環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成16年12月10日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 12月10日の閣議、一般案件が7件、国会提出が23件、政令が6件、環境省共同請議が3件、景観法関連、それから質問主意書で旧国鉄跡地の土壌汚染関連ということでありました。
 それから、沖縄・北方関係でありますけれども、質問主意書で新石垣空港の整備に関するものが1件ございました。
 閣議では、外務大臣からフィリピンの無償支援についての話がございました。
 それから、閣僚懇で特区の話が出まして、日本の活性化のために有効な案がたくさんあるということで、紹介がありました。これは村上特区担当大臣から紹介があったので、私が一言、特区だけではなく、全国でやればいい、規制緩和の問題じゃないですかと言うと、そうですねというような話もありました。
 また、私から、横田めぐみさん、それから松木さんの骨がまたDNA鑑定で別人のものであったということについて、ここは日本政府としてしっかりと適切な対応をとるべきではないかということを発言いたしました。
 後ほど外務大臣から、それについては他に持ち帰ったいろいろな資料があり、そういったものを今引き続き分析中なので、それを終えてその上で政府としての対応を決めたいというよう話がありました。
 それから、私から皆様にお伝えしておきたいことといたしまして、明後日の12日から17日まで、ワシントンとブエノスアイレスへ出張する件についてがあります。ブエノスアイレスは申すまでもなく気候変動枠組条約の第10回締約国会議(COP10)です。この閣僚級会合に、私が第1日目の15日に出席をしまして、続く16、17日は高野副大臣が務めるという役割分担にいたしております。
 閣僚級会合では、主要なテーマであります「条約発効10周年、その成果と将来への挑戦」というパネルがございまして、そちらのパネルディスカッションにパネリストとして参加をいたします。この第1セッションでは、ロシア、オランダ、アメリカ、中国そしてガンビア、キリバスなどが参加をする予定になっております。この中で、私の申し上げたいことは3点あります。
 まず、京都議定書の発効というのは、国際的に地球温暖化の対策を進める上で大変重要な一歩であり、改めてまだ議定書を批准していない国々に対しては時宜を得た参加を促していきたいというのが1点であります。それから2点目は、日本自身がこの議定書の削減約束を、確実に達成していくということを申し述べたいと思います。3番目に、今回のCOP10で、将来の行動のあり方について検討を開始するということを、世界に向けて発信していきましょうということを提案してまいりたいと考えております。これが日本、我が国政府代表として、私がパネルディスカッションで申し述べたい事柄であります。
 それから時間、合間を見て、バイの会談をいくつか予定しておりまして、条約事務局のウォーラーハンター事務局長であるとか、EUの新しいディマス委員、イギリスはベケット大臣、アメリカのドブリアンスキー国務次官、そして中国の代表とのバイ会談も既にセットがされたところであります。
 また、ワシントンにも出向くことにいたしておりまして、これはブエノスアイレスに行く前の12月13日の月曜日に、アーミテージ国務副長官、ボルトン国務次官ら、これまでも私自身知己のあった国務省関連の方々、それからペンタゴンでローレス国防副次官といったような方々と、意見交換を行ってまいりたいと思います。
 もちろんこれは、沖縄・北方対策担当大臣として就任後初めての訪米であります。米軍基地が沖縄に集中しているという事実は、もちろんアメリカ側もよくわかっているわけでありますけれども、負担軽減に関して、沖縄担当大臣として現状などについてアメリカ側と意見交換をしてまいりたいと考えております。アメリカにおける一連の意見交換の最後、ブエノスアイレスに行く直前ではありますけれども、13日の夕方にワシントンで記者会見を予定いたしておりますので、出先の方にもお伝えいただければと思っております。
 それから閣議が終わった後、都市再生本部の関係閣僚会合が開かれました。今回のプロジェクトの中に、東京の丸の内、それから大阪の中之島という、まさにオフィスビルが立ち並ぶ一角をモデル地区として、地球温暖化対策、ヒートアイランド対策を都市再生本部として取り組むということがあります。オフィスビルの部分でCO2の排出が残念ながら伸びているところでありますので、環境大臣として、そこはまさにモデル地区として、特に業務の部分でいいモデル地区になってくれるようにということを強調して発言をしておきました。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)今御説明がありましたワシントン訪問での各要人との御会談について、もうちょっと具体的に伺えればと思うのですけれども。沖縄・北方担当大臣としては、先に起こった沖縄のヘリ墜落事故への対処に関することもあるのかということと、あと環境面での京都議定書への参加ということも、やはりその場でも呼びかけられるのか、そのあたりについてお聞きしたいのですけれども。

(答)ワシントンでは、環境大臣としてというよりは沖縄担当、沖縄・北方対策担当という方に重点が置かれると思います。というのも、環境担当の人はもう既にその時点でブエノスアイレスに行っている可能性がありますので、むしろ環境関連の対アメリカということは、物理的にブエノスアイレスの方が会場となるかと思っています。

(問)沖縄・北方担当大臣としては、どのようなことを要求されたり、御質問されたりするおつもりですか

(答)意見交換をしっかりしてきたいと思っています。

(問)向こうのパネルディスカッションで、将来の行動のあり方について検討を、実際アルゼンチンなんかは2013年以降のことについての議論の準備みたいなことということの説明なのですが、このあたりについて日本の立場、あるいはどういったことを主張されるのか、教えていただけますか。

