環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成17年1月21日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 今日から通常国会ですが、1月21日の閣議は、一般案件が10件、国会提出案件1件、公布(条約)1件、法律案2件、政令3件、配付1件でした。
 今日は海外から戻った各大臣などの報告、それから外務大臣からスマトラ沖地震津波に関してのその後の報告、特にインドネシアのアチェに外務省連絡事務所を設置するという報告がありました。
 それから国土交通大臣から、ビジット・ジャパンの数字が着実に伸びているということで、一番直近の数字は614万人で、前年度よりも93万人増えてきているという話がありました。外務大臣と国土交通大臣の閣僚懇でのお話です。そして、総理から、長い国会ではあるけれども、健康に留意してという言葉が一言ございました。
 以上、私からの報告です。

2.質疑応答
(問)昨日、茨城県神栖町の例の地下水汚染の問題で、また新たに掘り進めた結果、10トンを超えそうなかなり大きなコンクリートのような塊が見つかっていましたけれども、その後の検討会も含めて、ますます戦後の日本軍が埋めたというよりは、その後、別の第三者を介して埋められたのではないかという可能性が強く指摘されているようですが、その後の現行の対策というか補償等も含めて、仮に軍が直接埋めたものでないという可能性が大いにあるとするならば、補償のあり方等も含めて何かお考え等ありますでしょうか。

(答)まず、コンクリート様の物体ですけれども、1月20日に総合調査検討会を開催して、今後の対応方針について御検討いただいたわけです。今、塊の内部のサンプルを抽出して、その分析、把握をするということで、コンクリート様の塊、かなり大きいようでありますけれども、それを除去して、塊の下の状況を子細に調査をしていき、それから並行して地歴情報を収集して検証するといった対応方針が決められたところであります。
 現段階においては、まだコンクリート様の塊の全体像が不明ということですので、これが唯一の汚染源であるということは特定できない状況です。今申し上げたように、幾つかの調査をしっかりと進めた上で、神栖の問題が唯一これだけなのか、そしてまた、ではこれは一体何なのかということの調査を、これからもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 コンクリートが時代的にどうなのかなと私も思うのですが、コンクリートの分析でいつ頃のものかわからないのかというと、なかなかそれはわかりにくいということで、今も事務方と話をしておりました。
 いずれにしましても、実際にジフェニルアルシン酸が高濃度であるということは事実でありますので、まずこのコンクリートの塊の徹底した分析、そしてできる限り早く、一体何なのかということを解明していきたいと思っています。できるだけきっちりと、今回のコンクリートの塊を分析・解明するということで、まずは地域の皆さんにとっても今のクエスチョンマークを少しでも解明していって、そして安心につなげる方向に持っていきたいと思っております。いずれにしろ、まだ調査中ということです。

(問)もう一つ個別の話題ですけれども、外来種のブラックバスの問題で、半年間先送りというような結論が出たと思うのですけれども、それに対して言うなれば先送りだということで、玉虫色の結論に対しては批判する声も多くあるようですが、大臣、どのようにお考えでいらっしゃいますか。

(答)私は今の段階では、利害関係者が入った小委員会ということですので、そこでの御意見というふうに受けとめております。そもそも外来生物法の一番の目玉が、このオオクチバスでありますので、これで今の指定を回避するというのは、先送りと言われても、批判されても仕方がない状況ではないのかなと思っています。ですから、まず指定をするという段階の上で防除を進めていくというのが、私は正しい、そしてまた生態系を守るという一番大きな、今回の外来生物法の趣旨に沿ったものではないか、調査が足りないとかいろいろ反対される方は出ておりますけれども、これまでも各種の調査は全国各地から上がってきているわけですし、またこれによって釣りをしちゃだめであるとか、釣り方がどうだとか、お作法のことまで私ども環境を預かる者が言うべきものではないと思っています。
 ですからここは、かなりまだ混乱していると思います。本日また魚類の専門の方々がお集まりになる委員会があります。いろいろ政治的な判断などは、その後我々がするものであって、魚類の専門家の方には魚類の専門としての御意見を出していただければいいのではないかと思っております。よって、今回の小委員会の出した結論は、皆さんも聞いてよくわからなかったと思いますけれども、それはその段階での結論と受けとめています。

