環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成17年2月22日)


1.発言要旨
 おはようございます。
 今日の閣議は、一般案件が1件、政令が8件、報告が1件でした。環境省の主請議が1件あり、「循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第1回点検結果」について、閣議で報告をさせていただきました。
 環境省関係の記者の方は既に御承知だと思いますが、この点検結果報告は、数値目標に関しての状況や各主体の取組状況を踏まえて、循環型社会形成推進基本計画の進捗状況を点検し、今後の政策の課題について取りまとめられたものです。ポイントとしては、まず廃棄物等の発生抑制対策を推進する必要性があるということ、循環型社会の形成を目指した社会経済システムへの転換を図ることが必要、パラダイム・チェンジですね。それから循環資源の国際的な移動への適切な対応が重要、この3つが指摘されています。
 この4月には、既に御承知のように、3Rイニシアティブ閣僚会合を日本の東京で開くことになっております。日本の循環型社会形成におけるイニシアティブ、国際的な観点を踏まえて、循環型社会形成の取組を強化していくことを新たに確認していきたいと思っております。この御指摘を踏まえて、さまざまな施策に率先して取り組んでいくことと、関係府省においても、より一層の取組を、各閣僚にお願いいたしました。
 閣僚懇でも、私から発言をさせていただきました。これも既に御承知いただいていると思いますが、自動車排出ガス規制の強化について、一昨年の10月からおよそ1年4カ月に及ぶ検討を踏まえて、中央環境審議会で答申の最終案を議論していただいています。まずはこの長い間の御議論に対して感謝を申し上げたいと思います。それから、この答申案について大気環境部会で御承認をいただいた後、パブリックコメントなどの手続を経て、正式に答申をいただくことになります。
 このテーマについては、平成17年から始まるディーゼル車の規制で、ほとんどの新車のトラックに、ディーゼル微粒子除去装置、DPFが装着されることになります。これにより、平成22年、2010年には、トラック全体の平均の粒子状物質、PM排出量が、平成12年に比べますと4分の1にまで減るということが予測され、PM問題は大幅に軽減される見通しになります。
 さらに、今回の答申案にあります平成21年、2009年からの規制が実現されますと、ディーゼル自動車の規制は、ガソリン自動車とほぼ同じ水準になり、PMについて、実質的に脱PM化が図られることとなります。またNOX、窒素酸化物ですが、こちらの方も世界最高水準の規制が実施されることとなります。答申の実現に向けて、技術的な面でのバックアップとして、自動車メーカーをはじめとする関係者に対して努力をお願いしたいと思います。
 また、これに関連して、今回の規制は、硫黄分が10ppm以下の軽油があってこそ実現ができるものであり、これは石油メーカー各社が、今年の1月から前倒しで販売をされておられます。この協力についても私から感謝を申し上げたいと思います。
 これは、国と地方が一体となっての大気環境改善という大きなテーマであり、引き続き努力をしてまいりたいと思っています。
 その後閣僚懇では、法務大臣、国家公安委員長から、最近よくテーマになっている受刑者が仮出所などをした後にまた罪を犯すという問題について、どのような対応をしていくかということで発言があり、総理からも御指摘がありました。例えば、再就職などに、もっと社会全体が取り組むことによって、再犯が少なくなるのではないかということで、よく総理も刑務所の視察をされておられますが、そこでは工具を使って技術を身につけるというようなやり方が多いけれども、もっと農業をやったらどうだという指摘でした。法務大臣からは、網走では農業に従事させる農業訓練などもやっていますということでしたが、再犯防止などのためにも、受刑者の時代から農業に対しての訓練、出所した後に、農業分野への従事を進めていくと、社会全体としていいのではないかというお話でした。
 また、総理がニュースを見ていたら、フジテレビの前で交通事故があり、運転していた人がこん棒を振り回し、それを取り押さえようとした警官が逃げてしまい、テレビカメラマンが残っていた。すぐ逃げるような警官だったら、いくら警官を増やしてもしょうがないじゃないかという、シビアな指摘がありました。何のために訓練しているのかということなどもあり、今日は犯罪の問題について議論がありました。
 閣議、閣僚懇ではこういった話ですが、その前後に、私から沖縄担当ということで、防衛庁長官と外務大臣に遠路アメリカへ出かけられて、2+2(ツープラスツー)の議論をされてこられたことをねぎらうとともに、感謝を申し上げました。外務大臣から、「沖縄のこと、しっかり言ってきたから」、「アメリカもその辺はよくわかっている」という話がありました。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)その2+2ですけれども、今回の会合の成果についてはどのように見ておられますか。

