環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年5月24日)

1.発言要旨
 5月24日の閣議ですが、一般案件が1件、国会提出案件が1件、政令が11件、配付が1件でありました。環境省関係では、大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令と大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令の2件が閣議決定されました。
 それから、他省庁の主請議になりますけれども、自動車関係手続における電子情報処理組織の活用、GPSのことです。道路運送車両法などの一部改正ということであります。
 沖縄・北方関係では、御承知のように沖縄科学技術大学院大学関連の整備機構法の施行令が今日閣議決定されました。これによって、既に国会で成立しております機構法に基づいて、これから必要な規程の整備をするものであります。
 詳細については事務方にお尋ねいただければと思います。
 閣議では、町村外務大臣から草の根援助の報告の話、中川経済産業大臣からマレーシアの出張報告がありました。
 閣僚懇では、私が発言をいたしました。クールビズ関連です。
 まず、明日、10時から18時まで、中央合同庁舎4号館1階の売店でかりゆしウェアの展示販売会をいたします。私も午前中に、官房長官と御一緒できればと考えております。
 また、かりゆしウェアではこういうものがありますという紹介をいたしました。それから環境省で作りました世代別のクールビズの着こなし事例ということで、環境記者クラブの人はみんな見たことのある人がモデルをやっておりまして、こういうときはこんな感じでということで、皆さん熱心にお読みになっておられました。例えば三越本店などでクールビズコーナーができておりまして、そういうところで御相談してくださいと。幾らぐらいかねというような質問が出ていました。そうすると、総理が、それは着る人によって1万円のものも10万円に見えるとのお話しがございまして、今日は、ひとしきりこのクールビズの話で終わってしまった閣僚懇となりました。
 ちなみに、先週、沖縄に参りましたけれども、もう男性は95%ぐらいかりゆしウェアですね。私の理想とする姿が既に沖縄にはあるのではないかと思います。
 また、今回行きまして、かりゆしの話を聞きましたら、ここまで来るには20年はかかりましたよということです。今回6月1日から、政府を挙げてやるということであると、一斉にやることに意味があるんだろうと思います。それぞれ、勇気を試すような、これまでのネクタイを締めることによる我慢大会から、一人でネクタイをとるという、肝試し大会にならないよう、みんなで渡れば怖くないということになればと思っております。また、女性から言わせれば、やはりこれまでの夏の男性の姿というのは、一種の過剰包装ではないかと思っておりますので、これからはクールビズでぜひともお願いしたい。
 ちなみに、竹中経済財政担当大臣に、今、アパレル業界もこういった新しいラインが導入されるということで、大変熱心に取り組んでおられますので、これによる経済効果なども出してくださればいいんですけれどもねということを私から話しました。
 ただし、この目的は日本中の男性がクールになる、かっこいいということと、それから涼しいということと同時に、地球温暖化対策というのが一番大きな主眼でございます。それによって、電力の消費が控えられ、GDPにも別の意味で影響が及ぼされる、プラス・マイナスの部分があろうかと思います。地球にはよりクールなファッションが定着することを願っている。またその仕掛けをしっかりこれからもやっていきたいと思っております。
 それから、もう一つ私から御報告でありますけれども、このクールビズにも関連するのですが、これまで産業界、経済界の方々と直接対話ということで懇談会を催してまいりました。5月27日、今週の金曜日には、第12回目になりますが、繊維業界との懇談会を開くこととしました。まさにこのクールビズの担い手である繊維業界の方々と率直に今後の方針であるとか、ともに連携をしていく、それを模索するという意味でも対応していきたい。
 繊維業界ですので、ナチュラルなコットンとか麻とか、そういったナチュラルな素材もそうですけれども、例えば化繊業界などは今、花粉がつきにくい繊維を開発したり、それから御承知のように、スポーツウェアなどでは、水をはじく摩擦の少ない水着とか、それからスキーウェアで保温するといったような機能性の繊維というのがあります。ですから、そういったことを今度はクールな形でどうしていけばいいのかなども御協力いただきたい。また繊維業界においても、排水などの問題、それから3Rの観点、こういったところでも御協力をいただきたいということで、この懇談会を開かせていただきます。
 なお、繊維業界の中には、顧問の形で流通業界の皆さんも入っておられますので、この懇談会には百貨店協会、それからチェーンストア協会の代表にも御参加いただくことになっておりまして、川上から川下まで一気通貫でこのクールビズを進めて、かつ経済効果を得たいと、大変そのように考えているところです。
 いずれにしましても、今日の閣僚懇はクールビズについてホットな論議が交わされたということ御報告したいと思います。
 私から以上です。

