環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成16年12月21日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 12月21日の閣議の案件ですが、一般案件が2件、政令が13件、環境、沖縄・北方ともに関連はございませんでした。
 それから、EPA、経済連携促進関係閣僚会議がその後開かれまして、環境という観点についてもしっかり盛り込んで欲しい、またそういう状況で今進んでいるものもある、などといった説明、発言をさせていただきました。
 閣僚懇では、中越地震関係で、避難者が、最大が10万人であったのが、昨日の時点でゼロになったということ、これは村田防災担当大臣から発言がありました。それから、防衛庁長官からも同様な背景で、自衛隊の出動が今日の午後3時をもって終了するということで、まずは中越地震についての初動的な対応がひとまず終わったという趣旨の発言がございました。阪神大震災の現場をよく知る私といたしましては、阪神大震災におけますさまざまな経験といいましょうか、そこから学んだことなどがかなり活かされていると思うわけでございます。これが閣僚懇の話でございました。
 ちなみに、私、EPAのときに一言余計なことを発言いたしまして、環境省では、これまで書類をつくる際に裏表印刷ということをやっておりますが、内閣府でも実行していただいたところ、紙の使用が3割減ったということを一言申させていただきました。今日は関係省庁が集まっての会議でありまして、他の役所の書類の作り方など見る機会はそうそうあるわけではありませんので、この際と思って申し述べさせていただきました。「ほぉ」という話でありました。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)予算についてですけれども、沖縄分の予算について、大臣の評価、復活折衝への意気込みについてお考えがありますでしょうか。

(答)予算につきましては、国全体の緊縮予算の中にありまして、沖縄についてはかなり配慮もしていただいたものと思っております。その意味ではひとまず満足はしております。特に大学院大学についてもしかるべき額が計上されて、これからスタートということになりますし、そのほか沖縄から強い要請のありました公共事業を含めてすべてがカバーできていると思います。
 それから、三位一体に関連して大変御心配いただきましたけれども、特別交付金の創設など、ひとまず、いい姿にまとめていただきました。沖縄関係の予算については、あとは美ら島活性化という1つを残すだけであります。その4億円の部分ですけれども、復活折衝でしっかりとそれぞれ大変困難な事情をかかえている離島の方々に光と希望が与えられるよう、そういう気持ちでもって復活折衝に臨んでいきたいと思っています。

(問)環境省分についても、昨日は精査してからということだったと思いますが、感想等はありますでしょうか。

(答)環境省の部分は、まず二本柱で脱温暖化社会、そして循環型社会の構築という、この2つの大きな柱があり、必要な予算の確保に努めてきた次第であります。石油特会倍増、そしてまた国民運動の展開のための集中キャンペーンとして30億をお認めいただきました。それから、循環型社会については3Rの推進のために新たに循環型社会形成推進交付金という制度、水の関係では浄化槽が3省の交付金という形で、これはそれぞれの地域が使い勝手がよくなるということで、金額のみならずそういったシステム上の工夫が凝らされたということではないかと思っております。残されたものが4つ、自然保全、地球温暖化対策、VOC対策、資源循環推進構想事業いったことですけれども、しっかりと復活折衝に臨んでまいりたいと思っております。
 それから、昨日の総務大臣との折衝で認めていただいた地方支分部局、これもやはり一般には支分部局の削減、縮減という中にあって、この形を認めていただいたというのは、環境ということの重要性と、それから地方との連携ということを理解いただけたものと思っております。

(問)COP10の件ですが、先週最終日、かなり長時間の議論の末に一応まとまって将来の枠組みに向けたセミナーの開催ということで合意したようですけれども、実際は次期枠組みに向けてはつなげないというようなアメリカ側の主張も随分入ったようで、そのあたり実効性も含めてどのようにお考えになりますか。

(答)セミナーについての交渉は、本当に寝ずの交渉が続き、私も、手元に入ってきた交渉で合意した文章を見ましたが、最後のところで手書きの読みにくい字で書いてある部分が非常に重要で、そこがアメリカなどの意を酌んだ形で盛り込んだものとなっていました。そのぐちゃぐちゃと書き込まれたところが交渉の難しさをある意味で物語っていたのかなと思っております。
 しかし、いずれにしてもエストラーダ大使が提唱されたこのセミナーがボンで実際に開催されますが、これからまだ5カ月間あるわけですし、その間に2月に京都議定書の発効ということもあります。この間、さまざまな交渉の場、連携を深める場、理解を深める場を最大限活かして一歩ずつ進めていきたいと思っております。決裂という形にはなっていないということは、望みがつながっていると考えています。

(問)関連してですけれども、大臣は行く前に、アンブレラ会合をすごく楽しみにしていたと思うのですけれども、実際、アンブレラ会合に出てみてこの辺の次期枠組みとか、そういうものの感触とかというのはどうなのでしょうか。

