環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成17年2月15日)


1.発言要旨
 おはようございます。
 2月15日の閣議ですが、一般案件が5件、国会提出が3件、公布が2件、法律案が4件、政令が4件であり、環境、沖北関連はありません。
 閣僚懇では、寝屋川の小学校の刺殺事件について、文部科学大臣から状況報告がありました。
 この連休中に3度目になりますけども沖縄を訪問しました。以前から、離島を回るという私自身の意思もございまして、今回は石垣、西表、竹富、与那国を回ってまいりました。また、初日には本島の南部圏域の市町村長、離島では八重山圏域の市町長とお会いしまして、意見交換を行ってまいりました。
 それぞれ、一つ一つ個性的で、自然もそれぞれ違っておりますし、伝統文化も微妙に違って、今回、島を訪れた成果があったと思っております。
 来年度は、そういった島の良さをもう一度発掘していただいて、これからの島の発展ということを競い合っていただきたい、オンリーワンの輝きを放っていただきたい。そういうことで、予算も組ませていただいているわけですけれども、私なりに現地にそれぞれ行かせていただいて、またお役に立てればと思っております。
 各圏域の皆様との意見交換で、産業の振興、雇用の創出、地域活性化といった地域の発展にかける皆様方の熱意にも触れました。そして、諸施策を積極的に推進していく必要性を改めて実感したところでございます。
 また、環境大臣としてエコ・ツーリズムを推進してまいりましたけれども、エコ・ツーリズムの現場をつぶさに見てまいりました。それぞれ本当にすばらしい自然を有しておられる。それを宝として守って、活かしていくという方向で、御努力いただければと思っております。
 それから、ごみ処理の現場も見てまいりました。与那国などは、ダイオキシンの関係で焼却処理場が使えないといったことで、今ちょうどその端境の時期にもあったせいか、そのままごみが放置されているという現場も見てきました。
 いずれにいたしましても、さまざまな離島を訪問してまいりたいと思っております。
 もう一点ですが、明日16日にいよいよ京都議定書の発効ということで、予算委員会などの状況を見た上で、京都に行って、京都議定書の発効をお祝いすると同時に、これからおなかにぐっと力を入れて、日本の役割ということで、温暖化対策をしっかり進めていきたいと思っているところであります。
 私から以上です。

2.質疑応答
(問)京都議定書の発効ということで、これまでアメリカの脱退などの紆余曲折があり、ようやく発効にこぎつけたということですが、現在の小池大臣の率直なお気持ちと、先ほど日本の役割という御発言がありましたけれども、具体的に今後、京都という名前がついた議定書ですけれども、日本として、国際的にどのような温暖化政策の役割を担っていこうというお考えかということ、その2点をお聞かせください。

(答)感想とすれば、やはりこれまでこの京都議定書、案から実際に発効するまで紆余曲折ございました。アメリカの離脱もありましたし、ロシアがいつ批准するかということで、非常にやきもきしたこともございました。ロシアについても、EUそして我が国、それぞれの観点から説得に努めてきたということで、まずは第一のゴールにたどりついた。けれども、それがこれからの出発点であると思っています。
 日本の国際的な役割とすれば、まず日本みずからの責任を果たすということが、最大の役割だと思っています。
 非常にハードルは高いですけれども、明日のイベントも広く国民に地球温暖化対策について知ってもらう良い機会になるかと思っておりますし、これからの計画づくりなどを通じて、国民の皆さんの協力をお願いする、これはもちろん産業界も含めてですけれども、そういったことで、まずは日本のマイナス6%削減という約束をいかに果たすかというのが最大の日本の役割だと思います。
 それから、ことあるごとにアメリカ、それから義務を負っていない中国、インド、こういったところへの働きかけ、省エネ技術の移転など実質ある呼びかけ、支援を進めていきたいと思っています。

(問)今日総理からは、明日の発効について、特に何か御発言というのはありましたか。

(答)閣議、閣僚懇ではありませんでした。
 私も、京都議定書のことで閣議、閣僚懇では特に発言しておりませんけれども、部屋を出るときに、明日のイベントに、総理も官邸から参加していただくことになっておりますので、その意味でよろしくということで声をかけさせていただきました。

