環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年5月10日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 今日の閣議ですけれども、国会提出案件が1件、配付が1件でありました。
 閣議で、原子力白書についての説明に続いて、北側国土交通大臣から尼崎の事故についての報告、その後は、海外に視察された大臣いましたので、そちらの報告がありました。総理含めて9名です。私は、3Rの国際会議に出席していたので国内におりました。それから、イラクで日本の人質が出ているということで、町村外務大臣、村田国家公安委員長から報告がありました。
 以上です。

2.質疑応答
(問)イラクについてはどのような御報告があったのでしょうか。

(答)イラクについては、もう皆さんも知っておられるような話です。ただやはり、重傷を負っているという情報がありますので、それだけに早く救出しなければならないと町村外務大臣からの話がありました。

(問)3Rに関して、今日、報告はされたのですか。

(答)今日はしておりません。近々、総理に今回の会議の報告には行きたいと思っています。
 それから、こちらから一つ、沖縄科学技術大学院大学に関連して、環境アセスが始まったということで御報告しておきます。沖縄県恩納村の建設予定地で、環境アセスメントを行うということで、方法書の作成をしておりまして、昨日、この方法書の縦覧に係る官報公告をしたところであります。
 環境影響評価法、沖縄県の条例の適用対象外ではありますけれども、恩納村の豊かな自然に配慮しまして、施設整備を進めるということは極めて重要です。そこで、自主的に県条例に準拠した形で、沖縄県環境影響評価審査会を活用して、環境アセスを開始することとし、沖縄県、恩納村と協力した上で、キャンパスづくりを進めていきたいと思っております。方法書の詳細は後ほど、事務方にお問い合わせ下さい。

(問)イラクの関連ですけれども、中東情勢にいろいろお詳しいと思うのですが、今後の見通しなどをどういうふうにご覧になっていらっしゃいますか。

(答)情報が余りにも少ないですから、今コメントを私からする条件にはないと思っています。もちろん私としても、一日も早く救出できるように全力を挙げて、それぞれ関係している省庁、連携してやっていただきたいと思っています。これはもう、中東情勢詳しいとか、そういう段階を超えているのではないかと思います。

(問)話は変わるのですけれども、昨夜、日露首脳会談が開かれたわけですけれども、北方領土問題の解決という観点で、今回の首脳会談、どのように評価されていますでしょうか。

(答)接点があったわけですし、またプーチン大統領から今回のイベントに対して出席依頼、要請があったということで行かれたわけです。北方領土問題、プーチン大統領の訪日について、これまで訪日の準備を進めてきたこともあり、それから、今回、総理がロシアまで出向かれたということもこれあり、そういった外交の儀礼も踏まえて、真剣に検討されると思っています。
 また、北方領土問題については、今回はたくさんの式典があったということから、突っ込んだ話にはならなかったのかもしれません。詳細は承知しておりませんが、プーチン大統領も2島返還論などを言い出している本人ですから、日本の総理と会うということは、それも当然含まれていると重々御承知だと思っています。来日する、しないを余り外交のテクニックとして使うのは、北方領土問題を担当している私とすればいかがなものかなと思います。やはり、コミュニケーションあって初めて前に進むものだと思っています。

(問)イラクの話に戻って恐縮ですけれども、一部で、被害者の日本人の男性が元自衛隊のレンジャー部隊の所属であったというようなことをおっしゃっている方もいるんですが、それについては御存じですか。

(答)聞いておりません。

(問)5月1日に水俣に行かれて、もちろんそのときにも会見されているんですけれども、明日第1回目の懇談会なのですが、最初にどういったことから検討というか、話し合いをスタートされるかということと、今のお気持ち、国の姿勢みたいなものをお聞かせ下さい。

(答)水俣の問題はいろいろなところから、これまでも検証もされてきましたけれども、私は水俣の公式発見からちょうど来年が50年であるということも、公式確認から50年ということもありますし、公害、環境、それぞれの問題の原点になっているのが水俣であるということを踏まえて、ずっとこの50年間の歴史の中でどういったことが行われて、どういったことが行われてこなかったのか、それらをきっちりと検証することによって、また同じことを繰り返さないためにはどうしたらいいのかという方向に持っていきたいと思っています。
 私は、前から申し上げているのですけれども、私のいつも座右の書に挙げている「失敗の本質」という本がありまして、これなどは非常に客観的に、太平洋戦争当時の日本軍がどうであったのか、非常に鮮やかに問題点を分析している本なのですけれども、その意味ではこの公害という観点、環境という観点から、そういった失敗の一つの例が、残念な例が水俣なわけですから、そういったことからも、水俣を通じての「失敗の本質」から何を学びとるのか、そういった観点に立って、有識者の方々に検証のお願いをしていきたいと思っています。あえて、当事者の方々は、このメンバーに入っていただいていないというのも、逆に言えば客観的なところからの分析が必要であるということ、ただその客観的分析を得るためには、当事者の方々のお話は聞く必要があるということで、ヒアリングもしていきたいと思っています。どうぞ皆さんも、「失敗の本質」って、文庫本で出ていますから、読んでみてください。

(以上)