖化の問題について、非常に深刻に、かつ現実的に考えてくださっているなということで、極めて意を強くしました。

(問) 昨日の中環審で、13の業種が追加の対策を取るということですが、一方で大排出源の電力や鉄鋼などについては姿勢の改善が見られません。大排出源が根本的な対策を取らないということに対して、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

(答) それぞれ自主的に深堀りして下さるということはたいへんありがたいことですが、これは国民生活や経済とバランスを取りながらやらなければならないところもありますから、今おっしゃったような電力や鉄鋼といったところがどういうふうに参加をしてくださるのが妥当なのかという話については、それぞれまず自主的なところでどういう行動をしてくださるのか見守りたいと思います。加えて、我々は第一約束期間に6%プラス8%ぐらいを削減しなければいけないわけですから、5年間で何ができるのかということについては、各業種、各セクター、それぞれの企業といったところにどのように参画していただくかということについて、より深堀りした議論をしていきたいなと思っていますが、大前提としては、やはり経済と国民生活とのバランスの上で我々はやらなければならないと考えています。

(問)今のところ、見守っていても全然動きがないですよね。

(答) そんなことはないと思いますよ。皆さんそれぞれ考えているだろうし、世論も少しずつそういう方向になってきていますので、企業も社会的な存在ですから、自分たちの論理だけでは進まないということは百も御承知だろうと思っております。

(問) 安倍政権から福田政権に移って、同じ環境大臣をやられているということで、まだ立ち上がったばかりですが、安倍さんの時とは違って、福田さんの時はこういうことで環境面での福田色というものを独自に感じるということはありますか。

(答) 安倍前総理が「美しい星50」ということを含めて、国際社会の中に旗を立てて先頭を走ろうという意気込みで非常に頑張っていらしたのですが、それを継承するということについては、今のところ私は何の違和感もなく、福田総理はおっしゃっていると思います。加えて、これから具体化する段階で、例えば今あった経済界とのバランスなどという意味では、これから福田色が出てくるのだろうと思います。福田総理が総裁選にお出になるときの演説の最初が環境から始まったので、基本的なところで環境に対して非常に関心が高いし、加えて全体的なバランスを取るという意味においては長けていらっしゃるので、環境をどういうふうに実現していくかということについては、私もたいへん信頼しております。

(問)大臣室ニュースレターはEメールで配信するのですか。

(事務方)ホームページに掲載という形です。

(問)メールマガジンみたいなものではないのですね。

(答)そういうものではないです。

(問)ブログみたいなものと考えればよろしいですか。

(事務方)行事を毎回、写真と、簡単にどこに行ったかということで関心を持ってもらえれば、それぞれの局の方も見てもらえるので、普通のホームページを考えております。

(問)他の大臣もこういうことはやっているのですか。

(事務方)何カ所かやっているところはございます。名称は同じではないですが、トップページに「大臣の動き」みたいなものを写真付きで出しているところはいくつかあります。

(答) 実際に行って、私の気分としては、これは非常に重要だな、と感じたことについても、なかなか多くの方に知っていただけないところがあるので、是非ニュースレターを見ていただきたいと思います。

(問)温泉法の関係ですが、提出はいつになりそうですか。

(答)国会提出については、今日、閣議決定して、速やかに国会の方には提出します。

(問)もう提出したのですか。

(答)今日、閣議決定で、国会の日程のタイミングで、できるだけ早くということです。

(問) 水俣病の話なのですが、昨日、次官にもお聞きしたのですが、昨日新しい団体がまた新しく提訴して、そして今まで提訴された方が第10陣として追加提訴されて、原告数が1500人近くにのぼっているのですが、この事態を大臣としてはどのようにお考えですか。

(答) 型どおりで申し訳ありませんが、これは係争中の案件ですから、これはもう私がとやかくコメントする立場ではないんだろうと思っております。ただ、与党のプロジェクトチームが非常に精力的に、各団体間の調整をしていただいているようでありますから、比較的早い時期に、ある程度結論が出るのではないかと思っております。ただ、それぞれ司法の場における係争中の案件については、私は全くコメントする立場にないというのは、大原則でありますので、それはまた別の話です。

(問) 与党PTの方で、救済内容に手当を付けようという考え方が出てきていまして、それに対して役所側がかなり抵抗していると話もお聞きするのですが、その辺はいかがでしょうか。

(答) 今は、協議の場は与党のPTにあります。役所は役所の立場として、いろいろ申し上げることは申し上げておりますけれども、それぞれの立場を調整して最終的な落とし所があるのだろうと思いますので、予断を持って、それはするとかしないとかいうことは、今の段階で私が言うことではないと思います。

(問) 一昨日の予算委員会で、首相が、2050年よりもっと前の段階で、中期目標みたいな話について、検討しなければいけないだろうというような発言をされていたと思うのですが、大臣も御答弁されていて、調整役にまだ徹しなければいけないからという話もあったのですが、そういう検討というのはもう始まっているのでしょうか。

(答) 日本は来年のG8サミットのホスト国ですから、答弁の時にも申し上げたのですが、京都議定書の反省に立てば、すべての国が参加していただかなければいけないということが一つと、京都議定書を超えなければいけないということと、加えて、地球温暖化が止まらなければいけないわけですから、そういう意味で言うと、いずれ日本は世界の範たる目標を持たなければいけないだろうと思っております。ただ我々は、すべての国に参加していただき、地球温暖化が止まるような目標という、二つの命題を持っていますので、今の段階では、私はその調整役として、参加していただく枠組みを作り、なおかつその中でしっかりとした実効のあるところを、我々としてはリーダーシップを取りたいと思っておりますので、いつまでも調整役だけで済むとは思っておりません。

(問)すべての国が参加するような目途が立った段階では出てくるであろうと。

(答)できるだけね。日本は他の国から見ると環境先進国だと自負しておりますから、そういう中でいい加減なことはできないというふうには思っています。

(以上)

▲Page Top