(問)そうしますと、大臣としては、6月のスタート時の第一陣に入れるべきであるというお考えだということですか。

(答)まず指定をすべきだと思います。そこから始まるのだろうと思っています。

(問)青森県で天然記念物のニホンザルが人に危害を与えるおそれがあるとして、薬殺処分されたということなのですが、これについての大臣の見解をお伺いします。

(答)青森、下北での問題というのも、青森県が、特定鳥獣保護管理計画を出されている。実際にいろいろな被害に遭っておられると同時に、サルという、特にニホンザルの保護の部分との接点をどうするかという話だろうと思います。
 御承知のように、この管理計画というのは各都道府県が専門家を入れてしっかりと立てられた上で実施をされているということであります。管理計画の中で、青森県は、捕獲は檻又は銃により行い、檻で捕獲した場合は施設への収容を検討し、収容が困難な場合は獣医師による薬殺など、できる限り苦痛を与えない方法により処分をするとしています。まさに専門家の御意見を踏まえての管理計画と承知しております。

(問)では、まあやむを得ないという考え方ですか。

(答)この計画に沿った形で、やむを得ない、みんな楽しくそれをやっているとは決して思わないですけれども、この管理計画の中で共生するぎりぎりの線としてお出しになっているのではないかと思っています。

(問)さっきのブラックバスの問題ですけれども、専門小委員会の意見というのは、要するにたたき台になっているのは、もちろん環境省の事務方の方がおつくりになられた原案をもとにまとめているわけですけれども、そうしますと大臣の御意見とさっきの省内の意思統一といいますか、その辺が大分違うというような印象を受けますがどうでしょうか。

(答)私も事務方から報告は受けておりますけれども、どうも受け取り方がみんな玉虫色で、みんないいように受け取られるような報告ではないのかなと、その辺のところで私は問題点を感じているので、まだ納得していないということを言っております。

(問)特に自然局は、まず防除の方針が固まらないと指定はできないのではないかとかで、半年間のそういう期間がないと、次に関係者の方への理解も求められないのではないかというようなことを言っているのですけれども、大臣も今日そのようなことをおっしゃって、やはり省内の不一致なんじゃないかなというような印象を受けますがどうでしょうか。

(答)防除というのは大変重要なことだと思うのですけれども、しかしながら防除の協力を全体から受けるというのですが、釣りを楽しんでいた人が今度は防除に本当に協力してくれるだろうかという観点を、私は持っています。

(問)それはブロック会合といっても、利害関係者も入っておりますけれども、一応学識経験者の方も入っていると思うのですが、その方向は否定されるおつもりということですか。

(答)今日はまたそれについて御検討されると聞いていますので、そこでまさに生態をどのように守っていくのかといった観点の専門の御意見を交わしていただければと思っています。

(問)国連防災会議に御出席されて、その後スマトラ沖地震から約1カ月ぐらい経ちますけれども、環境省としてのし尿処理とか産廃処理とか、おいおい考えていきますとおっしゃっていたと思うのですけれども、いかがでしょうか。

(答)現実には外務省などとのいろいろなやりとりで進められることに今、対応しているところです。廃棄物の処理などは、各地でそれぞれの対応の仕方が違うということもありますけれども、またし尿処理の分野においても、日本のいろいろできる技術提供なども含めて、今後迅速に進められるものをと、このように思っています。

(問)具体的に、現段階で何か外務省とこうしますというような計画をお持ちということではないのでしょうか。

(答)具体的に進めているものもありますけれども、また整い次第御報告できると思います。

(問)今日から、先ほどおっしゃったように通常国会召集ですけれども、大臣は兼務されているので、結構大変だと思うのですが、今回の国会に当たって、どのような方針で臨まれるか、お伺いしたいのですけれども。

(答)今回の国会においては、例えば郵政の問題が一番ホットイシューだと言われておりますけれども、環境政策としては、脱温暖化社会の構築、循環型社会の構築とこの二本柱、そのほかに係る法案なども抱えております。それから沖縄・北方については、沖縄関連の法案を2本抱えております。これらをまず法案の提出をして、そしてスピーディーに、かつ皆さんに御理解いただける形の審議を展開した上で、成立が図れるようにしていきたいと思っています。

(問)先ほど総理が、閣議の中で、長い国会であるが健康に留意してというような発言があったということですが、その他に、今国会における総理の決意のような御発言はありましたでしょうか。

(答)今日はむしろ、我々を慮った言葉をちょうだいして、短いものでした。

(問)そういった、総理自身の決意は、発言はなかったということですか。

(答)ええ、その場ではありませんでした。

(以    上)