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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成18年11月13日)


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議案件ですが、一般案件が2件、人事が1件、配布が1件でした。環境省関係のものはありません。
 先週木曜日の会見の時にEUにおける水銀の関係でご質問がありましたが、次回お答えすると申し上げましたので、EUにおける水銀削減対策と、我が国の対応についてご説明いたします。
  我が国では水銀について水俣病の経験を踏まえ、水銀の排出規制のように、世界に先駆けて水銀に係る厳しい環境汚染対策を実施しています。また国立水俣病総合研究センターを通じて国際協力事業を展開しています。例えば環境水銀汚染ワークショップを始めとした国際会議に研究員を派遣したり、あるいは在外研究員を招聘したり、そういったことを進めています。
  国際的には、これもご質問にありましたが、UNEPの管理理事会におきまして水銀対策に関する議論が行われています。前回2005年の管理理事会において、各国が国内の自主的な判断によって水銀の使用や排出削減を行う、水銀パートナーシッププログラムを始めることとされました。EUは従来から法的拘束力のある国際文書の採択を求めておりました。そして2007年2月に開催予定のUNEP管理理事会でも、おそらくこうしたEUの提案を含めた水銀対策のあり方等について幅広く議論される見通しであります。これが今の状況です。
  我が国としては、EU以外の国も含めた各国、とりわけ途上国の意見も集約して、国際的な合意の下で実効ある対策を進めることが重要だと考えております。今後とも関係府省と連携しながら、地球規模での国際協力についての議論に参加してまいりたいと考えております。
  あとCOPの状況について、少し申し上げておきます。6日に開会をしまして、その後アドホックワーキンググループ(AWG)や様々な小会合が順次開催されこれまで議論が行われてきています。
  次期枠組みという一番大事なポイントについてだけ申し上げますと、このAWG、主として先進国がこれからの義務をどうしていくべきかを議論しているのですが、そこでは今後の進め方や、議定書全体の見直しをどう進めていくかという議定書9条の議論との連携等について議論がされています。これは当然途上国も含めてこれからの仕組みを議論することが大事だということを言ってきているわけです。ただ途上国側は、AWGはAWGとして議論すればいいという立場で、議定書9条全体のレビューについても今回で終わりという考えのようです。もちろん日本も含めた先進国側は、議定書9条、議定書全体の見直しは今後もプロセスとして継続して見直すべきだということを言っております。この辺りが大きな問題として対立しているところです。15日から17日まで閣僚会合もございますので、それに向けて議論を続けていくという状況です。
  私からは以上です。


2.質疑応答

質問
 先日沖縄大学の宇井純先生がお亡くなりになったことについて、環境省とは立場が違うのですが、長年水俣病に取り組んでこられたことについてのコメント等あればお聞きしたいのですが。

→皆様もよくご承知のとおり、宇井純先生はもともと専門が下水処理でございましたが、東京大学で公害原論という自主講座を長年開催されておられまして、その後も水俣問題を始めとして公害問題全般に関して企業や行政に対して鋭い批判を投げかけてこられました。
 先生は一貫して、現場の立場といいますか、被害者の側から環境問題に関わり続けられた方で、平成3年に国連環境計画グローバル500賞を受賞されておられます。私どもとしても、心からご冥福をお祈り致したいと思っております。

質問
 最初にお伝え頂いた水銀削減のお話で、日本としては特に途上国の意見も集約するような形で実効あるものをという考え方であるということで、それも理解できなくはないのですが、もう一方の考え方として、EUが先頭を走っているように、法的拘束力によってとにかく水銀を削減するという方向でリーダーシップを発揮するというやり方もあるのではないかと思います。そうはしない理由というのは何でしょうか。

→前回の2005年の管理理事会で拘束力ある国際文書が必要だという提案がノルウェー、スイスから出され、EUはこれを支持しました。しかし途上国には水銀に対する需要もあり、はっきりと反対が出ましたので、日本を含む欧州以外の国は、すぐに条約化交渉に入るのは難しいので、引き続き検討するべきだという立場に立ったわけです。
 水銀が環境に与える影響は非常に重要な問題なので、今申し上げたように日本も規制を始めとして様々なことで国際協力も含めて進めております。ただ製品としての輸出についてはまた別の問題かもと思いますが、今仰ったような立場もあるかと思いますので、ここは関係省庁ともよく議論しながら来年2月に向けどのように考えていけばいいのか、また途上国側が現在どのように考えているのかということを含めて検討していきたいと考えております。

(了)

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