環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成17年4月22日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 今日の閣議ですが、一般案件が3件、国会提出6件、公布4件、政令5件、報告1件です。そのうち、環境省関係が4件あります。衆議院の松野信夫さんからの水俣に関しての質問への答弁書。特定外来生物法の施行期日を定める政令と法律施行令がありました。それから環境省設置法の一部を改正する法律の決定という、この4件です。内閣府、沖縄・北方関係はございませんでした。
 閣議におきましては、テロ対策関連で国家公安委員長、大野防衛庁長官から一言ずつありました。
 閣僚懇では21世紀ビジョンとして、竹中経済財政担当大臣から、「土地持ち」ではなくて「時持ち」というような、どういうビジョンでいくかということがまとまったという報告がありました。そのほかは閣僚懇でのお話はございませんでした。小泉総理も町村外務大臣もいらっしゃらなかったということで、短時間で終わりました。
 私から何点か御報告があります。
 まず1点目。5月1日が近づいてまいりました。水俣病の犠牲者慰霊式が今年も行われるわけですけれども、昨年に引き続いて今年も出席をさせていただきます。慰霊式への参加と、語り部の皆さんとの懇談をさせていただきます。そして、胎児性患者の授産施設であります「ほっとはうす」を訪問することにしております。それから不知火海に浮かびます御所浦島という島があります。こちらにも関係者の方々がいらっしゃるので被害者の団体との懇談を行わせていただくということ、それから被害者の団体でも、どちらかというと新しい方々、出水の会は古いですが、そういった方々の団体とも懇談を行う予定をしております。
 水俣に関しての懇談会については、第1回を5月11日の午後1時から3時まで、環境省の会議室で開くことにいたしております。私も1回目は出席をさせていただきます。日程、懇談会のメンバーについては、後ほどお配りします。
 それから環境関連でもう1点。愛・地球博を記念して実施いたしました「私が持ちたいマイバッグ・プリントデザインコンテスト」の受賞者を決定いたしました。また後ほど配付いたしますけれども、環境大臣賞を受賞した2作品は、実際にバッグにプリントいたしまして、環境省オリジナルマイバッグとして愛・地球博の会場などで配付するということにいたします。それから大臣賞の表彰式は、6月5日の環境の日に愛・地球博で、環境省のイベントを開催し、その中で行いたいと思っております。エコバッグ、マイバッグ、これについては例えばレジ袋をもらわないという、エコ生活の一端でもありますので、新しいデザインを多くの方々が活用していただけることを期待しております。子供さんの部と、大人の部の2部門にわたって、とてもかわらしい、素敵なデザインが集まりましたので、ぜひとも使っていただきたいと思っております。
 それから沖縄関係です。こちらも2つあります。4月26日、来週の火曜日ですけれども、朝に沖縄政策協議会の第26回会合を開催いたします。今年度の沖縄振興のための特別調整費についての協議を行う予定です。
 それからもう1点が、美(ちゅ)ら島活性化ということで、力を入れているわけですけれども、今年度は、オンリーワンを目指して、この島の活性化に取り組む市町村に対して、活性化の方向性に関する調査検討とかアイデアを具体化するための支援を行います。沖縄には、いい物産などたくさんあります。成功例というと泡盛やゴーヤがありますけれども、それぞれの物産にもう少しマーケティングノウハウ、ブランドノウハウを加えることによって変化するものがたくさん出てくると思われます。専門家、有識者の方々で「美ら島ブランド委員会」を作りまして、その場を活用し、アドバイスなどをお願いしたいと思っています。ブランドのコンセプトやマーケティングの専門家、エコ・ツーリズムも一つの大きな産業ですからエコ・ツーリズムの専門家、通販においてネット販売は非常に大きいと思いますので、楽天の三木谷さんにもお願いをしております。それから、村おこしでも活躍されている俳人の黛まどかさんなど、私もよく存じ上げている方、私自身でお願いをした方々もいらっしゃいます。美ら島活性化は、大臣折衝で予算を確保していますので、人、物、お金、アイデアをしっかり活用し、美ら島の活性化につなげていきたいと思っています。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)5月1日の慰霊祭ですけれども、新しい支援策が決まったこともありまして、これまでの慰霊式とは違う雰囲気になると思うのですが、大臣としてどのように今回臨まれるおつもりなのか、お伺いします。

(答)2回目の水俣訪問ですけれども、昨年はまだ最高裁判所の判決が出ていなかった時点であります。今回はその判決が出まして、今回の救済策といいましょうか、新たな形でのフレームをつくらせていただくということで、まずは判決で国の責任ということが初めて明確になりましたので、改めて謝罪の気持ちと、これからより安心していだたけるようなフレームであるということをしっかりとお伝えをする、そういう心がけでいきたいと思っています。

(問)今日、外来種法の政令の閣議決定がされたということで、紆余曲折があった中での決定だったのですが、これに対する御感想と、第2陣のリストの選定に着手されていますけれど、何か問題意識を持っていらっしゃる外来生物があれば、お聞きしたいのですが。

