環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成16年12月28日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 今日の閣議は、今年最後の閣議でありました。一般案件が2件、政令が2件、報告1件、配付3件でした。環境省関連が2件ありまして、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令と、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令です。
 そして、閣議でも総務大臣から報告がありましたが、11月の完全失業率が全国で4.5%と改善しておりますけれども、沖縄の完全失業率の方も7.3%であり、前月比で0.7ポイント、前年同月比で0.4%の低下ということで改善しております。
 それから、厚生労働大臣から、10月の全国の有効求人倍率が0.92倍という報告がございましたが、沖縄につきましては0.45倍であり、こちらは前月比で0.04ポイント、前年同月比で0.07ポイントとそれぞれ上昇となっており、こちらも改善を示しているところであります。
 閣僚懇では、やはり津波の話が出まして、町村大臣から、日本からの救援の模様などについて説明がございました。
 それで、太平洋の間では早期警戒システムがもうできているけれども、インド洋側ではないので、これから考える余地があるということを、国土交通大臣が気象庁長官と話しているということですし、また来年1月17日は、御承知のように阪神大震災10周年であり、国連の災害をテーマとしたシンポジウムなどが神戸で開かれるわけですが、この際の大きなテーマとして、津波の問題も入れていくということでありました。
 邦人被害については、御承知のような状況であり、変化いたしますので、そちらは皆さんの方で御確認いただければと思っております。
 同じく国土交通大臣から、新潟の新幹線が復旧したという話がありました。
 本当に、今年は災害の連続で、ありとあらゆる災害が押し寄せてきたなというのが私の感想でございます。閣議で発言したわけではございませんが、そういった印象を持っております。
 今年最後ですので、総理から、1年慌ただしかった、休みの間は鋭気を養って、また来年に備えてほしい、昨今はこういったさまざまな予想だにしないような緊急事態も発生するので、そこは連絡をよくとれるようにしておいて下さいという、最後の一言がございまして、終わりました。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答
(問)台湾の李登輝前総統が見えておりますけれども、今回は会う予定はあるのでしょうか。

(答)いえ、それは一切ありません。まず歓迎申し上げたいし、それからゆっくりと御家族で日本を楽しんでいただきたい、もうそれに尽きます。

(問)それは、今回は特に会わないようにという、だれかの指示というようなことではないですか。

(答)そういうことはありません。

(問)先ほども、話の中に一部ありましたが、今年1年間を振り返ってみて、特に環境関係で印象に残ることとか、今後の抱負みたいなものをお願いします。

(答)環境では、やはりロシアの京都議定書の批准ということで、大きな段階を1つ上ったということですね。私自身、京都議定書が新しい段階に入った中において再任されたということで、その分重責を感じておりますし、また、やりがいでもあると思っております。
 それから、やはり環境税という新税導入について、今回初めて具体的な姿を示すことができ、また、それぞれ産業界が猛烈な反対運動を展開されたということは、それだけこちらの本気度ということも伝わったのではないかと思っております。
 これから、大綱の見直しになるわけでありますけれども、来年早々からこの大綱づくりのためにしっかりと国民にも訴えてまいります。そして特に今回の津波の問題でも、この津波と地球温暖化とはまたちょっと違うかもしれませんけれども、モルディブなど、海抜の低い国々などは、直接に津波で影響を受けるということで、災害と地球温暖化などとも関係して、地球規模での対応が求められてくるので、日本の京都議定書の6%削減約束を守るという、そのためにも、きちんと我が国の責務を果たしていきたいと思っています。

(問)今のも若干重複するところはあると思うのですが、今回の地震、津波による災害で、推計ですけれども2万人以上の方がこれまでに行方不明となっており、さらに行方不明者等も増えている状況ですが、今回の被害について、率直な御感想をいただければと思います。

(答)自然災害、それも地球規模の自然災害の恐ろしさというのを、改めて感じました。また、今回は津波ですが、その「ツナミ」という言葉が日本語で世界中に通ずるということは、逆に日本も津波の対応について役割もあるのではないかと思っています。
 日本では津波というと、地震が起こるとすぐ次の瞬間に、「津波の心配はありません」というように、テレビ局などは自動的にシステムをつくっていらっしゃると思いますが、例えばそういったことなども、世界に広げていく日本の技術にもなり得ると思います。
 ちょっと話は長くなりますけれども、世界各国で地震というのは起こるわけですね。この地震による外交と言うとおかしいですけれども、そういったまさかのときの支援というのは本当にありがたいものでありますし、時には仲たがいしている隣同士の国が地震を境目に、例えばトルコの地震でギリシャが飛んで支援に入るとか、そういったことなどもあります。
 町村大臣もおっしゃっていましたように、今回、日本政府の対応は非常に早くて、スリランカなどには一番乗りもしておりますし、それに、シンガポールなど世界に数カ所、災害のための必要な物資などを日本政府としてストックしている場所があるそうです。そういったところから緊急に展開することで、日本の支援などもかなり成熟もして、実際に日本によって助けられたという国々が増えていくことは、日本への信頼を高めていくのだろうと思います。
 そういった意味で、来年の神戸で行われます震災10周年の会議は、非常に時宜を得たものになり得るのかなと思っています。その際、気候変動枠組条約のウォーラー・ハンター事務局長も日本にお越しということで、UNEPはテプファーさんも来られるのかもしれません。地球温暖化という環境問題と災害が非常に密接に語られ始めたのは、初めてのことなのではないでしょうか。話としてはあったけれども、具体的にこういう被害が生じるということをみんな痛感しているというのは、初めてのことなのではないかと思います。

(問)年末年始はどのようにお過ごしになるのでしょうか。

(答)鋭気を養います。
 大晦日は明治神宮に参拝しようと思っています。その際に、在京の私の友人の各国の大使たちに声をかけまして、明治神宮への参拝をみんなで行います。ちょっと声をかけたら広がりまして、結局17カ国の、アラブだけでなくて、この間お友達になったばかりのアルゼンチン大使とか、そういった方々も含めて参拝します。大晦日のときに、ドーンと太鼓が鳴らされて、みんなそこから参拝が始まってお金を投げるのですけれども、その場を見てもらい、日本の新年はこうやってお祝いするというのを見せてあげたいと思い、バスのツアコン役になって行きたいと思っています。イフタールはイスラムの方だけですけれども、これは新しく日本に赴任してこられた大使などを特にお誘いして、そうすると大変みんな興味を示されて、私はツアコンをするということになっています。

(問)話が全く変わって恐縮なのですが、水俣病の検討会の人選が、もう間違いなく年を越すのですけれども、大臣としてのお考えでこういうメンバーというのは、特にあるのでしょうか。

(答)まだ固有名詞では考えていません。やはり水俣というのは、日本の戦後の歴史の中で極めて大きな事件であり大きな出来事であって、日本という国においてなぜそういうことが起こったのかといった大きなテーマで考えており、またそういった形にふさわしい皆さんにこれからお願いしていくということでありまして、まだ具体的に名前はどなたということは決めておりません。


(以    上)