環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年7月22日)


1.発言要旨
  おはようございます。今日の閣議案件は、一般案件が2件、政令が5件、配布が1件でした。閣僚懇では、財務大臣から人民元切り上げの話がありました。また、原子力関係の人事の話などもありました。
  私から何件か報告いたします。
  まずアスベストです。クボタの旧神崎工場を始めとした、アスベスト関連事業所周辺の健康被害については、私も大変重要視しております。これまで課長級だった関係省庁会議が、昨日から局長級になりました。いろいろな検証が行われている中で、環境省としましては、来週26日に公衆衛生、産業医学、臨床などの専門の先生方に集まっていただき、科学的な助言を頂きたいと思っております。
  その場で、尼崎保健所やクボタに寄せられた情報、これまで他の役所で行った実態調査の結果、労災の認定状況など、今、入手可能なデータを集めていきたいと思っております。
  もちろん、環境省ですから、一般環境経由のアスベスト被害の分析、今後の対応について、この検討会を通じて科学的な助言などを頂きたいと思っています。
  それから、省内の体制ですが、既に保健部、管理局、廃棄物リサイクル対策部が連携を持ち情報交換と対応策などの検討に入っているところです。対策を強化するため、次官をヘッドとして3つの担当部局で対策班を作りたいと考えております。
  以上のように、アスベストに関する対応を着々と進めているところです。また、環境省としてどの時点で何をして、どういう対応をしたのかを時系列でまとめているところです。
  次に、沖縄こども環境大臣の進捗の報告です。今年2月に沖縄与那国島の中学生、長尾蓮君を沖縄こども環境大臣に任命をしました。これに加えて、他の沖縄の離島に住む小・中学生を対象にして作文を募集し、その中の優秀作品に選ばれた子供たち29名を、それぞれの島の沖縄こども環境大臣に任命しました。
  9月4日には、沖縄こども環境大臣サミットを那覇市内で開催したいと思っています。
  任命した、沖縄こども環境大臣の皆さんには、このサミットでそれぞれの島の環境問題や環境大臣としての取組を報告していただきます。
  3点目は、チーム・マイナス6%についてです。チーム・マイナス6%には各企業からの参加もどんどん増えてきていますし、個人の参加も増えてきています。その中で、チーム・マイナス6%のテレビコマーシャルを、明日7月23日から集中的にオンエアしようと考えています。
  CMのキャラクターは、私の友人でもあります西川きよしさんにお願いしました。「小さなことからこつこつと」というおなじみのフレーズですけれども、まさに環境問題に小さなことからこつこつと、一人一人が取組んでいただいて、それがチームとなって、国となってマイナス6%という京都議定書を達成する。一人一人が心がけてくださいねということを伝える、そういう内容になっています。
  ということで、早速見ていただきたいと思います。
(CM放映)
  ということで、コンセプト的には一人で始まって、そして蛇口を締めましょうとか、クールビズとか買い物のレジ袋は断りましょうとか、電気をこまめに消しましょう、チーム・マイナス6%で6つのアクションと言っているものを一つ一つお願いして、そのたびにきよしさんがどんどん増殖していくというコンセプトになっています。
  出演者は西川きよしさんとコマメちゃんが出演していて、最後にコマメちゃんがちらほらあちこちに見えるという作りとなっています。
  7月23日から31日の期間で民報各局、ネット各局で集中的にオンエアされることになっています。それから、民報各局の皆さんに、チーム・マイナス6%のいろいろと趣向を凝らしたコマーシャルを制作していただいています。私どものコマーシャルが終わった後、趣向を凝らしたチーム・マイナス6%のコマーシャルを流していただくということで徹底してやってまいりたいと思っています。
  各局に、知恵を使って作って頂いていますので、楽しみにしています。
  私からは以上です。

2.質疑応答

(問)このテレビCMのキャスティングと演出は、大臣自らですか。

(答)キャスティングと西川きよしさんがどんどん増えていくコンセプトまでは私がお願いをいたしました。
(問)容器包装リサイクル法関連ですが、スーパーのライフ、イオン、それに続いて他のスーパーも再商品化にかかる委託費の支払いを留保するという方針を出し、一部報道では、それを評価しています。当然支払うべきものを留保してしまうことについて、どう考えていますか。また、支払いを促すような対応策を何か考えているのでしょうか。

(答)先般、チェーンストア協会の皆さん、会長を初め全員来られまして、事業者としての立場などについてお話しされていかれました。支払うべきものを留保されていることについては聞いておりますけれども、ただ政府として法律に従って、毎日の運用を皆さんにお願いしているわけですから、法治国家である以上は、その留保をそのままにしていくわけにもいかないと考えています。ただ、一つのアピールであるということは承知をしております。
  また、実態と、今後の流れというものがどうあるべきかについては、話し合っている最中です。一つの意思表示としては受けとめますけれども、やはり法に従って頂きたいと思います。皆さんには一生懸命に取り組んでいただいておりますが、支払い留保の動きは、再商品化にかかる委託費にはただ乗りがあるのではないかと指摘しつつ、それをさらに助長することになっております。ただ乗りすることによるシステム全体の歪みを考えますと、私どもとしては、留保とおっしゃっている皆さんに対し、環境省として然るべく申し上げなければならない瞬間が来るのかなと思っています。