(答)個別には申し上げませんが、37種がまず閣議決定されたということで、第一歩であると思っています。実際に6月1日から、輸入と飼養などの規制がスタートをするということであります。
 いずれにしましても、特定外来生物の規制をすることによって、生態系に悪影響を及ぼすことがないように一つの段階が始まったわけであります。これからどうやって実施していくのかということでは、地方自治体、関係省庁、NPO、地元の方々などと協力していこうと思っておりますので、第一歩が進んだというふうに思います。
 それから第2陣ですが、第1次の選定作業の中で影響が指摘された生物などを中心として作業を進めていきます。第1次指定の検討の際に作成いたしました要注意外来生物リストであるとか、IUCNの世界の侵略的外来種ワースト100、そして、新たに知見を得られました外来生物種を検討の対象にしていくということであります。
 検討の目途は、7月末には一定の結論が得られるように作業を進めたいと思っています。

(問)37種の指定ですけれども、中でもオオクチバスについては、9万件以上のパブリックコメントで反対意見がある中での指定ということなのですが、御感想を個別にお持ちかということが一つと、また釣り人の団体にいろいろ反対意見もある中での指定なんですけれども、釣り人の団体の方は、なかなか釣り人の協力がないとうまく進まないんじゃないかという意見だったのですが、防除に向けての考え方というのはどのように持っていらっしゃいますか。

(答)今回、多くの方々が関心を持っていただき多くのパブリックコメントが寄せられたということです。その中の意見も参考にしながら、専門家の方々の結論を得て今回の決定に至ったということであります。大変関心が高いということを、よく私自身実感もさせていただきました。これからですけれども、防除には先ほど申し上げたように地方自治体、関係省庁、NPO、地元の方の協力が必要ということで、これからも皆さんの協力を仰ぎながら、生態系を守っていくことについて御協力をお願いしていくことになると思っております。

(問)北方の関係ですけれども、小泉総理大臣が来月、ロシアの戦勝記念の式典に出席されることになりましたけれども、プーチン大統領の来日が決まらない中で、ロシアの訪問、北方領土の問題に与える影響はどのようにお考えでしょうか。

(答)そういった意見も聞いておりますけれども、今回は歴史の中の節目の年であって、例えばG8関係の各国のトップが集う戦争に関連してのイベントであって、そのときの勝ち負けは関係なく、そこに出席をすることの意義は極めて大きいものがあると聞いています。
 そして、プーチン大統領が来るかどうかでありますけれども、ラブロフ外相が5月には来日と聞いております。いろいろなことを念頭に置いての行動でしょうが、私は、プーチン大統領が国境問題を解決しようという意欲を十分持っていると思っています。各国のいろいろな考え方もあると思いますが、基本的には領土問題を解決していきたいという小泉総理の思いもあり、またプーチン大統領側も意思はあり、これまで問題そのものがないと言っていた時代が長く続いていたわけですから、トップリーダーであるプーチン大統領の意向をしっかり受けとめるべきではないか、そこから具体的な折衝というのがまさに外交と思います。今回総理がいらっしゃることは、出席しない場合のマイナスを考えれば、私は出席することのプラスは大きいのではないかと思います。

(問)靖国の問題ですが、今日から春の例大祭が始まったのですけれども、例大祭期間中に大臣が参拝に行かれるような御予定はございますか。

(答)私はこれまでも例大祭期間中には行ったことがありませんので、現在、予定はありません。

(問)参拝に関して、閣僚の間で参拝を取りやめるようにという申し合わせがなされているという、一部報道もあるのですが、事実関係はあるのですか。

(答)私は去年行っていますので、ストップがかかるなら、真っ先に連絡があるべきだと思っていますが、まだございません。ですから、閣僚が出席するしないで日中会談が行われる行われないとの報道をしていますが、へえっていう感じで聞いていました。私にはお声がかりがないなと思っていました。

(問)美ら島ブランドですけれども、議論の対象となるのは個々の離島ですか。それともパッケージとしてのアドバイスですか。

(答)一般論、総論でやっているうちは、オンリーワンということが実行されないと思います。ですから、一つ一ついいものがあるけれども埋もれているものやマーケットとしての魅力に欠けるけどプラスすれば大化けする商品というのは、沖縄に限らずあると思います。沖縄は特にいろいろな自然環境や文化等、例えば東京に持ってきたときは非常にユニークさが売れる部分があるわけです。でもユニークがユニークでずっとあったら、要は売れないという話ですから、どうやってユニークさを裾野を広げて、経済効果に結びつけていくか。究極の目的は、沖縄の自立型経済の構築が大きな目標ですので、しっかりそれぞれの島が競い合いながら、オンリーワンの商品、サービス、そういったことにお手伝いができればと思っております。
 エジプトにいる時、私はアルバイトでよくガイドをしていたのですが、エジプト人がすごくいいものを作っても、例えばバラやジャスミンなどの香水のエッセンスというのは結構エジプトで作っています。それをエジプトで100%作って売るのだけど、瓶がちょっと歪んでいたり、染みになりそうなものがあったりと、今は大分改良されていると思いますが、本来もっと高価で売れるものが、付加価値の付け方が弱いのです。結局、そのエッセンスを大量に買っていくのが、フランスの香水メーカーで、それがシャネル、夜間飛行、ミツコ、ポワゾンになったりするわけです。そのエッセンスに、ブランドという魅力、魔力をかけることにより、沖縄の方々がブランド力やノウハウをつけていけば、これは高付加価値になるわけです。原料に、ちょっとしたことを加えれば、全然変わるということはいっぱいあります。そんなことをお手伝いできればいいなと思っております。

(以    上)