環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年9月27日)

1.発言要旨
  おはようございます。
  今日の閣議ですが、一般案件が3件、国会提出案件が1件、政令が10件、報告が1件、配布が1件でした。環境省主請議の廃掃法関連政令が1件あります。沖縄・北方関連はございません。
  閣議では、私がカナダのオタワへの出張について報告いたしました。
  閣僚懇では、官房長官から、クールビズについての報告がありました。私からも皆さんに対して、閣僚の皆さん、関係府省、国民の皆さんにクールビズへ御協力いただいたお礼と、これからはウォームビズというアナウンスメントをいたしました。
  それから、愛知万博が終わり、入場者が予想をはるかに超え、リピーターがかなりいて、大変な人気でしたという話が、総理や経済産業大臣の間で交わされました。
  農林水産大臣から、漁船用重油が非常に高くなっていることから、収益が圧迫されており、備蓄の放出なども含めて総合的に当たってほしいと、石油高騰が続いていることの日本経済に対しての波及についてお話がありました。
  続いて私から、何点かお伝えします。
まず、今日で、内閣府特命担当大臣沖縄及び北方対策担当に就任してから1年が経過したと先ほど事務方から聞いて、ああ、そうかという感じであり、まだ1年、もう1年と、そんな感じがいたします。
  公式訪問では、6回沖縄に参りました。すべての圏域を見ることができ、沖縄についての現場感覚も大分養うことができたのではないかと思っています。
  この1年を振り返ってみますと、沖縄振興計画の推進ということで、沖縄への企業進出で雇用が平成16年度末に9,000人を超えて増えたこと、それから、年間入域観光客数515万人を超えました。沖縄政策の基本は自立型経済の構築であり、数字的にもそういった裏づけが出てきているのではないかと思っています。さらに努力してまいりたいと思います。
  沖縄に関してのトピックスは、やはり大学院大学の設置に関してのいろいろな手続ですが、今年の9月1日に整備機構の出発ということで、こちらも法律が整い、陣容が固まってきました。この大学院大学設立構想の速やかな実現に向けて取り組んでまいりたいと思っています。
  沖縄の離島の活性化については、今年の4月にいわゆる美ら島ブランド委員会を打ち立てました。最終的なまとめもいただいておりますが、提言をまとめるのが最後ではなく、そこからがスタートですので、さらにいろいろな知恵を私自身も出して、美ら島の魅力をさらに引き出したいと思っています。
  また、かりゆしウエアが全国版になり、これは環境大臣との絡みで構造ができたのではないかなと思っています。特にモデル役を自ら買っていただいた小泉総理、それから谷垣財務大臣も随分お召しいただきました。公明党の神崎代表も何度もお召しになっていただいたのをよく記憶しております。今、沖縄にお願いしているのは、沖縄では当たり前のかりゆしですが、東京など沖縄以外のところで、初心者でも着られるようなデザイン、さらに洗練したものにしていただきたいと思っています。
  三位一体改革については、沖縄は、これからもしっかり国と連携してやっていかなければならない地域ですので、沖縄振興特別措置法の改正によって、その体制をつくらせていただいたのだと思います。
  これはまだまだing形ですが、米軍施設区域の集中から沖縄県民の負担をいかにして軽減するかということです。御承知のように、今月26、27日にワシントンで実務者会議が行われているということであり、この問題は、まさにこれから佳境に入ろうかというところだと思います。
  今度は北方関係です。昨年11月に根室管内から北方領土を視察し、7月には北方4島のいわゆるビザなし交流事業で国後島、択捉島を訪れました。これもやはり地図の上で見ているのと違って本当に広い地域で、また何もないというところを実感いたしましたし、現在住んでいる人々との交流、心の交流ができ、今後の施策を考える上でも大変参考になったと思います。特に択捉島の紗那にある郵便局や水産会事務所の保存を民間の皆様が進めておられるのを、さらにバックアップしていきたいと思っております。
  プーチン大統領の訪日ということで、さまざまな方々の発言なども飛び交っているようですが、我が国固有の領土である北方領土の早期返還ということと、そのための帰属の確認という、これまで一貫して政府が主張しているその順序で、それを実現すべく、これからも努力していきたいと思っています。
  ちなみに、8月22日に最北の自然北海道というタイトルでふるさと切手が発売されたのは御存じだと思いますが、その中にハマナスを背景して先ほどお話ししました紗那郵便局をデザイン化したものが出ています。これは北海道からの発行ですが、こういったことを通じて、国民の皆様方にも北方領土の問題などについても考えて、また行動していただければと思っているところです。
次に環境関連ですが、10月1日に地方環境事務所が発足します。自然保護事務所と地方環境対策調査官事務所を統合し、地方支分部局とすることになりました。世の中の流れは、これまでの産業などを背景とした省庁については、むしろ整理するという形でしたが、こちらは、むしろ前向きな整理ということでスタートすることになります。設置のポイントは、法令の権限や予算の執行権限を委任して、その地域の所長の判断でスピーディーに事務を処理するため、国民、自治体等の利便向上につながること、また、統合によって、国立公園内での不法投棄事案など、現行の両事務所が連携すべき問題に効率的な対応ができ、相乗効果を発揮できることなどです。
また、ただ事務所をまとめてたのではなく、明確なビジョンを持って運営するという考え方から、3つポイントを上げたいと思います。
  1つは、機動的できめ細かな現場部隊であること、2つ目は、地域環境力の活性化・支援拠点とすること、3つ目は、地域での環境データバンクとすることです。今の通信ネットワークなど、うまく連携がとれるようなことをこれからも考えて、経費をかけずに、かつ最も効率よくできる方法は何かということで、10月1日に発足することを御報告いたします。
  以上です。

