環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年5月27日)

1.発言要旨
 本日の閣議は、一般案件が2件、国会提出案件3件、政令10件、報告1件、配布1件でした。閣議では、男女共同参画、エネルギー年次報告、国際収支、CPIなどの説明と報告がありました。
 クールビズによる経済効果はどうかと竹中経済財政担当大臣に伺っていたのが、早速対応してくださいまして閣僚懇でお話がありました。
クールビズの関連商品一式を、例えば百貨店で新たにシャツ、スラックス、靴、ベルト、ジャケット、アンダーウェアまで含め、一式そろえると約13万円になるようです。
 サラリーマンがスーツを3年で買いかえると想定した場合に、基本的にこれまでの夏物のビジネス衣料の平均的な費用は9万円程度であるならば、今回のモデルチェンジで、ネットで4万円程度のプラスの支出が生じるであろうと思われます。
 仮に、公務員の男性職員25万人が新たに一式購入すると仮定すると、今まで通りのビジネス衣料を購入する場合に比べて約100億円程度の支出の増加となり、これが約169万人の地方公務員の男性職員、そして約1,500万人の企業のホワイトカラーにも普及すると、その効果は数倍、数十倍ということで約6,000億円という数字を出されました。
 環境と経済の両立・統合という形で、このクールビズが経済の牽引役になってくれることを期待したいと思います。
 私の方からの御報告です。明日の28日土曜日、29日日曜日で、沖縄を訪問いたします。今回は宮古島、伊良部島、下地島を訪問し、宮古圏域市町村長との意見交換を行う予定にしております。
 これまで、沖縄本島、八重山圏域、幾つかの離島を訪問し、圏域で言えば、宮古の圏域を伺うということで、大体これで圏域的にはすべて行くことになり、大変楽しみに思っております。現地のさまざまな状況をしっかり見て、関係者の声も聞きたい、そして、今後の離島活性化の取り組みなども現地を見ることによってさらに加速させていきたいと考えております。
 閣僚懇のときに、中川経済産業大臣から、最近は海外での石油価格がニューヨークのWTI、北海ブレント、ロンドン、それぞれ上がっていて、その中でも、よく使われる軽質油の価格が特に上がっていましたが、最近は重油関係も引っ張られて上がってきているために、例えば漁船のA重油とか、最近メディアでも取り上げているお風呂屋さんとか、そういったところにも影響が出てきているのではないかとお話がありました。
 これに続けて、総理から、今、ブラジルの大統領が来日されていて、エタノールの開発がブラジルで行われている例などのお話がありました。
 私からは、やはり今は脱温暖化、低炭素化を進めることが、ある意味ではチャンスではないか、今後どのように社会全体をシフトしていくかを考えるのが一番重要な時期ではないかと考えていまして、発言をしようかと思っていましたが、今日はその後に郵政の委員会もあり、時間の関係でできませんでした。
 いずれにしても、どういうエネルギーを使っていくのかというのは、日本としても大きな選択で、方向とすれば低炭素化社会の実現を図っていきたいと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)繊維業界との懇談で、特にクールビズに関連して何か印象的なお話はありましたでしょうか。

(答)繊維業界も大変幅広くて、川上から川中、川下と、それぞれお揃いいただいておりました。既に素材としての繊維業界でも、アイスタッチなど機能的な繊維の開発が進んでいることについて、先方の方から御紹介もございました。
 まさに川上から川下まで、そして環境省、政府一丸となって、このクールビズを進めていくという、そのいい接点が改めてできたのではないかと思っています。各業界と協力してクールビズを進めていきたいと思っております。

(問)道路特定財源の見直しですが、小泉総理が先日、指示をされたということで、仮に道路特定財源が環境税化されることになると、価格のインセンティブが働かないことや、運輸部門だけに効果が限定されるということにはならないかどうお考えでしょうか。

(答)仮の御質問ですので、まだ何ら固まっていないところでお答えすることはできかねると思います。道路整備関連は受益者負担の考えで、環境税は汚染者負担の原則ということでありますので、内容は異なると思います。大きな観点での議論が重ねられることが重要ではないかと思っております。

(問)クールビズに関連して、環境省の中で、大臣はどのレベルまでクールビズを着用するように御指示されているのですか。今、秘書官のノーネクタイ姿が目に焼きついているのですが、SPの方とか、いろいろケースがあると思うのですが、他の大臣の方もおそらく小池大臣を範にとって取り組みされる可能性もあると思いますが、その辺どのように考えていらっしゃるでしょうか。

(答)環境省は、クールビズを率先して行って当然の役所ですから、環境省職員はあらゆる観点でクールビズを推進し、モデルとなってほしいと思っています。ただ、今みんな大いに悩んでいて、どこで何をすればいいのかと、今年はそうやって悩むところから始めるというのが一つなのかなと思っています。ちなみに、土日などは職員がお買い物に行くと、ほかの役所の職員とばったり出会ったりしていると聞いています。
 環境省の中では、夏にネクタイをしばらくワードロープの中にしまってもらいたいと思います。
 環境省秘書官は、なかなか良いのを着ているのではないかと思います。そして、隣の沖縄・北方担当の田中秘書官は、そろそろ、かりゆしに着替える頃ではないかと思います。一番の問題は、SPさんかなと思うんですけれども、いろいろ職務上必要なこともあろうかと思っております。
 できれば、ネクタイをとってもいいようなシャツをちょっと提案しようかなと、一番難しいのはSPさんで大いに悩んでいると思います。
 職員はもう徹底してやっていくべしということで声を上げていきたいと思います。
 それから、一昨日の「かりゆしウェア展示販売会」ですけれども、沖縄・北方関係の方は、かりゆしもクールビズの一環ということですけれども、かりゆし初級者編の霞が関ではどっきりしているんじゃないかなと思います。大変カラフルなので、いきなり着てきて大丈夫だろうかと不安に思う人がまだ残念ながら多い。逆にいえば、私は沖縄で美ら島ブランド委員会など立ち上げていますが、沖縄で今必要なことは、このかりゆしを日本全体に広げていくためにはどういうデザイン、どういうアジャストメントをすべきなのか、これを総称すればマーケティングと言いますが、その感覚こそが必要です。これは自分達が着ているんだから、みんな着て当たり前だとか、これはいいものだから必ずみんなが着るだろうとかということではなくて、一番保守的とも言えるべき霞が関の職員が、このかりゆしだったら着れるというものを提唱すべきではないかなと強く思いました。そこにブランドのノウハウが必要だし、その意欲が必要なのではないかなと、今回のかりゆしの展示即売を通じて私はそれを非常に感じました。
 かりゆしは沖縄ではもう100%だと思いますけれども、そのまま持ってこれるかというと、ゴーヤが好きな人は今自分でアレンジして食べてます。だけど、かりゆしをなかなかアレンジするのは難しいので、沖縄の方からアレンジをしたものを出していくというのがマーケティングの常道ではないかなと思います。
 もっと沖縄にはそういう意味で頑張ってほしいし、それを自らやることが自立型経済の構築なんじゃないかなと思います。
 皆さんも環境省の担当記者クラブとして注目されているのではありませんか。

(問)話は変わりますが、今日の各閣僚懇で、フィリピンの日本兵の話というのは出ていますか。

(答)出ていないです。

(以上)