環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成18年7月4日)

1.発言要旨
  今日の閣議ですが、一般案件が2件、政令が1件、配布が3件、沖縄・北方、環境関係はございません。総理を含めてですが、海外出張した大臣が多かったので、それぞれ海外の報告がありました。特に、二階大臣からは、WTOについてと明日からラミーWTO事務局長が来日されるというお話がございました。
閣僚懇においても、会合の御報告などがありました。
  7月1日に橋本龍太郎・元内閣総理大臣が御逝去されました。謹んで御冥福をお祈りするとともに一言申し上げたいと存じます。
  橋本元総理は、平成8年に総理大臣に就任されてから、さまざまな課題について取り組まれ、沖縄、北方、環境のそれぞれの分野にも関係し、御尽力された方です。
沖縄については、普天間飛行場の移設・返還に向けた日米交渉、沖縄政策協議会の設置、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業、島田懇談会事業と呼ばれているものですが、これの開始など、沖縄の基地負担軽減、沖縄の振興について大変御尽力をされたわけでございます。
  それから北方領土については、平成9年にクラスノヤルスク合意、平成10年に川奈合意の締結と、精力的に領土問題の解決にも取り組まれて、北方四島交流、いわゆるビザなし交流の対象者に専門家を加えるといった流れをつくってこられました。その後も沖縄開発庁長官、沖縄及び北方対策担当大臣、私の今の職でありますけれども、これらを歴任されまして、沖縄の発展のために、北方領土問題の解決のために並々ならぬ御指導をいただいたと承知をいたしております。
  環境関係では、環境庁の発足は昭和46年ですが、そのときは厚生政務次官として腕を振るわれたと聞いております。また、内閣総理大臣として、中央省庁再編の際に、環境省の設置があったわけですが、その背景には、また環境に対しての思いとの両面から、橋本総理のお力があったものと承知いたしております。平成9年12月の温暖化防止京都会議においては、京都議定書の取りまとめにリーダーシップを発揮され、また平成15年日本で開催された第3回世界水フォーラムで運営委員会の委員長を務められました。
私は、御自宅へ弔問に行ってまいりました。
  橋本総理の御冥福をお祈りするとともに、改めて御礼を申し上げたいと思います。
以上です。

2.質疑応答
(問)民主党の小沢代表についてですが、日米中の関係は三角形の関係であるべきだとか、ここのところ、対中重視の姿勢を打ち出されております。かつて行動をともにした大臣としては、こうした小沢氏の考え方、あるいは今回の訪中について、どのようにお考えでしょうか。

(答)訪中については、以前から長城計画という、これは田中派の伝統なんでしょう、それをずっと継承されてこられました。私もその一員に加わって行ったことがありまして、そのときの受け皿が、たしか共青団という、大体そこからみんな偉くなっていくところで、「会員数はどれぐらいですか」と聞いたら、「約1億でしょう」と言われて、すごいなと思ったわけです。そういった積み重ねがあったわけで、今回唐突にいらしたと私は受け取ってはおりません。
  ただ、今外交が、日本主体であるべきことは言うまでもないのであり、政局に絡んで、何かほかの国に主導をゆだねるようなことがあってはいけないし、そういうイメージをつくってもいけないと思います。そういったことに配慮することが我が国の国会議員一人一人に求められるのではないかと、私はこう思っております。

(問)公務と関係ない質問でちょっと恐縮ですが、サッカーの中田選手が引退表明したことについて、何か御感想などありませんか。

(答)中田選手、本当に御苦労さまでした。私は、世界に通用する日本のプロの一人だと思っております。この日本を背負って、プロとして国際舞台で活躍した彼が、一応ここでピリオドを打たれるということですが、またいろいろな方面で大変才能豊かな方なのだろうと思います。イタリア語にしても、取材陣もあそこまでイタリア語がうまくはなっていないと思うんですね。それを考えると、非常に熱心に勉強もして、かつ戦略的にものを考える人なんだろうなと、こんな印象を持っております。これからも頑張って、また日本のサッカーをリードしてくれる、そういう牽引役になってくださればうれしく思います。

(問)北方領土返還についてですが、政府当局は四島一括返還を主張されていると思うんですけれども、先日、根室市長が二島返還、段階的であってもいいではないかという発言をされたんですが、大臣としての受けとめ方と、あともう1点、来週サミットで日露首脳会談が開かれると思うんですが、それに当たっての北方領土問題に対する姿勢を改めてお伺いします。

(答)根室市長の御発言は、もうそろそろ任期も終わるということもある中での心情の吐露ということなんだろうと思います。ただ、交渉ごとでありますので、四島の帰属を明確にするという我が国の主張は、これによって何ら変わるものではありません。市長個人のお考えであろうと、このように思っております。
  また、サミットがあるわけでありますけれども、我が国についても、これについてはある種のタイミングかとは思いますけれども、総理からも今回のG8における機会をとらえて、この領土問題を解決するために総理も御尽力されるであろうと、このように思っております。

(問)大臣、7月6日で在任648日間となって歴代最長の沖縄・北方を担当する大臣になるかと思うんですけれども、御感想を。

(答)私の大臣室で、この間カウントしてもらいましたら、これまでの最長は、在任期間が647日ということで、植木光教長官、当時沖縄開発庁長官兼総理府総務長官だったんですが、植木さんを抜いて、6日には歴代最長ということになります。
  長ければいいというわけではありませんけれども、やはり一つ一つの仕事の仕込みをして、それの成果を見ながら、また加えたり差し引いたりと、いろんなことをじっくりとできます。もっとも、じっくりと仕事ができるかどうかというのは、首長さんのように4年間などと決まっていたら、時間の配分というのを考えるんですけれども、大臣の場合は任期がよくわからない中で、戦略を考えながら、これまでもやってきたつもりであります。沖縄の振興、基地負担の軽減それから北方領土問題、これまで歴代の方々が担ってこられた、必ず大臣としてやらなくてはいけない基礎の部分と、多分私しか考えないであろうなという部分と、その両方を今進めてきているつもりでございます。まだまだ課題が山積みでありますので、最後まで大臣としてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

(問)日曜日、滋賀県知事に嘉田さんが当選されました。嘉田さんはすごく環境問題に造詣が深い方で、ただ推薦政党から見ると、与党の推薦ではないのですが、嘉田さんが当選されたことをどう受け止めましたでしょうか。

(答)これまで國松知事は、非常に熱心に環境に取り組んでくださいました。その対抗馬としての嘉田さんが今回当選されたわけですが、やはり琵琶湖という水の源を抱えておられる県だけに、環境に対して大変熱心です。新幹線の話もありましたが、環境に熱心な候補者同士の研ぎ澄まし合いというのは、地域での環境の改善がさらに進むという意味では、いい競い合いではなかったのかなと思っております。そして、「もったいない」という言葉で戦われたということですが、この言葉は、もともと日本のものであるわけで、それを今掘り起こして、数量的に効果が見え、私は「もったいない」という言葉に対する日本の意識が、いかに深いかを改めて感じたところです。新しい知事として、いろいろな活躍を期待したいと思っております。

(問)水俣病に関する懇談会の件ですが、29日にも提言書をまとめてということだったのが、うまくまとまらずに、いつになるかわからないという状況になっています。このことについてはどのようにお考えですか。

(答)今、有馬先生は海外にいらして、お話しできていないのですが、取りまとめを精力的にお願いしているところです。先生方にお任せしているので、私からはぜひよろしくまとめていただきたいと、このように思っております。



(以    上)