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大臣記者会見・談話等

若林大臣記者会見録(平成18年10月17日)


1.発言要旨

 本日の閣議ですが、一般案件3件、国会提出案件26件、政令4件、他に人事案件がありました。
 閣議で、内閣官房長官から、公務員の給与改定に関する取扱いについて発言があり、人事院勧告を踏まえて公務員の給与改定について勧告どおり実施することについて関係閣僚の意見の一致を見た、という報告でした。
 総務大臣からも同じ案件について発言がありました。一般職の国家公務員の給与については、人事院勧告どおり平成18年度の給与改定を見送るとともに給与構造改革を引き続き推進し、特別職の国家公務員の給与については、概ね一般職の国家公務員の給与改定に準じて取り扱う、これらの実施については、今年度における新たな追加財政負担は要せず、給与構造改革全体として総人件費の抑制に資するものだが、我が国の財政事情がますます深刻化している下で総人件費改革が求められることを考慮すれば、行財政改革を引き続き積極的に推進し、総人件費を厳しく削減する必要があり、そのため、行政の合理化・効率化を積極的に推進するとともに、定員について5年間で5.7%以上の純減目標を確実に達成し、その中でめり張りのある定員配置の実現に取り組んでいく。また、地方公務員の給与については、その適正化を強力に推進するとともに、国家公務員の給与構造改革を踏まえた取組み等を着実に推進するよう、地方公共団体に対し要請する、人事院において給与構造改革の一環として検討されている専門スタッフ職の俸給表の新設について、複線型の人事管理を実現するための環境を整備する観点から、その具体化について検討を進めるように要請する、という報告でした。
 外務大臣から、北朝鮮による核実験実施発表に係る国連の安保理事会決議に対する我が国の対応について発言がありました。同決議が、安保理の総意として迅速に発出できたことを喜ばしく思うということ、この核実験実施の発表を受けて、国際の平和及び安全に対する明白な脅威の存在を認定し、国連安保理が国連憲章第7章の下に行動し、国連憲章第41条に基づく措置をとることとしていること、同決議は、北朝鮮が国際社会のその他の安全保障及び人道上の懸念についても対応することの重要性を強調しており、ここにいう「人道上の懸念」の中に、拉致問題が含まれていることは明らかであること、我が国としては決議の採択を受け、北朝鮮に対し同決議の誠実な実施を強く求めるとともに、他の国々と連携しつつ、同決議の着実な実施に向けて最善の努力を尽くす考えである、という報告でした。
  引き続き内閣官房長官からは、我が国としては従来より行ってきている厳格な輸出管理、7月5日の弾道ミサイル発射を受けての対北朝鮮措置、安保理決議第1695号に基づく資金移転防止措置、北朝鮮の核実験に係る10月11日の我が国独自の措置等を通じ、本件決議で求められる措置の多くを既に実施していると認識しているが、今後更にいかなる措置が必要かを具体的に検討し、適切な措置を講じていくこと、ついては、閣僚の皆様におかれては御協力よろしくお願いします、という発言がありました。
  なお、拉致問題については、昨日、拉致問題の対策本部がスタートしました。本部長は内閣総理大臣、副本部長は官房長官、全閣僚が本部員となっています。事務局長は中山総理大臣補佐官です。その下に関係省庁の幹事会を設けることになっています。従来の拉致問題対策本部は総合調整だけを行っていましたが、これからは政策企画室、情報室を設け、総合調整室、政策企画室、情報室、の三室を統括し、政府として拉致問題を総合的・一体的に取り組むことを決めました。
   これまで環境省は、環境放射線等のデータの公開システムの準備を進めてきましたが、準備が調ったため、本日から「環境放射線等モニタリングデータ公開システム」を稼動し、公開することにしました。
  なお、今朝までの状況では、このモニタリングにおいて異常なデータは得られていません。このデータは、測定機などに問題がないかをチェックをした後、翌日にはホームページを通じて公開されます。
  私からは以上です。


2.質疑応答

(問)東京の大気汚染訴訟について、石原都知事が、和解協議に応じることと、さらに独自の救済制度をつくり、国にも負担を求める考え方を示していますが、環境省としてはどのように対応していくかお聞かせください。

(答)東京高等裁判所が東京都から和解の可能性等について意見聴取を行ったことは承知しています。東京都が何を考えておられるかはまだ把握していません。現在、環境省から東京都の担当部局に、どういうやり取りだったのか、東京都は何を考えておられるのか問合せをしています。いずれにしても今後の対応は環境省だけで決められることではありませんので、関係省庁とも協議の上で判断をしていきたいと考えています。 
 国が負担をするという考えについては今後協議しますが、石原都知事はしきりと国の責任について言及しておられます。今まで我々が承知している限り、大気汚染とぜんそくとの因果関係が明らかではない、十分ではないと考えています。因果関係がはっきりしない限りは、国の責任を認めるわけにはいかないのです。既に環境省では、かなり大がかりな大気汚染の健康の影響に関する調査を行っています。17年度から本格的な調査、いわゆる「そらプロジェクト」に着手しています。小学生を対象とした学童コホート調査は17年度から行っており、今年度から1歳半、3歳健診を利用した幼児の症例対照調査を幅広く行います。19年度からは成人調査を行い、複数の疫学調査を実施した上で、科学的に信頼性の高い結果が得られるように努力し、これらの結果を受けて対応を決めていきたいと考えています。