(問)複数の外国の環境大臣あるいは担当の方がいらっしゃいますけれども、個別に会合、会談ですとか、あるいは少しこの方にはこういう話をしておきたいということはございますか。

(答)昨日もアルゼンチンのガルシアさんがみえて、これからの日本とアルゼンチンの、例えばCDMなどを通じての協力関係について話をしました。
 明日はマータイさん、こちらはゲストとしてお招きしているんですけれども、彼女も環境副大臣でいらっしゃいますし、お会いすることになっています。京都への出発時間次第といったことになるかもしれません。
 イベントの終了が真夜中になりますけれども、その後、皆さんと会話できる、そういう機会もあればと思います。もう本当に深夜になってしまいますが、できるだけ多くの、せっかくいらしている皆さんといろいろな形での対話の機会を持ちたいと思っています。

(問)若干、重複になるかもしれませんが、マイナス6%、ハードルが非常に高いわけですけれども、今後、京都議定書目標達成計画という形で、具体的に目標を割り当てる形で進めていくわけですけれども、具体的にどう削減していくかという点について、改めてやることはありますか。

(答)今どこが増加して、どこが順調かというのは、いろいろな数値が出てきております。これから業務部門など、特に削減ができるようにしてまいりたいと思いますし、例えば増えている運輸の部門などは、国土交通省などでも、それぞれ対策を練っておられる。できるだけ総合的かつ科学的に効果のある方法、それについて計画の策定に至るまでにそれぞれの各省が知恵を絞ってできるようにしていきたいと思っております。
 何よりも、京都議定書発効というそのモメンタムというのは、皆さんが昨年の夏以来、特に感じておられる地球の異常な気象といいましょうか、そういったことに抱かれた一種の危機感を克服するための方法であります。異常気象には何も対処はできないということではなくて、やれることはやりましょうという、そういった呼びかけを国民の皆さん、産業界、行政、地方自治体、こういったところへしっかりやっていく。そしてできるところから皆さんにやっていただき、これからもさまざまな方法で参加していただく、そのようにしていきたいと思っております。

(問)各省庁が呼びかけではなくて、何か先導してやっていくという行動をなされるようなお考えはございますか。車を使わないとか、そういう具体的な行動を各省庁がするというのは。

(答)実は環境省のエコイスト大賞のテーマが、今回は、まず隗より始めよ、環境省として率先してできることというので、非常に多くの応募をいただきました。環境省だからして当然でしょうということもたくさんあります。
 低公害車、省エネ車の公用車の導入は、順調に達成することになっております。エコイスト大賞応募の中には、ビルの向きによっては、西日が当たって非常に暑いので、夏の間など、複層ガラスにするというものもありますけれども、テナントとして、そこを変えるわけにはなかなかいかないといった事情があります。いろいろな知恵を出し合うということで、エコイスト大賞でも環境省として何をすべきかについて今検討しているところです。
 夏場のネクタイはもう徹底してやめようと思っておりまして、せっかくこちらで沖縄を担当させていただいているので、環境省の方にもかりゆしを持っていくとか、私が兼ねていることのプラス面を出せればと思っております。記者の皆さんもどうぞよろしくお願いします。

(問)閣僚懇で、大阪の小学校の殺傷事件の話があったということですが、文科大臣からは、小学校の警備を強化するという話もあったんでしょうか。

(答)全部覚えているわけではありませんけれども、どういう状況でこの事件が起こったかという説明がありました。池田小学校以来、開かれた学校から、むしろ閉ざされた学校になりつつあって、今回の小学校もそういった警備面などではやるべきことはやっていたという話がありました。細かなところについては、ちょっと覚えておりませんが、それだけに悩みが多いのだということを個人的に感じたところです。
 その後、これに絡んで、仮出所中の男性がスーパーで乳児を殺した事件がありましたが、仮出所中に、行方不明者が650人もいるということでした。総理からは、検挙率がこんなに低くて問題だと言っているのであるならば、そういった再犯を起こす可能性のある分野をもっとしっかりやったらどうだということで、法務省、警察、各省庁が、人権というプライバシーの確保もしながら、問題点を解決できるように、省庁の垣根を越えてしっかりやってくれという督励がありました。


 
(以    上)