2.質疑応答
(問)オタワの準備会合に出席した感想や手応えなどをお聞かせ下さい。

(答)出発前の会見で、ドイツのトリッテン大臣に話を聞きたいと話しましたが、政局、まさに大連立かどうかという話でトリッテン大臣は来ませんでした。レセプションで、アメリカのドブリアンスキーさんや韓国の方たちは、今回の日本の選挙について、どうしたらあんなに勝てるんだと言って、皆さん非常に関心を持っていました。また、私の選挙キャンペーンがBBCで報道されたこともあって、細かなことなどについても質問責めに遭い、私はパーティー会場で、自分で言うのも何ですが、引っ張りだこの状況でした。
  今回は、約40カ国から閣僚や政府高官が11月のモントリオール会合の成功に向けて、非公式かつ自由な意見交換を行いました。私は時間の関係もあってトップバッターで発言しました。まず京都議定書の実施のために必要な遵守手続などに関しての決定を行うべきこと、それから、2013年以降ポスト京都の問題で、すべての国が参加する実効ある枠組みの構築が必要であること、この2点を特に強調しました。また、日本のクールビスの取組を紹介し、後ろに座る環境省の出張者にネクタイを取らせ、途中経過ですが、実際にCO2の減少、削減に寄与したことなどをお伝えしました。私が日本へ帰った後も、クールビズは結構話題になったようです。
  さらに、イギリスのベケット大臣、カナダのディオン大臣、オーストラリアのキャンベル大臣、欧州委員会のディマス委員とバイ会談を行い、それぞれ意見交換をしました。
  私自身の滞在時間も非常に限られていましたが、日本の立場、考え方を十分お伝えできたと思っています。また、インドのラジャ大臣などレセプションの場において、個人的な関係も強めることができたのではないかなと思っています。
  今回の会議の印象ですが、モントリオールに向けて、またその先に何をするか「What」はほぼ共有できているが、まだ「How」どうやっての部分が、かなり意見の相違があるように思います。特にカナダの大臣は議長役を務められるので、大変張り切っておられます。そうすると、ついていけないというグループが出てきたりするので、これからの接点づくりなど、日本としてもいろいろな国々との調整、間に入ってモデレートするというリーダーシップを私自身もふるっていきたいと思っています。

(問)閣僚懇でクールビズについて官房長官から報告があったということですが、簡単にお聞かせ下さい。

(答)これは政府として行い、記憶されていると思いますが、最初にクールビズで出てこられたのは、定例の記者会見で細田官房長官がネクタイなしで出てきて、おっと思ったあの瞬間から始まったわけです。官房長官は、9月30日をもってクールビズは終了となり、御協力いただきありがとうございましたということ、今回のクールビズの効果として、企業が約6割導入し、例年より冷房設定温度を高くしている企業が約4割に上ったということと、CO2の削減効果については現在推計中だが、今年6月から8月の販売電力量の削減効果は電事連によると2億1,000万kwhであり、約72万世帯の1カ月分の消費電力と推計されており、成功裏に終わり、来年も引き続きこのクールビズの普及に努めたいということでした。なお、冬季の省エネ対策も重要であり、詳細は今後検討を進めていきますが、とりあえず、ディファクト・スタンダードとして米谷秘書官がモデルを務めていただけるのではないかと思います。昨日三越まで行って、着せ替え人形にしてしまいました。モデルになれとは言いませんが、みんなの励ましにもなるので、乞御期待お願いいたします。

(以    上)