環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成17年4月28日)

1.発言要旨
 おはようございます。連休前で繰り上げの閣議です。
 一般案件が4件、国会提出案件が2件、公布が2件、うち、内閣官房主請議が1件、これは京都議定書目達計画です。次に環境省主請議が1件、これは政府の実行計画についてです。今日、私から閣議で今の2件についての御説明をさせていただきました。沖縄・北方関係はございませんでした。
 閣議では、ゴールデンウイーク中に海外視察の関係で出張される方々の代理が決まり、私は棚橋大臣の代理を務めさせていただくことになっております。
 閣僚懇では、夏の軽装についての申合せが行われ、昨日「クールビズ」と発表させていただきましたけれども、この地球温暖化防止と省エネに資するためにまず政府全体として、軽装で執務し、冷房の温度28度の徹底を図ってまいりたいと思います。
 申合せの中身は、6月の初めから9月末までの期間で、外国の賓客の接遇、表彰式など格別の公式行事への出席等のやむを得ない場合を除いては、原則として軽装、クールビズで徹底し、執務をしても差し支えないものとします。クールビズとは、ノーネクタイ、ノー上着を言います。ただし、社会常識を逸脱しないよう節度を保つものとします。クールビズの励行について広く理解を得るよう努めることとしています。
 国会に対しても根回しを行っております。各委員会、例えば環境委員会などは非常に御理解があるものと理解しておりますが、本会議は敷居が一段高くなるというようなこともあると思います。中には委員会の委員長さんで、そんなのだめという方もいらっしゃると聞いております。この夏の軽装を、国を上げてやっていくことについては、ぜひとも各分野での御理解をいただきたいと思います。
 ここで「社会常識を逸脱しないよう節度を保つ」ということがありますが、江戸時代はみんな、ちょんまげや着物が社会常識でした。社会常識というのはその時代で変わるものだから、変えていきましょうとお話をさせていただきました。
また、省エネのはがきを使って、政府主催か何かの省エネに関係した会合にノーネクタイで行ったら、非常識だとしてしかられて左遷された、国や政府の方で変えてもらわないと、なかなか我々はしたくてもできませんという匿名の訴えがありました。
 ですから、「赤信号みんなで渡れば」ではないですけれども、これからの地球温暖化という赤信号に対して、みんなクールビズで渡りましょうということにほかならないと思っております。ちなみに、今日も「何を着ればいい?」ということでいろいろと御質問があったので、それぞれ具体的な案を持ってご説明に行こうと考えております。
 軽装はそういうことなのですが、京都議定書の目標達成計画が閣議で決定されたり、政府の実行計画が決定されるという大変重要な閣議でありました。
 目標達成計画が3月29日に推進本部で案を取りまとめまして、3月30日から4月13日まで、内閣官房でパブリックコメントを募集し、合わせて1,925件、団体、個人からの御意見をいただきました。地球温暖化対策推進本部で御意見を踏まえて15カ所を修正いたしまして、計画案の決定をいたしました。これを受け、閣議決定されまして、この計画に基づいて政府一丸となって、地球温暖化対策に取り組んでいくということとなります。
 そして、政府の実行計画でありますが、今年の2月に全面施行された温暖化対策推進法、京都議定書目標達成計画に基づいて、政府の事務と事業に関して、CO2の排出抑制などのため、どういうふうに実行するかという計画です。今回の計画は、平成14年7月に閣議決定した従来の政府の実行計画を引き継ぐものでありまして、政府の事務、事業に伴う温室効果ガスの排出量を、平成18年度までに13年度に比べて7%削減という目標を引き継ぐことが1点。そして、モデルとなる霞が関官庁街をつくっていくということ。3番目に、関係府省ごとに自ら実施する措置を掲げた実施計画を策定するという中身になっております。
 そして、もう1点の御報告ですが、御案内のように今日4月28日から30日まで、東京で3Rイニシアティブの閣僚会議を開催いたします。我が国の経験を諸外国に発信するとともに、3Rの国際的な推進に必要な方向性、具体的な行動を明らかにしていくということで、取組を世界に広げていきたいと考えております。この分野で豊富な知見、技術を有します我が国ですので、世界に貢献できることも多いと考えております、また、このような国際会議をすることにより、国内、足元の3Rをさらに徹底していくということと、2つの意味があろうかと思います。
 いずれにしても、主催国として主導的な役割をしっかり果たしたいと思いますし、例の「もったいない」ですけれども、マータイさんも一生懸命世界に広げていただいている。私もふろしきも広げますけれども、もっと、「もったいない」を広げていきたいと思っております。ちなみに、今回はエコバッグもお配りしますけれども、「もったいないふろしき」というのを作りましたので、書類など入れていただきたいと思います。
 もう一つ、環境税についてですが、今日、閣議決定いたしました京都議定書の目標達成計画で、環境税については、「真摯に総合的な検討を進めるべき課題」と位置づけられております。よって、京都議定書の削減約束を達成するための対策が確実に実施されるように、この環境税についても早急に議論を進めていきたいと考えております。環境税の経済分析などを行う必要があることから、中央環境審議会に、環境税の経済分析等に関する専門委員会という委員会を設けます。そこに学識経験者の皆さんに御参加いただいて御議論をいただきます。1回目が5月10日の火曜日10時から開催したいと思います。委員長は、東大の経済学部の先生でいらっしゃる神野直彦教授です。メンバーについてはお配りしてある資料のとおりでございますが、今なお御参加いただきたい方々に連絡中ということで、若干の追加も検討いたしております。この専門委員会では環境税の効果、そして国民経済、産業の国際競争力に与える影響などについて、技術的そして専門的な観点から調査、検討をしていただくことを目標としております。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)閣僚懇での、具体的な軽装につきまして、閣僚から発言というのはありましたか。

