環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年6月24日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 今日の閣議ですが、一般案件が2件、公布が8件、政令が7件であり、環境省関係で、環境省組織令の一部を改正する政令がありました。これは地方支分局を置くことに絡んでのものです。沖縄・北方関係はございません。
 人事案件では、日本環境安全事業株式会社、PCBの処理などに当たっている株式会社でありますけれども、代表取締役社長の宮坂真也さんが、6月30日開催予定の株主総会の終結で任期満了となっておりますけれども、引き続き代表取締役社長として充てることについて、本日の閣議で了解が得られました。この後は株主総会、取締役会などを経まして、正式に決定ということであります。既に現時点で社長でありますけれども、経歴など必要な方はおっしゃって下さい。
 それから、閣議では、大臣の海外出張の件などについての報告がありました。環境関係では、地域再生の関連で、村上規制改革担当大臣から、水の処理の関係での交付金について3省の交付金制度にしたことによるプラス面などの例が3つほど紹介されました。道路、のほか、港湾なども含めてです。
 私からは、閣僚懇におきまして、昨日の沖縄全戦没者追悼式への総理の出席に対して、お礼を申し上げさせていただきました。
 閣議、閣僚懇が終わりました後、地球環境保全に関する関係閣僚会議が開催されました。ここでPOPs条約に基づく国内実施計画の了承、それから平成17年度の地球環境保全調査研究総合推進計画が決定されました。PCBであるとかダイオキシンなど毒性の強いものの取り扱いをめぐっての国際条約を我が国は既に批准しているわけでありますけれども、それに伴って、京都議定書で言うならば目標達成計画を立てるといったものに匹敵いたします。関係省庁一体となって、POPs対策に取り組んでいきたいと考えているところです。改めて私から申し上げます。
また閣僚懇で発言したように、昨日、沖縄県主催の沖縄全戦没者追悼式に小泉総理と出席したわけであります。追悼式では、先の大戦で犠牲となられた沖縄県民を始めとする戦没者の方々の御霊に対しまして、哀悼の意を表するとともに、御遺族の方々の今後の御多幸をお祈りしてまいりました。
 また、追悼式が終わりましてから、小泉総理が対馬丸の記念館を訪問されて、私も同行いたしました。つい先だって沖縄を訪れました際に、この対馬丸記念館を支えておられる皆様から、ぜひ小泉総理にという御要望もございまして、それをお伝えしたところ、小泉総理は厚生大臣当時、この対馬丸の沈没の現場などにもいらして、鎮魂に努めていらしたという経過もありまして、小泉総理からこの対馬丸記念館訪問を快くお受けいただいたのが実現したということであります。沖縄は、地上戦を経験した唯一の場所でありますけれども、このように海上でも多くの子供たちが犠牲になったということを、改めて思い起こす次第でありますし、また平和への思いを新たにいたした次第でございます。
 今回の訪問では、沖縄の方々の背負われた深い悲しみに思いをいたすと同時に、平和で活力と希望に満ちた沖縄に導くべく、諸問題の解決に向けて全力で取り組む重要性を改めて心に刻んだ次第であります。
 なお、今回の沖縄訪問では、残念ながら久高島は国会のスケジュールの関係で行けませんでしたが、また次回に行ければと思います。
 かりゆしの夕べを開催しまして、かりゆし関係の方々といろいろと意見交換をいたしました。ぜひクールビズの一環として、かりゆしがより広く親しまれ、実際に多くの方々にお召しいただけるような、そういうデザインであるとか、染めであるとか、企画をどうするとか、非常にいい懇談会になったと思っております。これから沖縄の皆さんがよりスピード感を持って、かりゆしの知名度も、クールビズともに一気に上がっていることだと思いますので、素敵なかりゆしを提供してくださるということを、これからも後押しをしていきたいと思っております。
 私からは以上であります。

2.質疑応答
(問)昨日の中央環境審議会で、容器包装リサイクルの中間報告が出されたのですけれども、秋の最終報告に向けて、業者にどれだけの負担を求めるのかとか、あるいはレジ袋も具体的にどのように有料化するのかとか、さまざまな課題があるかと思うのですが、その辺について大臣はいかがお考えでしょうか。

(答)昨日は中環審の中間報告をまとめるということで、いろいろ活発な意見が交わされたと聞いております。事業者の一部負担もそうですし、またレジ袋についても非常に熱心な審議の上でおまとめいただいたと思っております。実際に御質問にもありましたように、課題は大変山積みにはなっておりますけれども、ごみの山にならないための容リ法ですので、しっかり現実と、消費者、国民の意識も変えてといった、また事業者の方々への責任のあり方、どれぐらいの責任を負っていただくか、これからより真剣なる詰めを行っていきたいと思っております。いい方向に、まずは中間報告をおまとめいただいたものと思っています。

(問)クールビズの関係ですけれども、今週から国家I種の官庁訪問が始まっていますけれども、やはりリクルートスーツ姿の方が多くて、採用される側ですからしようがないとは思うのですけれども、これに関しまして、大臣、どのようにお考えかということを。
(答)少なくとも環境省を希望する方は、ネクタイと上着というこれまでの形のスタイルで来られない方がいいのではないかと思いますね。

