環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年5月13日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 今日の閣議では、一般案件1件、国会提出案件3件、公布1件、沖縄・北方、環境ともに関連はありませんでした。閣議で、総理のロシア訪問についての御報告が外務大臣からありました。
 閣僚懇では、尼崎の列車事故において、阪神大震災の教訓でしょうか、学校関係の方や近隣の企業の方など、会社の操業を止めてまで事故現場で救助・救出作業に当たった人たちがおられましたので、何らかの形で感謝の表明ができないだろうかというようなことが、麻生総務大臣から消防庁関連ということもあり、出てまいりました。私も地元の人間ですので、阪神大震災で私たち自身が身体で知った応急体制の重要性が、このような形で生きてきたと感じています。事故が起こったことは大変悲しいことでありますが、ある意味では、震災から10年して、大きな教訓が生きたということだろうと思っております。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答
(問)昨日、3Rイニシアチブの関連で総理に報告されたようですが、何か具体的な指示等はありましたでしょうか。

(答)サミットにお出かけになる際にも、この3Rサミットにおける議長サマリーというのを持って行っていただくことで、良いサマリーと言いますか、良いまとめでよかったということでありました。「もったいない」風呂敷もお持ちしました。総理も3Rについては、大変御熱心でありました。そして、今回のサミットも、気候変動という環境問題が大きなテーマとなっており、今回、3R会議を開催した事実と、結果を携えていらっしゃるということを、大変喜んでおられました。

(問)先日、水俣病の有識者懇談会の初会合が開かれましたが、何か感想等ありますか。

(答)1回目の会合で、水俣にずっと関連してきた方、それから有識者の方々、いろいろな方に委員になっていただきました。選出する際から、私もこの方がいいのではないかと考えてきました。お2人ほど欠席はありましたけれども、それぞれの持ち味を最初から大変発揮していただいて、いい懇談会になりそうだと思っております。
 というのも、専門家の方々はたくさんいらっしゃり、専門家同士での話というのも、これまで例えば裁判の場、それから政治解決のときの検証の場などいろいろありました。そこからもう少し全体を見ることから今回の水俣病における日本の問題を浮き彫りにしていこうという、大きな趣旨がありますので、その意味ではとてもいいスタートになれたのではないかと思います。
 非常に素朴な疑問などがぶつけられると、専門家同士でそこは出てこないので、素朴な疑問に立ち戻って考えることができ、検証の意味をなすのではないかと思っております。これから回を重ねて、課題のまとめ、何をさらに検証を深めていくか、それから現地の視察ということも、これも今回、要望も強く出てまいりました。そういったことを一つ一つ踏まえて、今回の懇談会の意義を深めていっていただけるように、私もしっかり一員として、主催しているわけですけれども、やっていきたいと思っております。

(問)中環審の専門委員会の長期目標ということで、2℃以下という方向性が出たと思いますが、大臣として今回の中間報告を受けて、今後の国際舞台などでどのように対応していきたいとお考えですか。

(答)今回の条約は究極目標を具体化するということで、議論いただいてきたわけであります。この具体化として、温室効果ガスの濃度の安定化の水準や温度上昇の抑制水準を検討するというのは、まさに重要なポイントになってくると思います。
 今回は専門家の科学的な知見を基にして、地球の平均気温の上昇を2℃以下に抑制することが出てきたわけですけれども、これは現段階での出発点になってくると思います。科学的な検討を受けて、さらに幅広い社会的な議論を行っていくことが重要だと思います。具体的な数字が出てくることによって、より議論も深まっていくのではないかと思います。

(問)来週ですか、ボンの方でセミナーが始まりますけれども、そちらの方でもこの話が出されるとお考えでしょうか。

(答)今回は中環審における議論のたたき台としての2℃ということですから、これについて対外的に出していくところまで至っていないと考えています。

(問)セミナーではどのような主張を、日本としてされる予定でしょうか。

(答)セミナーにおいては議長が小西大使、日本政府代表として西村新大使、それから環境省から竹本審議官が出ます。セミナーの内容についてもどうするのかということで、アルゼンチンでも問題になったわけです。ですから、一気に次の枠組みといったことではなく、そこに対しての下地づくりということになってくるのではないかと思います。そこは大きく飛躍しても大きく後退することもないように、塩梅をよく考えながらやっていきたいと思っております。ただ、日本とすれば、この後どうやって建設的な一歩一歩を固めていくかということは、当然念頭に置いての発言をしていただくことになろうと思っています。今は最終的な調整中です。

(問)来週、中国の方に御訪問の予定があるというお話ですが、その辺はどうですか。

(答)まだ国会の状況次第ですけれども、これはフォーチュンから、以前から要請があったものであります。気候、環境問題ということで、日中間で環境支援というのは、日本政府もこれまでしっかりやってきましたので、いいチャンスだと思っております。日本と中国との環境協力の実情などについてお話をしてこようかなと思っています。

(問)向こうでどなたかと会う予定みたいなのはありますか。

(答)またトンボ返りになりそうです。基本的には会議に出席ということを考えています。

(問)名護市辺野古沖でのボーリング調査の夜間作業につきまして、沖縄県がジュゴンに影響を及ぼすとして、好ましくないというような要請を防衛施設庁に出しておりますが、これについては夜間に作業が行われるということについては、どうお考えですか。

(答)沖縄県はそういう言い方をしていないというふうに承知をしておりますけれども、これは環境省と同じことで、これまで施設庁に対して、夜間作業における注意事項、注意点ということで、促してまいりました。夜間の操業については音の問題などを施設庁の方もまた工夫もされていると聞いております。沖縄県の今回の申し出は、基本的には環境省がやっていることと同じです。今おっしゃったようなニュアンスではないというふうに聞いています。

(以上)