(問)アスベスト問題ですが、1971年に旧労働省が、公害の可能性を指摘しました。その後、発足した環境庁とか、当時公害を担当していた厚生省などへ情報がうまく伝わらず、対応が後手に回ったのではないかという報道も少しありましたが、その点について大臣はどうお考えでしょうか。

(答)71年時点ということで申し上げますと、そのときはILOが石綿による職業がんを公認しており、当時の労働省が持っていた資料は、環境庁も既に持っていたので、労働省からの連絡が遅かったというようにはとらえていません。
  環境庁も公害の可能性の認識を持っており、その後、アスベストに対応するために、モニタリングをどういう形でやろうかと検討した上で、実際にそのモニタリングを行って、それを踏まえた結果として大気汚染防止法の改正につながってきているわけです。このように世界の動きなどをベースにして、当時の環境庁として成すべきことを重ねてやってきたということではないかなと認識しています。
  いずれにしましても、その当時の何が話し合われて、何を知って、何をその後で対応をしてきたかというのを時系列でまとめているところです。この辺のところは、役所の中にある資料や、それから関係者の言葉などを聞いて、しっかりと詰めていきたいと思っております。
  今、手元にある資料であるとか、当時の認識をざっくり聞いているところでは大体そういう流れであったと認識しています。

(問)関連質問ですが、各省庁それなりの問題意識は持っていたと思いますが、横断的にと言うのでしょうか、現在は横断的にやっておりますが、これまでそういうことを言いながら縦割りということについては、これは一歩も出ていなかったのではないかと思っていいのでしょうか。

(答)私はその当時の空気はわかりませんけれども、この問題だけに限らず、一般的に言ってやはり縦割りということは否めないのではないでしょうか。
  だからこそ今大きな問題になり、アスベストの問題は、既に中皮腫という形で亡くなられた方、実際に治療を受けておられる方、病床にある方など、既にそういう状況になっている方の問題と、今後どうするかという、この2つが大きなテーマになると思います。
  ですから、これまでのことを検証し、実際にその病気の方への対応を検討することも一つですし、もう一つ、今後どうするのかというところでは、これまでのような縦割りではなくて、総合的にこれ以上の問題を拡大させないために、各省庁としっかり連携とるべきだと思っております。それだけに今回、二橋官房副長官のもと、局長級の連絡会議をやってきておりますが、これをうまく機能させていかなければいけませんし、当然、そういう形でこの問題は取り組むべきであると思います。

(問)昨日、官房長官が、労災の枠にはまらない方の補償を検討するという旨の発言をされていると思うのですが、環境省としてはそこをどのようにお考えでしょうか。

(答)今いろいろな問題を全部集めているところですので、その上での判断が必要になってくると思っております。

(問)過去の環境省の取組の検証は、いつまでにまとめるつもりですか。

(答)できるだけ早くまとめたいと思います。

(問)尼崎で、周辺住民の方からの声も結構出てきて、人数もまとまってきています。環境省の調査は相談窓口からの情報等ということになっていますけれども、直接の聞き取りはまだ一回も行っていないことも含めて隔靴掻痒というか、時間が経っている割には情報を待っているというように思います。直接の聞き取りも含めて、何かしら少し加速するというお考えはないでしょうか。

(答)これは、尼崎市の保健所が実際に行っています。尼崎市が来て、環境省が来て、厚生労働省が来てとなったら、また縦割りの話になるわけです。ですから尼崎市の保健所がしっかりと、聞き取り調査などができるように、環境省としてバックアップしそのデータをシェアしていきたいと思っております。尼崎市の保健所の方がしっかり動いていただくことをサポートする方が機能的だと思います。

(問)沖縄の都市型戦闘訓練施設の抗議集会で稲嶺知事も出席して、中止を求めたいという発言が出ておりましたけれども、それについて大臣のお考えと、知事が来週あたり上京して、基地の問題について政府に対して要請をしたいということですが、そのとき大臣はお会いになられるのかどうか、お会いになるとしたらどういったお話になるのでしょうか。
(答)沖縄での前回の集会のことについても伺っております。またこの都市型訓練の施設そのものに対して、県知事もずっとかねてより反対を言っておられるというのは聞いております。
  これについては、安全にくれぐれも気をつけて、万全を期すようにお願いをしているのが政府の対応です。知事が来られるということについては、日にちなども聞いております。よほどのことがない限り、私はお会いしてしっかり知事からもお話を伺いたいと思っています。

(以上)