環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年10月7日)

1.発言要旨
  おはようございます。
  今日の閣議、一般案件が2件、国会提出が6件、法律が2件、政令が4件、環境、沖縄・北方関連のものはありませんでした。
  閣僚懇で、官房長官から三位一体の決定の話があった後、総理から、今日から郵政法案の審議なので、関係閣僚は頑張ってくださいというお話がありました。
  私から何点か報告いたします。クールビズが9月30日で終了しました。実施期間中の8月の調査では、夏季の軽装を実施している企業が約6割、例年より冷房設定温度を高くしている企業が約4割でした。最大の目的であるCO2の削減効果は現在推計中ですが、6月から8月で販売電力量の削減効果が電気事業連合会の試算で2億1,000万kwhと、約72万世帯の1カ月分の消費電力に相当します。CO2の削減分は、これから更に数字が上がりますので、そこで最終報告をしたいと思います。
  それから、チーム・マイナス6%のチーム員数では、個人が11万8,000人、企業・団体が3,700団体を突破しました。今後、チーム・マイナス6%では、引き続きクールビズに代わっての「ウォームビズ」で、暖房温度の20度設定を呼びかけ、冬の省エネ対策も推進していきます。クールビズの時は、途中からウナギ登りになりましたが、ウォームビズは既にクールビズの経験があるということで、「ああ、今度は温度を20度にするんだね」ということが伝わり、既に賛同団体は1,000社を超えて順調なスタートを切っています。
  「28」というのがクールビズのときの数字でしたけれども、今度はマジックナンバー「20」ということで、この「20」という数字をこれからしっかりPRしたいと考えています。
  次に、家庭における環境保全活動支援、役所的にはこういう言葉になりますが、「我が家の環境大臣事業」、環境にやさしい活動をすることを宣言する家庭をエコファミリーとし、一家の中で大臣を選び環境省に報告していただき、私から大臣の任命書を送るというものです。任命書は、こういうもので(実物を示し)ネットからダウンロードできるようになっています。私のコードネーム「ゆりちゃん」と出していますが、「あなたを環境に優しい行動に取り組むあなたのファミリーの環境大臣として任命します」ということで進めています。私は前に、100万人の環境大臣を日本中に作るんだということを申し上げておりました。それで、賛同いただいている個人と企業と両方で登録世帯数が4カ月で70万世帯を突破し、100万人の環境大臣まであと一歩なので、更に進めていきたいと思います。また、地方イベントを開催しますが、資料配布の通り、明日から神戸の方で行います。
  クールビズやウォームビズは、どちらかというと事業者をターゲットにして温度調節に協力していただきました。家庭の方は、環境大臣を一人一人、お子さんも置いて、「環境大臣になったよ。お父さん電気つけっ放しじゃない」というようなことで、「お母さんは、そろそろ車を省エネに変えましょうよ」など、そのような会話が起こると、CO2の排出が残念ながら抑えきれていない業務部門、それから我が家の環境大臣の家庭部門、それぞれ地球温暖化の対策をそれぞれの主体で進めていくということです。ということで、70万という大台のところに大分迫ってきているという中間報告です。
  次は、沖縄担当としての報告です。美ら島ブランド委員会などを打ち立てましたように、沖縄の関係で、これまで離島の活性化を役所としても例年力を入れてやってきています。そこで、今回は、沖縄離島市町村等実務研修、漢字ばかりなので「美ら島インターン」という名前にしまして、若手の職員を沖縄県の座間味村に派遣をすることにしました。期間は、10月11日から今年度末までの約半年間です。最初の1週間程度は沖縄県庁で研修を行って、その後、座間味村で勤務をするということで、沖縄における一層の離島活性化に資するということにしたいと思います。29歳の前途洋々な職員を送ることにしています。うまくそれぞれの島々が、国が考えていること、それからそれぞれの島の必要性、そのインターフェース役を務めてくれればいいと思います。
  私からは以上です。

2.質疑応答
(問)環境税について、経団連の方から自民党の方に、反対に近いような意見が出されていますが、それについて大臣はどのようにお考えでしょうか。

(答)先日の内閣府の世論調査で厳しい数字が出たと聞いていますが、世論調査は、設問次第で随分変わるというので、国民の意識が環境税、または環境から遠ざかっているとは思っていません。
  よく言われる総論賛成、各論反対ということをもじって言うならば、財界は、税ですから総論反対、各社賛成ではないかと思っています。これによって環境対策を進めていこうというところは、実際にいろんな経営者の方から私自身直接聞かされています。ただ経団連とすれば、今は反対の狼煙を上げていかなければいけないだろうなというお考えではないかと思います。
  環境税の方法について、まさに公平性や透明性、効率性といったような幾つかの観点があって、これに相応しい形のものを詰めているところです。前年の環境税のコンセプトとすれば、先ほど申し上げた幾つかの要件は当然同じですが、中身的なことについては詰めていきたいと思っていて、税の導入ということで反対をされていると思います。むしろ経済界を巻き込んだ形で、この環境税をツールとした環境対策を進められるようにしたいと思います。

(問)この間の自民党環境部会でも、いろいろな方のお話を伺ったら、やはり大臣が今おっしゃったように、個々の企業の中には反対しているわけではないのに、全体的にそういう雰囲気が出ている。これに対して環境省側のプレゼンテーションをもう少しうまいやり方、違うやり方があるんじゃないかという意見もありましたが、どうでしょうか。

(答)なかなか、この辺のところはプレゼンテーションが難しいです。つまり、今表紙は環境税ですが、中身のコンテンツの調整が必要になってくるので、現時点では表紙しかお見せできないというような中で、プレゼンはタイミングが必要になってくると思います。その辺は、よく全体的に考えて進めていきたいと思っています。

