環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成18年1月20日)

1.発言要旨
  おはようございます。
  閣議では、一般案件10件、公布1件、法律案5件、政令7件、配布1件です。環境省関連は、アスベスト関係が2件です。沖縄・北方はございません。
  閣僚懇では、今日から国会が始まるということで、体に気をつけてしっかり対応してほしいと総理からお話がございました。そして、ITに関しての報告などがありました。
  今日は、たくさん法案関係の書類がありましたので、早速風呂敷が活躍いたしました。他の大臣からは、羨望の的でございまして、二階大臣にもう1枚予備に持っていった赤い方を差し上げました。今年はあっちこっちで大風呂敷を広げますので、よろしくお願いします。
  アスベスト関連2法案の閣議決定ですが、改めて申し上げます。「石綿による健康被害の救済に関する法律案」及び「石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案」が決定されました。アスベストによる健康被害は、長い潜伏期間を経て発症する一方で非常に進行が早く、原因者を特定することも困難である中で、何の補償もなく、これまでも亡くなられてきたという極めて悲惨なものである認識に立ちまして、この問題が生じた際に、これまでの縦割り行政の隙間で生じた問題もあるということをベースにして、救済制度の構築に当たってまいりました。できるだけその反省に立って、隙間を排除することを常に心がけて、スピード感を持ってこの法案の取りまとめを行ってきたつもりです。
  また、被害の救済と車の両輪であります被害の未然防止対策につきましても、関係各省庁で密接な連絡を図りながら、4法律の改正を一括法としてまとめることができました。
  今後、迅速な救済、被害の未然防止を図るためにも、できるだけ早い法案の成立を期してまいりたいと思います。環境省として、この法律の円滑な施行に向けて、関係各省、地方公共団体、事業者の御理解と御協力を引き続きお願い申し上げたいと思います。
  私からは以上です。



2.質疑応答

(問)今のアスベスト法案ですが、3月中の施行を目指すためには今月中にも成立させる必要があると思います。しかし、国会もいろいろ不安要素があったと思うのですが、大臣の意気込みはいかがですか。

(答)国会の扱いについては、最終的に国会の方で御議論いただいていると伺っております。ただ、この法律案の趣旨について先ほど申し上げましたように、やはりできるだけ早く救済をするということ、また、今後の予防という観点からしても、できるだけ速やかに成立していただきたい。そして、的確な施行に入りたいと思っていますので、国会の方にも御協力をお願いしたいと思います。

(問)今国会に提出予定の容リ法の関係ですが、来週の月曜日に産構審と中環審の合同部会が開かれることが決まっています。改正法案の取りまとめに向けて現在の進捗状況を教えてほしいのですが。

(答)進捗状況は、今お話があったとおりですが、年も越しているだけに、最後の詰めをそれぞれの審議会を通じて、結論に着地できるようにしていきたいと思っています。10年ぶりの改正ですし、関係各者が納得した形で進めることが、よりスムーズで効果的な見直しになるのではないかと思います。

(問)アスベスト新法ですが、大臣は直接被害者に会われていろいろ聞いている話だと思います。被害者の中にはもう少し手厚く、労災並みのという意見もありますが、これについてどういうお考えかというのが1点。もう一つは、原因者の特定ができないということに本当にそうなのかと言っている人もいるわけです。今後、法律は法律としてあるとしても、原因者の特定について、本当にそういうことはしないのか、その2点いかがでしょうか。

(答)今回の新法ですけれども、先ほど申し上げたアスベストの症状の特異性ということにかんがみますと、潜伏期間が極めて長い、そして病状の進行が極めて早いという中で、救済策を練っていくということは、まずこの新法の中身、法律案で進めていくことが何よりも必要だと感じています。いろいろな工夫もさせていただいたつもりですが、何よりもまず早く施行していくことが救済の一歩につながっていくと思います。

 それから、特定は本当に難しいと言っているが、そうじゃないのではないかという御趣旨だと思いますが、なかなか医学的にも難しいところで、だから、どこの会社の原因であるということは、やはりなかなか難しいのではないかと思います。尼崎の例でも、クボタのみならず、ほかの中小のことだってあるわけですし、その意味で言うならば、特定の何社ということは、極めて難しいと思います。これまで原料をたくさん使ってきたことや、労災の関係で中皮種の患者を何人出してきたかもわかります。ですから、そういった現時点でわかることといったら大体それぐらいしかないという中で、それぞれ負担していただくのをまず1階部分で広くする。そして、2階部分は今申し上げたような判断基準をもって負担してもらうという設計にしたのも、なかなか特定しづらいということからの制度設計、法律案設計であったと。なかなかこれに代わる案というのは難しいのではないかと思っています。

(問)北方関係の話ですが、ビザなし交流の滞在期間を数日でやっているのを1カ月に拡大するということで、ロシア側に提案しているということですが、それについての御感想、意義というのはどのように考えていらっしゃいますか。

(答)一部そのような報道があるようですが、こちらではそういった方向で交渉をしているということは聞いておりません。ただ、これまでも訪問の仕方であるとか、いろいろな要望を出してきていますので、そういう中からストーリーができているのかなと思います。それしか今のところ考えられないです。ただ、私自身も昨年、北方領土に行っていろいろと感じたことなどもあり、いろいろなビザなし交流を進める上での改善点というのがあるかと思いますので、それが実現するように努めていきたいと思っています。報道されていることについては承知していません。

(問)それが実現するかどうかは別にして、改善点としてどんなものがございますか。

(答)例えば、受け入れる方ですけれども、滞在を最大1カ月といっても、そう長い間いたいとは聞いていないです。元島民の方々の要望では、船便で行く代わりに飛行機を使用するとか、自由訪問の対象者を拡大してくれといったようなことは、これまでも交流事業で話し合いを重ねてきています。

(問)沖縄関連ですが、17日にF15が墜落しました。地元沖縄県などは、原因解明までの飛行中止を求めていましたが、19日からF15は飛行を再開しています。この点については。

(答)この件については、19日、昨日の午前中に運用を再開したと聞いています。アメリカ側によりますと、飛行の再開に当たっては、事故後48時間にわたって、すべてのF15戦闘機の安全点検がされて、飛行の安全が確認されたということでありますが、日本政府として万全の安全対策、事故原因の早期究明、それから再発防止策などのでき得る限りの措置をアメリカに対して引き続き働きかけていくことが重要ですし、先ほども額賀長官に、この件についても慎重にやってほしいと私からお願いをしておきました。

 

(以    上)