2.質疑応答
(問)今の小冊子なのですけれども、我々もいただけるみたいですけれども、一般にはどのように配ったりお考えになっているんですか。

(答)これは環境省として、これだということではなくて、皆さんで考えてほしいという形です。マニュアルというわけではなくて、参考例ということで、これは今まだ環境省内、内閣府内でもただいま懇談中ということで、その参考として出させていただきました。

(問)職員には回覧するということなのですか。

(答)そうですね。

(問)かりゆしウェアもクールビズの一環だと思うのですけれども、さすがにこれは着られないというような声も省内には出ているようですけれども、かりゆしウェアでの執務は差し支えないということですか。

(答)それは断言して差し支えありません。
 かりゆしウェアの例ということで、今日、閣僚懇で配らせていただいたのは、どちらかというとおとなし目であります。逆に沖縄ではおとなし過ぎて自己主張にならないのかなというぐらいのものをちょっと集めてみました。
 沖縄で今回聞いてきたのは、同じかりゆしを着ていたら「オッ」と思うと。そこからいろいろな工夫をしていくので、ある時点からはいろいろなモデルがいっぱい出てくると思うのですね。今年は、かねてより申し上げていますように、キックオフの年ということですので、いろいろなチョイス、いろいろな試みがあっていいのではないかなと思っています。
 ちなみに、かりゆしでもお葬式などにも着ていけるフォーマルのかりゆしもあるということで、明日はこの売店にそれも揃えていただくことになっております。

(問)閣僚懇では、総理以外に具体的にどの大臣からどのような発言があったとか、もう少し具体的にお伺いしたいのですが。

(答)官房長官が既にどんなものがあるのか、デパートにいらしたそうで、そうするとスナップダウンというのですか、これがいいと言われたんだよと言って、スナップを外しておられました。

(問)今日、官房長官もノーネクタイだったわけですか。

(答)今日はまだ6月になっておりませんので、ネクタイもされておられて、ただシャツのはそのスナップダウンという、デパートでこれを勧められたということで披露されておられました。

(問)国会ではなかなか一挙にいかないような情報がありますが、その辺についてはどう思われますか。何かお役所の方が個別に先生のところに行ったりするときに、向こうがきっちりしているのはなかなかやりづらいような気もするのですけれども、その辺は。

(答)国会も衆参で少し対応が違う。ただ、それは院でお決めになることだと思います。
 これからそういったことが議論になっていけばいいのではないかなと思っております。
 ただ、かりゆしの話も議運などで出たとちょっと聞いたのですけれども、シャツはだらしなくないように、中に入れることといったら、かりゆしを中に入れたらどうなるのかなと思ったりするんですね。だから、まだかりゆしそのものについてのアイデアが固まっていないのかもしれません。

(問)かりゆしでの執務というのは、これは環境省以外の霞が関の省庁でしても問題はないということですか。

(答)ここでやるのですよ。沖縄・北方担当は全員です。沖縄担当は大体もう何枚か持っているということですので、みんなでショーウインドウも兼ねて、沖縄担当の職員はそれで貫くように目を光らせたいと思っております。目を光らせなくても、涼しいのは職員自身歓迎じゃないかと私は基本的には思うのですけれども、それが少しずつ定着する。もしくは大きく定着する一番大きな鍵を握ってくるのではないかと思っております。