(答)アルゼンチンは今回議長であるということで、京都以降の話などについても、これからの道筋をつけていく必要性があるという観点から、議長としての提案などもなさっています。例えばセミナーを開いて、その間にいろいろと今後の道筋を各国が話し合うような機会を持っていくということを訴えかけるような提案ですので、日本としてもそれはサポートしていきたいというふうに思います。
 いずれにしても、究極の目的として地球規模での参加がどうしても必要でありますので、これからどういう形で、まだ参加していない国々に参加してもらえる環境を整えるのか、非常にハードルは高い部分もありますけれども、共通のルールを構築するということで、これからもいろいろな機会を通じて、日本としてそういう方向に向かった呼びかけを重ねていきたいと思っています。

(問)先ほど、閣僚懇で横田めぐみさん、松木さんの骨がにせものだったということで、決然とした対応を示すべきだということをおっしゃったということですが、今、北朝鮮への経済制裁をすべきだという議論が高まってきていることについて、大臣御自身はどのようにお考えになられているでしょうか。

(答)日本の経済制裁についてのメニュー作りは、私自身がベースを書いたりしたもので、議員立法などでいくつか法律などもできました。
 要は、世界が、これからの流れでいうと、6カ国協議がどうなるのか、それから安保理に対しての提訴をどうするのかという時に、私自身が考えていたのは、世界がそういった制裁をやりましょうといった時に、日本に法律的になす術がないと、こんな近くで、なおかつ、こんなに北朝鮮からの被害を受けていながら、各国が足並みを合わせて制裁をする時にできないということになったら、何をやっているのかということになる。もし安保理において、制裁の準備ができた時に、我が国として対応ができるように、そういう思いで私はメニュー化をして、それが議員立法による外為法の改正や、特定船舶の入港禁止であるといった措置がとられるようになりました。そのツールができているというわけです。これは外交でありますし、ドアを完全に日本として閉めることがプラスなのかということは、やはり全体的なことで見ていかないといけないと思っています。いずれにしても、我が国は、経済制裁というのは大いなる選択枝の一つでありますから、それをいつでも使える状況にしておくということなのだろうと思います。
 また北朝鮮も、前に市川さんのときに、お骨が寄せられたが、それで別人だということで、みんなの不信が高まったことに対しての学習効果が何らないということに、国内での統制がどうなっているのかなということに疑問を私自身は抱きます。それをまた改めて出してくるというのは、国内的にそうせざるを得ないような状況が生じているのかなと思います。これは想像の域にすぎませんけれども。今回の繰り返しを見ていて、国民の皆さんも「ああ、またか」と思っていらっしゃるんだろうと思います。
 ですから、今北朝鮮がなすべきことは、現時点で横田めぐみさんが死んでいるという証拠はなくなったわけであり、そうであるならば、生きているという可能性は大いにあるわけですから、私は生きている横田さんを日本に返すのが、今、北朝鮮がやって、最も効果のあることだと思います。つまり誠意を持って対応すべきであるということでありまして、上塗りをすることは経済制裁を日本にさせようとする、そういう意図があるなら別ですけれども、北朝鮮にとってもよくない、非常に対応としてまずいのではないかと思います。

(問)水俣病の件ですが、昨日県との協議がありまして、あと公明党の方との協議があったらしくて、その際に今後の対応として、来年度の予算で新規ができないけれども、現在の枠内でできることからやっていきたいというような考え方も提示されたというようなことがありますけれども、基本的に今後どのような形で、その辺を含めて対応されていくのでしょうか。

(答)昨日、県の方が、既にペーパーはいただいておりましたが、漸く説明に来られました。まだまだ考え方の根拠であるとか、そういったいろいろな案をつくる際のベースになるものが不十分でありますので、これからも協議を続けていきたいと思っております。
 水俣病については、国が加害者であるということが今回の判決で明確になったわけでありまして、国としてしっかりと対応をすべきであるということは、これは当然のことだろうと思います。ただ、今何をしなくてはならないのか、何ができるのか、そしてまた何をしてはならないのかの一番大きなところに、これまでの長い中で、水俣における大切な言葉として「もやい直し」という言葉があるように、この「もやい直し」の精神というのを大切にして、何ができるかというのを今、国として真剣に考えているところであります。予算とかのことは非常にテクニカルな話で、もちろん早ければ早い方がいいとは思いますが、私はきちっとした対応ができるような形で、本当にこれまでも長い時間がかかって、それだけでも国は謝らなければならないと思いますけれども、今この時期にあってなすべきこと、なさなければならないこと、そしてこれはなかなか難しいということ、それらを、今要望が出そろっているところにおいて、また判決のいろいろな見方なども踏まえて検討しているところです。

(問)先ほど、経済制裁の件でメニュー作りされたとおっしゃられましたけれども、それでは大臣御自身としては、どのような制裁をしたらより効果的かというふうにお考えになっているのでしょうか。

(答)一番強いのはやはり安保理への提訴です。安全保障理事会を経て国連制裁というのが最も厳しい。イラクがそうでしたし、これまでの各国がそうでした。
 ただ、これは実効性に問題があって、ロシアがどうするのか、中国はどうするのかということで、なかなか難しいかと思います。例えば日米でそういった共通の方向を持つというのは、それだけでも大変厳しいものがあると思います。というのは、日本の経済制裁案というのは、我が国だけでやっても、今第三国を通じてとか、いろいろな方法を駆使しているわけですから、その意味で経済制裁をやることがすべてそれで問題解決につながるというのは違うと思います。

(問)先ほどのワシントンの訪問のことですけれども、意見交換というのは在日米軍の基地の問題やトランスフォーメーションとか、そういった話をされるのですか。

(答)私は沖縄の声を運ぶ役目があると思っています。つまり、アメリカが見ているのは全世界ですが、日本からの声を届けるというのは重要だと思っていますので、まさにそういった観点から意見交換をしてきたいと思っています。

(以    上)