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大臣記者会見・談話等

若林大臣記者会見録(平成19年2月16日)


1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議の案件は、一般案件2件、国会提出案件1件、政令4件、人事案件です。環境省の主請議、共同請議ともにありません。
 私から皆さん方に一点、ご報告し、ご説明をしたいと思います。今、スターンレビューの翻訳の作業をしておりますが、この概要を本日お届け致します。今日で京都議定書発効から2周年ということで、チーム・マイナス6%でシンポジウムをやったりしていて、私も昨日出かけてきましたが、京都議定書が発効して2周年という機会に、改めて、地球温暖化の進行が大変危機的な状況にあるということ、これについては直ちに行動を起こしていかなければ時間的な余裕はないということ、そういう意味では、来年から京都議定書の第1約束期間が始まりますが、我が国としてはこの国際約束を着実に実施し、守っていくということが前提で、関係国に対しても積極的に京都議定書の目標達成と、義務を負っていない国や、あるいは離脱したアメリカを含め、広く働きかけていく契機にしたいと思っております。
  そこで、日本とイギリスとで共同研究をしていた、低炭素社会の実現に向けた脱温暖化2050プロジェクトの第2回国際ワークショップを、6月13日からロンドンで開催するということを正式に日英間で決めました。2050年を目指して低炭素社会を実現することは、未来の人類に対する我々の世代の責任だと考えています。また、IPCCの報告書は、既にご承知のとおりでありますが、このままでは地球が壊れてしまうということを、科学的に警告を発したものと受け止めております。6月に行われる日英ワークショップは、低炭素社会の実現に向けた野心的な取組だと両国とも思っていますので、様々な方面から多くの参加を得て、日英の作業を活かしていけるようにしたいと思っております。
  もう一つは、今のスターンレビューですが、完全な翻訳を行うこととして、今、翻訳を進めております。事実上、翻訳はほぼ終わっているのですが、概要部分だけでも早く皆様方にお伝えしたいということで、本日、公表を致します。原文と和訳部分とを対照して、使いやすくしております。報告書本体は、4月末を目途に翻訳を完了させて印刷したいと思っておりますが、スターンレビューも注目を浴びたレポートであり、温暖化と経済の関係について重要な情報提供をする文書であるという意味で、幅広く国民各層に読んでいただくことを期待しています。全体の翻訳については、大変膨大な量になりますので、今のところ、ホームページに載せて、それを読みたい方が読めるようにしたいと思っております。
 以上です。


2.質疑応答

(問)日英共同研究ですが、2050年に70%削減できるということなのですが、欧州諸国は既にそういった長期目標を政府として表明しているのに対し、日本はまだそれをやっていません。大臣は、日本の政府として、そうした長期目標を表明するお考えはありますか。

(答)21世紀環境立国戦略という作業にかかっております。これは中央環境審議会の中に検討するための部会を発足させて、その部会で幅広く地球温暖化から生物多様性に至るまで、環境政策全体をどう進めるか、戦略を立てるわけですが、やはり中心的な課題は、地球温暖化に我が国がどう対処し、さらにその後の展開についてどういう考え方で臨むかという戦略的な対応を決めることになります。その中で、できるだけわかりやすく説得性のあるものでなければならないと思っています。短期的な対応をどうするかという具体的な対策も大事なことですが、それだけではなく、その先をにらんで、どういうふうに対応していくか、決められるものなら決めたいと考えています。

(問)本日で京都議定書発効から2年ですが、今日の閣議で大臣から何かそのことについてコメントはされましたか。

(答)しておりません。

(問)昨日、脱温暖化2050プロジェクトの中間発表があり、70%削減するためのコストとして、技術の導入費用だけで7兆~10兆円くらいかかるという評価だったのですが、そのコストについて大臣は、高いか、安いか、どう評価されますか。

(答)もし何もしない場合には大変な損害を受けるわけで、そのバランスからすれば、必要なものは、もしそれが必要であるということであれば、その理解を国民に求めていくということなので、感覚的にその水準が高いか低いかということは決めきれません。ただ、今着手すればこうで、放っておけばこうなるということで、スターンレビューで考えていることとほぼ同じですよね。当座やらなければならない対策費と、それをやらなかったときに発生するであろう損害額との対比ですと、スターンレビューの作業と、2050プロジェクトの作業とではほぼ同じようなバランスですね。だからそのこと自身はそう突飛なことではないと思うのですが、逐一中味をみているわけではありません。

(以上)

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