(答)今回の成果は、まず地域の情勢の認識、戦略目標、日米間の役割などの基本的な論点について包括的な議論を取りまとめたということ、在日米軍の兵力構成見直しに関しての今後の作業の方向性を指し示すという意味で、大変重要な機会になったと思っております。
 在日米軍の兵力構成の見直しに関しての協議でありますけれども、沖縄を含む地元の負担を軽減するというコミットメントがまず確認されたということも重要かと思っております。SACO最終報告の着実な実施、日米地位協定の運用の改善についての一致を見たわけですけれども、日米両国、沖縄の負担軽減に向けて協力して取り組んでいくという強い意思の確認ができた。その中で共通の目標、共通の役割の分担の確認、こういったことができたという意味では、大きな成果があったと思っております。
 今後この2+2、そういった共通の土壌を持った上で、引き続き沖縄県民の負担軽減のためのSACO最終報告の着実な実施を進めるということ、その上でいかに沖縄のさらなる負担軽減を実現するかということで、今後とも日米双方協力して、沖縄の問題ということについても知恵を絞っていくことになると思います。
 また、より広い意味では、欧州の方での冷戦構造が既に次世代に向かって進んでいるという中で、東アジアにはまだ幾つかの構造的な問題もありますけれども、日米安全保障がこういった冷戦構造から次の一歩を示したという意味で、私は大きな意味があると思っております。

(問)米軍のですね、基地の再編計画については、年内に合意を目指したいということでありますけれども、なかなか具体的な話になると難しいという指摘もあるのですけれども、その期限についてはどのようなお考えですか。

(答)交渉の担当者ではありませんので、どのような時間的な経過を経るのかは聞いておりませんが、この問題は、まず共通の土壌の上に立ったということで、この後の具体的な議論が促進されるのではないか、期待を込めてそう申し上げたいと思います。

(問)排ガス規制ですが、NOX、PMとも世界最高水準の規制ということで、こういう形になったことについての大臣のお考えと、達成のためにはいろいろ技術開発なり支援策も必要かと思いますが、どのようにお考えですか。

(答)本当に長年、中央環境審議会で真剣にこの問題に取り組んでいただきました。以前から私もいろいろな場で、平成17年に世界最高水準の規制をすると申し上げてきました。そういった審議の過程において、さまざまな関係者の認識も一致して、さらに自動車メーカー、軽油を扱っておられる石油メーカー、これも先ほどの2+2ではありませんけれども、方向性と流れが確実になったということで、喜びたいと思っております。これからもそういった関係の方々の御協力も必要としますが、わかりやすいところで言えば、日本ではディーゼル車は環境に非常によくないという意識、イメージが定着をしておりました。片やヨーロッパではディーゼル車はごく当たり前、むしろディーゼル車の方が多いという状況になっていたわけです。これでディーゼルとガソリンとが、排気ガスの面でイコールになってくるということであり、軽油などの経済性などが、むしろ活かされて、あとは消費者の選択ということになってくる。また、自動車という大きな産業についても、ヨーロッパ車、アメリカ車、そして日本車という意味で、単に低燃費だけを問うのではなく、環境を競い合うという意味でも、日本のメーカーがさらに先へ行く、もしくはいい競争をこれからやっていく。これは、地球の大気全般から言っても喜ばしい傾向であるし、そのリーダー役を日本が務めていく、その下地がきっちりと整ったということではないかと思っています。

(問)先ほどの2+2のお話にちょっと戻るのですが、今回共通戦略目標が日米間で結ばれて、今後具体的な議論に入っていくわけですけれども、大臣自身の役割についてどのようにお考えでしょうか。

(答)役割について一言で言うならば、沖縄の米軍基地が集中している沖縄の負担の軽減ということに尽きると思います。外務大臣、防衛庁長官に、対米ということではこの2人に代表して行っていただくわけでありますけれども、日頃から沖縄の問題に対して、外務大臣、防衛庁長官とは非常によく意見交換もさせていただいております。私が沖縄に行くたびに、こういうことがあるんですよといったような生の情報をできるだけお伝えするということで、米国との交渉がよりスムーズに、また沖縄の皆さんに歓迎されるような方向に進む、そういった意味で両大臣に対してしっかりと沖縄の気持ちをいつも代弁していくということ、これが私の最大の責務であろうと思っております。
 また、国務大臣として、日本の安全ということも総合的に考えていることも一つ加えさせていただきたいと思っております。

(問)閣僚懇の中で、総理から犯罪者の矯正の中で、農業をやったらどうかという話が出たということですが、これは人間教育という意味で農業がいいという考えなのでしょうか、あるいは農業の就業人口という考え方なのでしょうか。

(答)総理に聞いていただきたいと思いますが、私は総合的ものだと思います。全部のことを考えておっしゃったと思います。農業の場合は、苗を植えたり、木を植えたりして、果実が実るわけですから、そういった意味で、犯罪経験のある方々も達成感であるとか、人間としての喜びとか、そういったことを感じてほしいと思いました。

(問)その前にそういう話があってというようなことですか。

(答)刑務所をみずから御視察になってるので、そういうことも含めて総合的に考えて、「総理」ですから総合的に判断されるのが一番いいのではないでしょうか。
 ちなみに、それを聞きながら、農水大臣が大きくうなずいていました。農水大臣もまた何かお考えになるのではないでしょうか。

(問)テレビニュースの物捕りというか、警察官が先に逃げたという話で、総理は、何か憤慨しているような様子だったのでしょうか。

(答)そのような感じでした。
 国家公安委員長もそれをたまたまご覧になっていて、警官よ逃げるなということ車のキーに気を付けてパトカーをとられるようなことのないように、早速、昨日指示を出したということでありました。

(問)2+2ですけれども、今朝のお話の中では、大野長官の方から何かコメントのようなものはあったのでしょうか。

(答)今日はそういうことはございませんでした。

(以    上)