(問)ちょっと話題変わるのですが、きのう中国の呉儀副首相が総理との会談を急遽キャンセルして帰国されたわけですけれども、今回のそういった中国の対応について、今日の閣僚懇などで何かお話があったんでしょうか。それから、そういった対応について、外国に出かけられることの多い大臣としては、どのようにお考えでしょうか。

(答)閣僚懇は、今日はかりゆしで盛り上がってしまいまして、中国の今回の件については、話はどなたからも出ませんでした。
 今回は、まさにドタキャンで、理由も明確ではないということで、私の知る限りでは、やはり外交上、中国にとって非常にマイナスではないかと思います。日本の多くの国民の皆さんは、今回のこの中国の対応というものに不満を抱く方は多いのではないかと思うところであります。いろいろと言われているわけですけれども、ただ、この対応というのは、礼ということならば、失するところがあるのではないかなと思っております。

(問)今、冷え込んだ日中関係をどうすれば改善できるとお考えですか。

(答)本当は、対話を重ねていくということが重要なのですけれども、意に沿わないことの発言かなと、そこで対話を切ってしまうというのでは、ますます対話が遠のいてしまうわけです。これまでの中国に対する日本の対応というのは、向こうが嫌がることは一切言わなかった外交なのですよ。向こうは日本が言わないんだからと言って、これまでの江沢民路線というか、日本からすれば、こんなこと書いてあったのとるような、中国の教科書問題もあるわけです。そういうものも許してきたのは、これまでの日本の対中国外交というのが、本当のことをお互いに言わずして来たためではないかと思っています。
 外交は、私は直接の担当ではありませんけれども、あうんの呼吸というのも必要でありますけれども、お互いに言うべきことを言わなければ、お互いのいいような理解でもって進んでしまって、ある日突然、お互いの理解を超える状況になるのではないかと思っています。

(問)週末に対馬丸記念館を視察しての感想と、今後、運営面でどのような支援が考えられるかということについてお聞かせください。

(答)とても、規模は小さい記念館ですけれども、また展示するものが沈んでしまって、基本的にはないわけです。けれども、大変中身のある記念館だったと私自身は思っております。
 最大の支援は、できるだけ多くの方々に行っていただくことだと思っていますので、摩文仁にもいろいろな記念の施設がありますけれども、空港に近いですから、少し足を伸ばしてもらうような、そういうルートの一環に入れ込むような工夫をするというのが、一番の支援になるのではないかと思っております。PRで支援したいと思っています。

(問)容器リサイクル法の改正の見直しの論議で、昨日、中環審の専門部会で拡大生産者責任を適用して事業者に分別回収などの一部を適用したらどうかという方法で考え方が今示されて、あとレジ袋についても無料配布の禁止を考えたらどうかという方向性が提示されたんですけれども、それについてはいかがお考えでしょうか。

(答)まさに、今論議の最中であります。
 これからの審議が国民にもわかる、国民の賛同を得る、そういう形でまとめられることを期待しております。いろいろな事業者の負担がどうなるのか、事業者からすれば、重要な課題でありましょうし、レジ袋についてもそうなんですけれども、なかなかこの間のチェーンストア協会の方でもお決めになったと聞いておりますけれども、法制化というのは、それこそ憲法問題にまでいってしまう話しなんで、どうすればいいのか。
 ただ、このレジ袋についてもクールビズではありませんけれども、国民と非常に接点の多い分野でありますので、ここをどのようにして、現実前に進むようにできるか、これから中環審の議論を見守りつつベストな方法を考えていきたいと思っております。
 台湾とか韓国では既に、レジ袋については法律上で禁止をしているということで有料化ということが大きく進んでいると思うのですね。そういたことも参考にしながら、やっていきたいと思っています。

(以上)