環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年7月5日)

1.発言要旨
 今日の閣議ですが、一般案件が1件、国会提出案件が7件、政令が2件、配布が1件、沖縄・北方、環境それぞれ関連はございません。
 閣議決定に係る沖縄関連の案件で施設区域についてのものがありますが、基本的には防衛施設庁関連となっております。この件については、事務方に聞いていただきたいと思います。
 閣議では、中国の観光ビザを全土に広げるということで、中国出張にいらしていた国土交通大臣から報告がありました。
それから、サミットに出席ということで、総理が出張に行かれる件についての話がありました。
 閣僚懇では、経済産業大臣から、愛知万博が前倒しで1,000万人の入場者を達成できたということと、これから暑さ対策も考えていかなければならないという報告がありました。
 総理からは、今日は郵政の衆議院での採決という重要な日であるので、一致結束して当たっていきましょうというお話がありました。
 閣議、閣僚懇については以上です。
 それから、私はかねてより、クールビズの実施は日本国内にとどまらず、高温多湿なアジアにも広げたいということを申し上げてまいりました。そうすると、これは報道でしか知らないのですけれども、中国の国務院でも「清涼公務」というのでしょうか、涼しくて、公務、つまりビズですね、クールビズを始めるというお達しがあったそうです。省エネに照準を合わせて、7月1日から8月31日まで、エアコンの温度設定を26度以上にするなどの取り組みがなされ、温家宝首相自らポロシャツ姿で登場されたということです。中国における省エネが、しっかりと実施されることを私自身も喜んでおりますし、多分地球が一番喜ぶのではないかと思っております。また、この間、グレンイーグルズサミット絡みでブレア首相に会った日本の方から、日本のクールビズのことが話題になって、首相が僕もネクタイを取ろうかと言われたということを聞きました。イギリス紳士がネクタイを取ってどうなるのかなと思うのですけれども。ちなみに、今年はヨーロッパでも既に猛暑が始まっているとのことです。
 私から以上です。

2.質疑応答
(問)郵政の関係で質問いたします。法務省あるいは厚生労働省の副大臣が郵政に関連して内閣に同調できないということで辞表を提出する動きがありますが、環境省の方はいかがでしょうか。

(答)環境省では、政務官は衆議院議員ですが、今地元からこちらに向かっていて、今日の本会議には出席すると聞いております。

(問)辞表等を出す動きとかというのは、まさかありませんよね。

(答)それはないと聞いております。

(問)沖縄・北方関係でもないと。

(答)沖縄・北方関係でもありません。
 先ほども閣議の前にいろいろな話があり、なかなか厳しい状況ではあるということです。これは小泉総理にとってみれば、ある意味でどちらにしても小泉総理の公約及び御本人の思いがかなってしまうのではないかということではないでしょうか。
 郵政の民営化は、自民党としての選挙公約にもなっていたと思います。これが否決された場合は、あくまで私の感覚ですが、小泉総理のこれまでの言動などから考えると、厳しい判断をされるのではと思います。そうすると、自民党をぶっ壊すとおっしゃられた思いが別にあるわけで、そっちの方がかなうことになるでしょう。このように、小泉総理の思いというのが両方にまたがっていると、私は個人的に感じております。
 これから、本会議でどのような結果が出るのか、本当に予断を許さないと思っております。

(問)今日、あるいは昨日の夜までに、だめ押しで副大臣、政務官にちゃんと出なさいというような指示、あるいは念押しというものを特になされる、あるいはされたということはあるのでしょうか。

(答)いえ、それは特にやっておりません。

(問)改めて大臣の法案に対するお考えと、今日、採決でどうされるのかをお聞かせください。

(答)採決については、これは問題なく賛成票を投じることになります。
 小泉内閣の一員として、また郵政民営化の必要性という、その両面から賛成をしたいと思っております。

(問)サミットの件ですけれども、気候変動などに関して、特にアメリカに対しての調整が難航しているようですけれども、これについて大臣はどのようなお考えでいらっしゃいますか。

(答)まだ合意文書案をまとめつつあるところで、いろいろなやりとりが行われている最中であるという経過については聞いております。また、世界的に効果的な気候変動対策が推進されるように、積極的に日本も議論に参加しているところです。
 これから、まさに調整が進むわけですので、見通しというのは、まだまだ、それこそ予断を許さないところもあろうかと思いますが、我が国として言うべきことはしっかりと言っていく所存であります。
 今回は、気候変動とアフリカが2大テーマですので、アフリカの問題はもちろんですが、気候変動に関しても、これからの文案作成、それから実際の首脳会談およびサミットそのもののところで、小泉総理にはしっかりと御発言をいただきたいと思っております。

(問)すみません、もう一度郵政の質問に戻りますが、今後もし政務官、副大臣が欠席や反対票を投じた場合、その後の対応について大臣はどのようにお考えになっているのかということと、特に党の方から指示は来ているのでしょうか。

(答)まず、環境副大臣は参議院議員でありますので、今回の投票には関係がありませんし、ましてや反対に回るということは一切ないと思います。
 政務官についても反対票を投じると聞いておりません。
 ですから、その措置については、まさに仮定の御質問だと思います。あえてお答えするならば、政府が決めた、また党の方で党議拘束をかけて賛否を問うというところで反対もしくは欠席ということになりますと、これは必要な措置をとらなければならないと思っております。

