環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成16年11月26日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 今日の閣議は一般案件が3件、国会提出案件が7件、法律の交付が8件、政令が10件、人事が6件、配布が2件、そのうち環境関連が1件あります。
 それから今日の閣議では、総理を始めとして、チリのサンチアゴでの海外出張に参加された外務大臣、経済産業大臣等々からその報告がありました。
 それから台風、地震の関連で、予備費の使用について財務大臣から、消費者物価指数については総務大臣から、司法制度改革推進本部については総理、官房長官、法務大臣から報告がありました。
また、閣議終了後、司法制度改革推進本部の本部会議がありまして、本部の終了とともに今後は内閣官房に推進室が設けられる旨の報告がありました。
 それから、防衛庁長官の訪米報告もありました。閣議、閣僚懇については以上です。
 私からは、沖縄関係で、11月22日月曜日から24日水曜日まで沖縄を訪問いたしましたので、御報告します。今回は中部圏の市町村長、岸本名護市長、それから沖縄米軍の四軍調整官のブラックマン氏とお会いしました。また、沖縄科学技術大学院大学の建設予定地、嘉手納飛行場、それから台風で被害を受けたところでもありますが、座間味村の阿嘉島、慶留間島、座間味島を訪問いたしました。
このうち、岸本名護市長との会談では、北部振興事業に関する制度の見直しの要請がありましたので、早速事務方に必要な措置を講じるよう指示を行ったところです。
 それから、ブラックマン四軍調整官との会談では、事件・事故の再発防止について、強く要請をいたしました。また都市型訓練施設などへの県民の方々の不安、そして要望を率直にお伝えいたしました。今回1回目ということで、またお会いするかと思いますけれども、率直な意見交換ができたものと思います。
 座間味村の視察は先日の台風23号の災害現場ということで、早期の復旧ができるようにしてまいりたいと思いますし、また自然の魅力を肌で感じてまいりました。今回、大臣として2回目の沖縄出張でございましたけれども、今後の取組に活かしていきたいと考えております。
 もう1件、沖縄関連ですが、このたび沖縄政策協議会及び北部振興協議会並びに移設先及び周辺地域振興協議会合同会議を開催することとなりました。11月30日、来週の閣議後に沖縄政策協議会の第25回会合を院内で開催いたします。その後、北部振興協議会の第14回会合と移設先及び周辺地域振興協議会第11回会合の合同会議を官邸において開催するということであります。詳細は事務方に、後でお尋ねいただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)環境税のことですけれども、昨日の政府税調で、来年度導入について打ち出されなかったのですが、環境省や自民党は、今後どのような取組を来年度に向けて実施されていくのでしょうか。

(答)まず、政府税調の昨日の答申では、地球温暖化問題への対応として環境税も盛り込まれているわけであります。そしてまた、環境税に関する多くの論点をできるだけ早急に検討しなければならないとされているということは、環境税の必要性、また検討の緊急性について御認識いただけたものと考えております。
 今回の答申をしっかりと受けとめて、引き続いて今度は与党の税制調査会などでそれぞれ御審議をいただくということですし、また関係府省、そして国民の皆様、そして産業界それぞれの御理解を得て、2005年から始まる第2ステップにふさわしい環境税が構築され     るように、来年度の環境税創設に向けて私どもも、最大限の努力を払っていきたいという   ことであります。
 それと同時に、自民党の環境部会が環境税案をまとめておられます。環境省の案につい      ては、来年度の税制改正要望の中で、与党を始めとして各方面で環境税の本格的な検討を    進めるために、国民各界各層からいただいた御意見などを検討して、具体案として出させ     ていただいています。それから自民党においては、環境省の具体案を踏まえて環境基本問     題調査会、そして環境部会などで活発な議論が行われてきました。それらを積み重ねて自 民党税制調査会に提出するための具体案を、環境部会と農水部会との合同で取りまとめら  れたということであります。
 この2つ、環境省案と自民党部会案ということですけれども、共通するのは、相対的に税率が低いということと、それから税収を温暖化対策に充て、その結果として、効果的に 排出量の削減を目指しているということでありまして、究極の目的は京都議定書の目標を達成しようということで、基本的には大きな相違点はないと考えております。