(答)アンブレラ会合にまいりまして、ホストを務めているオーストラリアの環境大臣も、それからノルウェーであるとかアイスランドとかの国々など、何人かの環境大臣が新メンバーに変わっていて、気がついたら私も結構古手ということになってしまっているのにまずびっくりしました。その意味では、これからももっと声を出していかなければならないなというふうに思います。
 新任に変わったために、随分去年と雰囲気が変わっていました。まず、意思の疎通を図らなければならないというところで、若干、今回のアンブレラグループは、お互いの自己紹介みたいなところから入らなければならなくて、ある意味では顔合わせの夕食会になったところがあったかなと思っております。
 また、このアンブレラグループはそれぞれまた次の─前回はCSDのときにもやっておりますので─国際会議のときにもまた開いていくので2回目ということになるとまた雰囲気が違ってくるのかなと思っております。重要な会議、組織として、これからもしっかり活用していきたいと思っています。
 ちなみに、翌日、大雨が降りましたけれども、アンブレラグループのメンバーは余りアンブレラを持っていなかったので、みんなびしょ濡れになっていました。

(問)その関連でもう一つ、サウジアラビアが、途上国の支援関係でかなり適応策というと難しいですけれども、自国の産業構造の転換のための支援ということを強行に求めています。大臣はあちらの経済状況に非常にお詳しいと思うんですが、どういうふうに受けとめられて、今後どういうふうに対応していくべきだとお考えになりますか。

(答)最後までもめた部分で、アメリカの主張と、それから特に産油国の主張が入り交じったということも聞いております。今回は、ヌワイミさんを始めとして産油国の方々との接点を余り設けることができませんでしたので、最中、そして後からの情報として伺ったということであります。
 産油国は今原油高でかなり豊かにはなっていると思いますけれども、産油国も地球温暖化に対してのそれぞれの姿勢というものをより積極的に出していただければいいなと思っております。これからもいろいろな産油国との接点の中でそういったことも研究していきたいと思います。

(問)全然話題が違って恐縮なのですけれども、例の辺野古の珊瑚礁の破壊があったのではないかという問題を市民団体が指摘していました。そろそろ1カ月になると思うんですけれども、防衛施設庁からは、どのような御回答、報告を受けていらっしゃるのでしょうか。

(答)施設庁から、状況については、おおよそのところは伺っております。ただ、それまでの珊瑚礁と、それから今回傷ついたと言われている部分との比較などを今も進めているということなので、早急にその結果を知らせてくれるように施設庁にお願いをしているところです。

(問)一方では、現地で反対派と作業員のトラブルで怪我人が出るというようなこともあるようですけれども、調査が続行している一方で、作業が進んでいるということ自体が─工事の是非はともかくとして、環境保護という面で、不明瞭というかわかりにくいことだと思うんですけれども、その辺はどのように見られていますでしょうか。

(答)むしろ作業は遅々として進まずというふうに聞いております。上に登られてそこから手が滑って船に落ちられた方がいらっしゃるとか、そういったことなども聞いております。反対派の方々も高いところに登られるのであるならば気をつけていただきたいと思っております。作業については、自然状況などもあり、進んでいるという話は聞いておりません。お互いそれぞれ立場が違うというのはわかりますけれども、しかしながら、それぞれ注意していただきたいと。自然環境もさることながら、反対派の方々もケガなどないように十分に御注意いただきたいと思っております。

(問)さっき手が滑ったとおっしゃいましたけれども、現地の市民団体等は、作業員が乱暴に引き離したのだというようなことをおっしゃっています。そこはどういうふうに、把握というか報告は受けられていますか。

(答)そういった出来事があったということを伺っております。手が滑ったかどうか、私は高いところに登って落ちるということは、そういうこともあろうかと思ったのですけれども、そのあたりの詳細は両方の報告を聞いてみないとよくわからないと思っております。今の私の印象ということです。

(問)そうすると、今おっしゃったのは報道とかでですか。

(答)そうです。

(問)コピー両面というのは、今日、ほかの閣僚にも裏表やるようにというようなアドバイスなり提案をしたのですか。

(答)提案というか、3割減りましたと申し上げました。

(問)それはEPAの閣僚会議の場での発言ですか。

(答)そうです。会議とは全く関係なかったのですけれども、なかなか他省の書類を手にするということはありませんので。

(問)特にどこがもったいないという感じがしましたか。

(答)今日は全部裏が使われていなかったですね。

(問)もっと他の場でも、要するに閣議、閣議後の懇談会でも提案されるおつもりですか。

(答)そうですね、また提案していきたいと思います。

(問)沖縄の話ですけれども、下地島空港でフィリピンに災害の救助で米軍のヘリが行った際、行きと帰りに下地島空港を使用したようです。大臣が就任されて初めての事態だと思うんですけれども、県から緊急の場合以外は自粛してほしいという要請が出ていた中で、強行されたという形だと思うのですけれども、大臣はどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。

(答)まさに緊急の場合として給油をしたと。ましてやフィリピンに関しての人道的な対応ということでありますので、適切な対応が行われたというふうに理解しております。

(問)今回は災害の援助ということだったと思いますが、今年に入ってからも、昨年も、何年か続けて合同訓練という形でも民間空港が使われていますけれども、こちらに関してはどのようにお考えでしょうか。

(答)それぞれ日米地位協定にのっとって適切な対応がされていると理解しています。

(以    上)