(問)具体的な措置というのは。

(答)措置は一つしかないでしょう。

(問)それについて党からは何か。

(答)いや、党からは言われておりませんが、大臣として当然とるべき対応ではないかと思います。

(問)クビですか。

(答)私の人事権の中でやりたいと思っています。ただ、その必要はないと思います。

(問)それは欠席もされないという。

(答)だと聞いていますけれども。

(問)北方領土に7日から行かれるということで、一度大臣もおっしゃっていると思いますが、もう一度行かれる狙いを伺えますか。あと、今回、日本人の建てた郵便局、水産会事務所などを大臣自身も御視察されるのか、そしてその建物の保存についてどう思っていらっしゃるのかまず教えてください。

(答)今回は、7月7日からビザなし交流の一環として私も参加いたします。国後、択捉の2島を回ってまいります。
 択捉では、今もおっしゃった日本家屋のそれぞれの現場も見てまいりたいと思っています。保存の動きについては、これは基本的に民間でそういった動きがあるということも承知をしております。どのような形が一番うまくいくのか検討した上で、歴史の証人でもあるこれらの建物をしっかりと保存できるような、そういうサポートをしていきたいと思っております。
 基本的に現地の今おられる島民の方々との交流を進めて、ホームビジットなどもして、今、島民の方がどういう気持ちでおられるのかということを直接、私自身が聞いてみたいと思っております。

(問)アスベストの問題で、今日、クボタから事情を聞くということを伺っております。尼崎の地元周辺では、今回、一般住民の方からも市役所に相談が来ていると聞いています。一般住民に対する環境省としての今後の取組について改めてもう一度お話しいただきたいと思います。

(答)まず先だって、アスベストの問題が表に出てから、閣僚懇で、これは関係の省庁でしっかりと連携をとっていく必要があるということを申し述べさせていただきました。早速7月1日、アスベスト問題が明るみになったその日に、省庁連絡会合が持てたということは、まず国としての体制の第一歩ができていると思っております。
 早速、関係省庁と連絡、連携をとって、情報収集に既に努めているところでありますが、今日3時半から、クボタの担当部長を呼んで状況報告を聞くことにしております。
 クボタという特定の問題と、それから全国でどうなのかという問題があるわけですけれども、まずクボタについては、今回会社から労災の状況、そしてこれまでの流れなどについてお話を伺うというところがスタートだと思っております。
 それと尼崎市役所もまた兵庫県に話を上げていくという流れになると思いますので、そういったところで、まずはやはり情報収集ということに努めてまいりたいと思っております。
 基本的には、いたずらに不安感が先行することがないように配慮もしながら、情報を私どもから流す必要があれば、それは出していくということだろうと思っております。
 それから、クボタ以外、同様の工場について、基本的にアスベストを作っていた工場は既に把握しており、全国に158あるそうです。そういったところで、まず労災認定を受けた従業員の方がおられるのかどうかを調べております。これまでの例では、家屋の中での空気によって労災が生じており、これが家屋から外に出た空気によって生じると、今度は環境省の所管で大気の問題ということになるわけです。
 ですから、労災については、まず工場内での状況がどうであったかを調べるというのが第一歩ではないかと思っております。
 せっかく作ったネットワークでありますので、うまく連携をとってやっていきたいと思っています。それぞれの分野で既に工場の状況がどうだったかといったような調査も行われつつあると聞いております。

(問)すみません、北方領土の質問に戻りまして申し訳ありません。ロシアの大統領が11月に来日されるということで、大臣が行かれるということになると、地元では大臣がいらっしゃるということで、その領土交渉に何らかの良い方の影響があるのではないかという期待もあると思うのですが、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

(答)領土交渉は、実際には外務省が担当をしております。
 今回、プーチン大統領がまたいらっしゃるということなのですが、日にちまでは確定されておりません。訪日の方向性は固まったと思いますけれども、日にちを決定するところまで残念ながら至っていない、この辺はあくまでも慎重に進めていく必要もあろうかと思います。また今回、私が島に行くことは、まさにビザなし交流の基本的な考え方に則って、島民との交流をどうやって進めていくのかということがベースにあります。自ら大臣としてあちらに行って、直接、島民の方々と交流を持つというのは、文字どおりビザなし交流の基本の基本だと思っております。
 それによって、もちろん領土交渉がうまくいくということも期待いたしますし、外交交渉ではほかの項目もあっていろいろなやりとりがあるのでしょう。一方で、ビザなし交流は、着実に地道な交流を積み重ねていくということに重要性があるのではないかと私は考えています。

(問)続けてすみません。北方領土に行かれるのは、現職閣僚では5人目になられるということで、それで根室の地元としては、また来てくれれば期待もあって当然うれしいのですが、来てもやはり変わらないのではないかという見方にはどうお答えになりますか。

(答)いろいろな思いでいらっしゃることだと思いますけれども、戦後60年、つまり北方領土がとられてから60年ということですから、期待も高まるだろうと思います。
 しかし、交渉の中では、これまで長い長い歴史の中での積み重ねがあって残念ながら取り戻せていないこと、そしてまた相手が今どういう状況にあるのかということなども考慮しなければならないと思います。交渉とパラレルにこのビザなし交流を続けていくことは、二元外交という意味ではなくて、片やテーブルで着いて交渉する部分と、片や住民同士、そして国民同士が手を取り合って、お互いの意識を深めるということであり、このように2トラックでやることはよくあることです。また、その2トラックの1つであるビザなし交流の方がしっかり進むというのも一つ大きなポイントではないかなと思っています。
 北方領土問題の解決は、2つが相まってできるものだと思っています。

(以上)