(答)国会対策について、町村外務大臣からありました。それから、村田国家公安委員長が、経済産業委員会の委員長をやっておられるときに、原子力発電所の問題があり、これからエネルギーが大変だという観点から、ネクタイなしでやりましょうということで、委員長権限として実行した経験があり、できないことはないと御発言がありました。

(問)総理からは今日は何か。

(答)総理は、これを着なさいということではなく、そのときのTPOを判断して、着ていただければいいということがありました。
 ですから、今日の閣僚申合せの中でも、原則として軽装で執務しても差し支えないものとしておりますが、いろいろな場合もあるので、画一的に決めるのではなく、みんなが涼しい格好をすればいいというニュアンスでおっしゃっておられました。

(問)皆さん、おおむね軽装については賛成という感触でしょうか。

(答)そうです。反対意見は聞かれません。すでに「何を着ればいいの?」というところに観点が移っているように感じます。個別に、私に「どうしたらいいの?」と言ってお聞きになりますので、コーディネーターなどもしようかなと思っております。

(問)「何を着ればいいの?」と聞いたのは、どなただったのでしょうか。

(答)たくさんいらっしゃいます。

(問)昨日、郵政民営化の閣議決定がなされまして、これから国会審議に移っていくということで、改めてお受けとめをお聞かせ願いたいのですが。

(答)昨日、閣議決定をし、ようやく実際の審議の方にエントリーをしたということで、まずは一つの関門をくぐったということだと思います。これからまさに国会で、真摯な論議が交わされていくと思っております。今回の郵政の民営化の意義を、国会の場で御論議いただければと思っております。

(問)改めてなんですが、郵政懇話会の会合等に、政務官の能勢先生が参加されていらっしゃいますが、これについて現段階でどのように考えていらっしゃいますか。

(答)基本的には、お勉強をされることは一議員としても、何もそれを止める理由はないかと思います。ただ、閣議決定であるという重みを政府の一員としてお感じになるべきではないかと思います。

(問)今日の閣議、閣僚懇で、郵政絡みの御発言、大臣含めておありだったでしょうか。

(答)いいえ、今日は郵政の話はありませんでした。昨日、臨時閣議で郵政の閣議決定が終わったので、今日の閣議前の話にも郵政の話はありませんでした。

(問)昨日、決定された法案ですが、自民党、与党との協議の中で随分骨抜きになったのではないかという指摘も一部にありますが、法案の評価についてはどのようにお考えでしょうか。

(答)評価は、私が一々する立場ではないと思います。まず、昨日決められたことをしっかりと、国会の場に移して御論議されることが道筋だと思っております。国会の場でこれから議論が展開されることを期待しています。

(以    上)