環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年11月18日)

1.発言要旨
  おはようございます。
  今日の閣議は、国会提出案件が1件、政令が2件でした。
  閣僚懇では、ラグビーのワールドカップを日本に招致していたのがうまくいかずに残念であるという話が、小坂文部科学大臣からございました。
  私からですが、今、環境税、三位一体、アスベストなど環境関係もたくさん課題がありますが、環境税については、今年が大変重要だと私は思っています。既に消費税の論議に話が移っている気がしますが、まだそれは早過ぎるという状況だと思います。その意味では環境税についてもしっかり取り組んでいきたいと思っています。
  税については、ビールの話題ばかりに行って、今日の新聞にはたばこがどうこうという話が出ていました。しかしながら、2008年からの京都議定書の目標達成は、今からやらないと間に合わないことが山ほどあるという大変危機的な感覚を持っております。
  税は、国民の皆さんに負担を強いるものですし、また政府のムダ遣いを何とかなくす方が先ではないかという話になってきます。だからこそ、これからの公務員削減や特別会計の見直しなど、かなり骨太、大胆なところまで切り込んで、まず冗費をなくそうとしています。と同時に、環境はもう待ったなしということで、ぜひ国民の皆さんにもこの環境税の意義について、今一度御理解いただければと思っています。産業界が反対するのは想定内ですが、環境税の効果について、より国民の皆さんにも知っていただきたいと思います。
  環境税案3,700億円の税収規模として、1世帯当たり大体年間2,000円、それを12カ月で割ると月々180円の負担をしていただきたいということです。180円で何かあるかなと思ったら、下のドトールのブレンドコーヒーのSが180円であり、これにあたります。ですから、1家庭毎月コーヒー1杯で地球を守っていくことを、ぜひ御理解いただきたいと思います。
  税収は、例えば森林の整備に充てます。山もかなり荒れていることは、熊の出現や洪水などの問題についても、かなり厳しい状況であることは、皆さん御承知だと思います。
  それから、昨日はエコ住宅を視察に行きました。地中熱を利用して冷暖房に回していこうという、これは欧米などではかなり用いられていますが、日本はまだわずか数百軒というレベルです。すばらしい技術ですが、まだまだ高い。昨日聞きましたら、その機器を導入して元が取れるようになるまでに30年かかるというレベルです。であるならば、なかなか皆さん、その導入をわかったと言っても、一生の買い物の時に一生のことを考えてくださればいいのですが、なかなか導入には結びついていません。
  ですから、環境税は、そういった地球温暖化対策に対しての機器購入の際のバックアップであったり、燃料電池、自然エネルギー、自然再生エネルギーなどの導入などに充てていく。一生懸命頑張ってCO2の排出を減らそうというところには、むしろ減税するということがパッケージになっているわけで、このあたりのところ、また来年でもいいじゃないかという意見もありますが、環境問題は本当に待ったなしであるということを、この際お訴えしていきたいと思います。
  ですから、地球を守っていくために、お子さんに180円のお小遣いを与えるということと同じような形で、ぜひとも御協力していただきたいと思っています。
  ということで、コーヒー1杯で地球を救い、懸念の政府のムダ遣いは、今、一生懸命ダイエットしているので、こちらについても御理解をいただきたいと思っています。
  税の話、また特会などの見直しなども入ってきました。やはり、ここで環境ということを環境省が言わないと誰も言ってくれませんので、しっかり声を挙げていきたいと思っています。
  私からは以上です。

2.質疑応答

(問)三位一体の関係ですが、今日、回答期限だと聞いています。以前から大臣は努力されるとおっしゃっていましたが、検討状況を教えていただけますか。

(答)引き続き検討中ですが、50億円を目標に、できる限り廃止、削減を行うという姿勢で最後の詰めを行っているところです。

(問)今日中には提出されるということですか。

(答)今それも含めて検討を進めております。ノー回答ということは、もちろんありません。

(問)今日の閣議、閣僚懇で、三位一体で何か指示はあったのでしょうか。

(答)ございません。

(問)先日、小泉首相がブッシュ大統領に温暖化対策の協力を申し入れたということですが、首脳会談が終わって、その後、首相からその点について何かお話はありましたでしょうか。

(答)いえ、全くありません。今、伝えられているところでは、残念ながら首脳会談の公式の場において、京都議定書云々の話はなかったと聞いております。でも、首脳会談の公式の席であるとか、一緒にいらっしゃるシーンもいろいろあるので、そこで何らかの話が出されたことを期待しています。

(問)環境税で、言い方ですが、環境税を導入しないと京都議定書の約束を守ることは無理だというお考えですか。

(答)現状からすれば、政府はチームマイナス6%ということで、かなりの方々に御参加いただいてますが、私はそもそもこの名称から変えるべきじゃないかと言ってます。現状で言えば少なくとも「チームマイナス13%」だと。それぐらい切羽詰っている問題であるということです。

 来月、モントリオールでのCOP11に臨みますが、日本の約束が達成できなければ、2008年から12年の間に、その後は、この言葉は使いたくありませんが、ペナルティを課すという形になっています。それに対して、法的な拘束力を持たせるのか持たせないのかといったことも1つのテーマにはなります。私は前から、これは日本にとっての大変な大きな高い目標で、なかなか容易には超えられるものではないものの、環境税などの手法を、あらゆる形で総動員していくならば、日本の強みはむしろ増し、環境という普遍的なテーマにおける日本のリーダーシップは俄然つきますよと申し上げています。

 地球温暖化対策こそ、リオ宣言のときの基本である、いわゆる予防的アプローチの最たるものです。ですから、ここをしっかりと進めていくことは、むしろ日本経済の活性化につながると理解しております。

 今、産業界は護送船団方式で、みんなノーと言っていますが、環境でこれからも伸びていこうという企業はたくさんあります。ですから、皆さんノーとおっしゃっているけれども、そうかしらというのが私の考えです。

(問)先だって、大臣は「クールビズ」が流行語大賞に選ばれたと御発言されましたが、もう選ばれたのですか。

(答)システムはよくわかりませんが、幾つかあって、当日か何かに発表があると思います。

(問)まだ最終的な大賞ではないのですか。

(答)ノミネートです。

(問)最終候補に入っているのですか。

(答)そうです。前に私は確か授賞式に行ったことがあります。幾つか受賞するわけでしょう。そのうちの1つに入っていたということです。

(問)選ばれた際は授賞式に出られるということですか。

(答)一応、日程を空けています。

 

(以    上)