(問)他省庁はどうでしょうか。

(答)他省庁についても、率先して総理自らがこの流れをつくっていこうと、また、他省庁も目標達成計画において、各役所の役割が明確に記されているわけです。それを考えれば、自分は何をすべきかが見えてくる。公務員というのは、やはり自らが先頭に立ってやるべきことを示すことによって信頼感を勝ち得て、その上でしっかりと仕事をすることが必要ではないかと思います。社会とはこうあるべしということをつくっていかなければいけない若い世代の方が、こうすれば無難という方向に行くのは残念です。でも採用する人次第になるかもしれませんけれども、環境省はそれで徹底したいと思っております。

(問)直接は関係ないのですけれども、北朝鮮の拉致被害者の横田夫妻が座り込みの抗議運動を行っているということなのですが、そういったことも含めて、今の北朝鮮の拉致問題について、どのようにお考えでしょうか。

(答)残念ながら停滞している。そのいらだちの現れによる行動ということで、非常に私も心を痛めております。
 最近の6カ国協議に戻る、戻らない、ミスターをつける、つけないといったような非難の応酬というか、言葉のやりとりが続いているかと思います。これは私の印象ですけれども、このところ韓国が、北朝鮮へいろいろな呼びかけをして、詰めた会議をやっています。これは今年終戦60年という節目に対して、南北で朝鮮半島全体のイベントというか、何か考えているのかなと思います。終戦60周年において両方で共通のメッセージを出すとか、南北首脳会談をやるとか、いろいろあるのではないでしょうか。昨日の沖縄の追悼式もそうですけれども、やはり今年は60周年ということで、いろいろと歴史を振り返り、また将来も考えるということでしょう。その間で、拉致被害者の方々が座り込みをするということは、これは大戦とは違いますけれども、まだ拉致被害者の方々にとりましては、心穏やかでない日が続いていることを、閣僚の一員でもある私自身も心にいつもとめておきたいと思っております。

(問)水俣病の話ですが、先日、関西訴訟の原告の一人が、環境省が出された医療費の全額支給を受けられる手帳を返上されたのですが、やはり認定基準の見直しをしてほしいというのが一つ理由にあるようですけれども、率直にそれをどうお受けとめになられていますか。

(答)この手帳は、これまで原告の皆さんからの要望が強かった医療費などの支給を行うというものです。基本的にはこの手帳を受ける、受けないというのはそれぞれの御自身の意思なので、返却ということで、それも御本人の意思であるというならば、非常に残念なこと、やむを得ないことなのかなと思っております。
 ただ、この関西訴訟を踏まえて、今一番求められている、多くの方々が基本的に求めておられる総合的な対策を一つずつ真摯に進めて、総合対策の事業を円滑に実施していくことが、御理解いただける方向ではないのかなと思っております。強い意思でもってお返しになったということは、十分受けとめていきたいと思っています。

(問)北方領土問題についてお伺いします。
 ロシアの安全保障会議で外務省の高官などが、国後と択捉と色丹の3島を訪問して、90%以上の島民が北方領土の返還には反対しているというようなことを言ったという報道があります。そういった考えは、ロシア側の指導部と立場は同じだというようなことも言っていまして、そうしたロシア側の動きをどのように考えますか。

(答)その一方で今日の新聞にも出ておりましたけれども、世論調査で50%が反対しないということを言っていると。これはロシア国民に対しての意見の世論調査だったでしょうか。いろいろとまだら模様だと思います。プーチン大統領が11月のどこかの時点でお越しになるというのが大分固まってきているわけでありまして、そういった中でまさに外交交渉をこれから進めていこうということだと思っております。
 調査はいろいろなやり方があって、それぞれ一番使いやすい世論調査を引っ張ってくるのはどうなのか。実際はどうか、これからスケジュール次第でありますけれども、私自身が4島のうち2島を訪問する準備を進めているところであります。その辺は自分の目でも見てこようと思っております。
ところで別な話題ですが、クールビズに関して、最初はクールビズはファッションでどうあるべきかというのが盛り上がりましたけれども、今落ち着いて28℃設定というのが主目的だということを、大分おわかりいただいてきていると思います。ただ、28℃といってもどこの段階で28℃なのか、部屋によって西日が強かったり人が多かったりすることによって設定と現実は違うじゃないかとか、いろいろな話が出てきていると思うのです。
 かつてインテリジェントビルというと、IT化のための専用回線が太いとか、そういった情報機器に対してのインテリジェント化が言われていました。これからは、環境に対してインテリジェント化するビルとかオフィスが求められるのではないでしょうか。空調の具合がどこへ行っても28℃が保たれるような技術であるとか、今日もそんな技術をもう既にあちこち研究しているとか出ていた新聞記事もありました。ビルのエコインテリジェント化みたいなことがこれから進められ、ますます28℃イコールクールビズとの理解が深まり、これによってCO2の削減、特に業務部門のオフィスビルからの削減をより効率的に進めていくといったような方向に行けばいいなと思っています。空調関係であるとか建設関係の方に、ぜひエコインテリジェントビルを造ってというお願いをして回っているところです。

(以上)