(問)少なくとも今の時点では、結果が出るまでは都の救済制度に国が資金を拠出することはないということでしょうか。

(答)この都の意見聴取に国自身は関わっていませんし、裁判所から国自身が呼び出される日程にはまだなっていません。やはり因果関係がはっきりしないものについて国民の税金を使うわけにはいかないという基本でして、因果関係について他の調査が東京都などから示されれば、それらの信憑性について調査しなければいけないと思います。そういう意味での情報交換は東京都ともしていきますが、国としてはかなり大がかりな調査を行っていますので、こうした調査結果に基づいて判断をすることが適当なのではないでしょうか。

(問)温室効果ガスの排出量の速報についてですが、結果的に昨年度よりも排出が増えており、90年比では8.1%上回っています。特に家庭部門と業務その他部門の2つの部門について対策が非常に急がれるかと思うのですが、今後、大臣としてどのようにCO2排出について対応していくかお伺いしたいのですが。

(答)これは国際約束ですので、何としても達成できるようにしなければなりません。今お話にありましたように、速報値を見ても、むしろ増えているので、容易ならざる努力が必要になってくると思います。京都議定書の目標達成計画の評価・見直しは、来年政府全体として行うことになっていますが、やはり環境省としては、すべての対策を総点検し、必要に応じて新たな対策を追加するなどの見直しを行った上で、6%の削減目標が達成できるように全力を挙げなければならないと考えています。

(問)温室効果ガスの排出が増えてしまったことに関して、大臣御自身の感想はいかがですか。

(答)いよいよ厳しくなるなと思いますが、特に民生用とオフィスビルなどの業務部門が課題だと思います。そう考えると、この夏はクールビズでしたが、これからはウォームビズを行い、室内の温度をあまり上げず、暖かい保温系のシャツやコートを着る、あるいは家庭内で、おでんや鍋物などをつつくなど、暖かい過ごし方をすることだと思います。身も心も暖かくすることを国民的な認識、運動として展開していきたいと思います。
  排出量が上がったのは、昨年の冬が寒かったことが影響していると聞いています。寒いとどうしても室温を上げようとなりますので、室温を上げる対応よりも、体の方を合わせてもらうことを大いにキャンペーンしていきたいと思っています。

(問)大臣御自身がウォームビズに関して、こういう服装をしたいというアイデアはありますか。

(答)チームマイナス6%の運動を展開するに当たり、先日、汗を拭きながら暖かいコートを着て、スタジオで写真を撮ってきました。先頭に立ってこうした努力をお願いしていきたいと思っています。

(問)環境放射線等モニタリングデータ公開システムですが、以前から準備をしてきたということですが、本日から稼働になったのは、北朝鮮の地下核実験が何らかの影響があったのでしょうか。

(答)それはありません。以前から準備が調い次第、広く利用できるように公表し、研究者等がそのデータを有効に活用できたら良いと考えていました。その稼動時期が、たまたまこうした時期になったと御理解いただきたいと思います。

(問)1日遅れのデータしか出ないということで、一般の人にはあまり役に立たないと思うのですが。

(答)12箇所の測定所の測定装置が間違いなく作動し、きちんとした正確なデータであるかどうかをチェックした上で公表しますので、翌日に公表するのが精一杯だと思います。主として研究者やマスコミの皆さんが御覧になるのでしょうが、1日遅れで支障があるとは思いません。放射線の状況がどうかというのは、北朝鮮の核爆発を想定して行っているわけではなく、それも含みますが、一般的な気象や、その他地球の環境変化に伴いどのような変動があるかを常時見ているわけです。翌日に公表することについては評価いただければと思います。

(問)今、韓国やアメリカからの情報で、北朝鮮が2回目の核実験をやろうとしている兆候があるというようなニュースが入っているのですが、閣議でそうした話は出たのでしょうか。

(答)いえ、出ていません。1回目の実験について、各国からは本当に行ったかについて疑義も出ており、我が国は文部科学省の調査でも環境省の調査でも、放射性物質による反応はないため、把握できないわけです。アメリカは昨日、間違いなく実験はしたと言っていますが、どのように把握したのか、まだ詳細は言えないと言っているそうです。2回目の実験についての情報などは一切ありません。

(以 上)

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