(問)アスベスト対策ですが、対象者の数字として3万人という数字が出ているような情報が一部ありますが、その辺はその後の議論の中で、進展というのはどういう形のものがあるのでしょうか。

(答)今、与党各党と部会などを通じて意見をお聞きしている段階です。3万という具体的な数字が上がっていますが、これは報道機関の方で上げられた数字と聞いています。色々な調査の仕方や計算の仕方で幅があると思っていますが、いずれにしても、新法を設計しているところですし、遅かれ早かれ全体像を考えるときには、数字を出ざるを得ないと思いますが、その3万人という数字でいくということは、政府のベースの考え方ではありません。

(問)一番大きな数字として10万人とかいう数字が学者の方から出るなど、国民の中にどのぐらいの規模で中皮腫やアスベストの被害が出るのかという点は関心が高いと思います。大臣は3万人に対して、一つの報道機関の報道があったという言い方をされましたが、今の段階のイメージとして、どのくらいというようなものはあるのでしょうか。

(答)幾つかのイメージはありますが、今、調査もしているところですし、母体の数字がなかなか掴めていない。母体をどこからどこまでにするかということも検討中です。ですから、これまでの学術論文的なところからの計算方式ということから編み出して、色々な数字が出てくるのだろうと思っています。
  何れにしても遅かれ早かれ、財政も絡んでくることでありますので、その数字も出すべく、総合的な調査を現在やっている段階です。

(問)水俣病の関連で、環境省の説明が一昨日から現地で始まっていますが、現地の情報では、参加者が少なく総合対策に対する期待が無いのではないかと言われているようですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

(答)総合対策をしっかりお伝えして御理解していただくことが目的ですので、まさに周知徹底ということのためにやっているわけです。判決は既に1年前には出ており、国として何をするべきかを今回出したものです。
  提訴の動きもあるようですが、水俣における全ての被害者に対して、何を早急にするべきかということで答えを出した措置です。ですから、一刻も早く治療や措置が受けられるような気持ちを最優先にして進めているということです。国の総合対策をよく理解していただいて、そして日々の不安を一刻も早く取り除いていただければという気持ちで進めたいと思います。

(問)先ほど閣僚懇で三位一体の決定という話があり、環境省としても廃棄物処理施設の補助金が絡んでいますが、そのあたりについてはいかがお考えでしょうか。

(答)昨年も同じ形で、各省に対していろいろな働きかけがありました。それに対して、特別交付金という形で、より使い勝手のよい、地方と国がうまく連携をして循環型社会を作っていくというコンセプトのもので、交付金は非常に重宝がられて使っていただいているという実態があります。そういったところで、お金を減らした結果として循環型社会が結果的に損なわれるということのないよう、形を考えつつ臨んでいきたいと思っています。
  道路、学校、福祉施設などを作るといったこととは別に、ごみの関係は、20年から30年に1回で、その地域に作るときには、反対運動が起こってしまう、いわゆる迷惑施設で、結果として国にSOSが来たりするというケースはこれまでも多々ありましたので、目的は何なのか、それに対して、どこがどれぐらい関わったらいいのかということをクリアにして、この三位一体に対しての国全体の進め方に環境省としての役割を果たしていきたいと思っています。

(問)地方側は廃止を求めていますが、この考え方に対しては反対ということですか。

(答)これも経団連ではありませんけれども、総論反対、各地賛成みたいなところがありまして、運動体とすればそういうふうにして反対と言ってまとめていると思います。今回の郵政と同じではないでしょうか。

(問)ウォームビズの関係ですが、先日大臣は秘書官をモデルにウォームビズをされているとおっしゃったんですが、いつもこの格好ですか。

(答)まだレパートリーが3枚しかございません。本人も、モデルであるという自覚のもとに各売り場をさまよっているようであります。外から見て「ああ、ウォームビズ」というのは、今は、まだ暑いですから、わざわざセーターを着込むのはおかしいですね。ウォームビズもクールビズも、自然に合わせて空調に頼らないように1枚着ましょうね、1枚脱ぎましょうねということなので、それをできるだけ体現してみようと思っています。

(問)今回のウォームビズは女性も中心にしていくということですけれども、大臣御自身も何か着ようかなとか考えていますか。

(答)私はもう昔から寒がりですので、どうやって着膨れしないで、そして暖かくするかというので、ますます機能性の高い繊維の開発に期待したいと思っています。遠赤外線効果とかありますよね。
  スキーウエアなどに使われている、中に着るもので、風は通さないけれども湿気は通すものがあります。だから、スキーウエアの会社などが今度はウォームビズ対応のものを作ってくだされば良いのではないかなと思います。また、ウォームビズではネクタイ業界も頑張っていただいて、ネクタイをさらに幅広にして、暖かくするなどといったら、もう少しまた付加価値が付くかもしれません。
  夏もそうでしたけれども、クールビズというのは、ある種これまでのライフスタイルで、こうあらねばならないという常識を変えていこう。むしろ夏の常識を作りましょうということを提唱しました。ウォームビズも同じことで、冬はこうあらねばならないということではなくて、こんなことをしたら暖かいのではないのかなと皆さんが工夫してくださる、それぞれの事業所でまた工夫していただく。そしてまた、石油価格の高騰が進んでいますが、特に寒い地域など、例えば灯油などに頼っておられる地域は、この際ちょっとエネルギー源そのものを変えてみようじゃないかということで、結果として電気料金や燃料費を下げる方向に持っていく、そして結果としてCO2が減るというように、ちょっとした頭の体操をウォームビズでもしていただきたいと思っています。

(以    上)