(問)税調の話ですけれども、昨日総理が、石会長に環境税に絡んで揮発油税の一般財源 化を求めるというような話があるんですが、大臣は揮発油税の一般財源化についてどのようにお考えでしょうか。

(答)直接総理から、この揮発油税との関係ということで伺ったわけではないのですけれども、環境省としては、しっかりと来年度の環境税創設に向けて、これからも一生懸命努力をしていくということです。今回、総理が指摘された揮発油税ですけれども、道路整備の財源調達が目的ということで、受益者負担という観点でありますが、温暖化対策の推進とはまた別の議論も必要になるかなと思っています。

(問)石油・石炭税とは整理が必要だというふうに、中環審でも出ていますが、道路特定税源の話には余り触れていないんですけれども、そういう点でも別物だというようなお考えでよろしいでしょうか。

(答)これから税調でもお話を進めるべく、石会長もその旨、発言されておられますし、いずれにしても環境の改善、地球温暖化対策にどのように資するものなのか、議論がこれから深まっていくのではないかと思っています。

(問)話題がちょっと違うのですけど、昨日IUCNで辺野古のボーリング調査の進め方について、沖縄のジュゴンの保護に配慮したものであるようにというような勧告が採択されました。また現場の辺野古では連日、調査に反対する人たちと作業船の人で揉み合いが起きているようです。現地からの報道によると、珊瑚礁がボーリング調査によって削り取られたというようなことがあったようですが、その点についてどのような御感想をお持ちかということと、環境大臣としてどのように対応されるかということをお聞きします。

(答)IUCNの動きについては、承知をしております。今回、勧告案の内容が、政府としても受け入れられるような修正をするように提案者と協議を行ったわけであります。事実関係ということも踏まえて修正が行われるということで、一部には合意しましたが、全体としては一致点を見出すことができないということで、今回の勧告案の採択について、日本政府としては棄権をしました。前回、4年前に開かれたときと同じ形になったということであります。
 日本政府のこれまでの取組や方針に対しての十分な評価が得られなかった、また合意するには至らなかったということですけれども、しかしながら種の保存ということについては、環境省としてこれからも適切に対応していきたいと思っています。

(問)現地で珊瑚礁が一部傷つけられているという話については、どの程度まで確認されていらして、どのように対応されるおつもりでしょうか。

(答)いろいろな報道もあるようですけれども、私たちは防衛施設庁からの報告を待っているところです。このところ波が高くて、今のところ潜水による確認ができていないと聞いています。引き続き確認を続けていきたいと思います。

(問)勧告を受けたときのアセス作業への影響というのはどのように考えておられますか。

(答)これは、これまでも珊瑚礁などを傷つけないための努力であるとか、ジュゴンの活動する時間帯を避けるであるとか、それから、リーフのへりのところ、クチのところなどをふさがないようにといったようなことで、環境省としても、これまでいろんな助言を行ってきています。事業主体である防衛施設庁にそれを守っていただくようにお願いしたいと思います。

(問)それは具体的に、何か注意喚起とかそういうことを新たにされるということですか。

(答)いや、それは前からそのようにお願いしていることですし、連絡はしっかりとっております。

(問)別件で、水俣病の関係ですけれども、大阪で原告団と環境省の協議がありましたが、長い時間話し合って、結局認定基準の見直し問題について、結論から言えばそちらは何も接点を見出せなかったということです。改めて環境省として、見直し問題をどのようにお考えなのか、24日の協議を踏まえて御感想をお願いします。

(答)24日に大阪に担当部長が出向いて、私はまずは幾つかの要請もありましたし、引き続き要請の中身、そして考え方などについてしっかり話を聞いてくるようにということで送り出したわけでありますけれども、長時間にわたってお互いに意見交換、そしてまた原告団のお話を伺えたということであります。これからもしっかりと担当部局には種々の討議であるとか、検討はさせていきたいと思っております。

(問)現段階で見直し問題について検討するということはないということですか。

(答)いえ、今も国としてどうあるべきなのかということで考えているところです。

(問)そういう意味でなかなか膠着状態で見えないですが、昨日熊本県議会で水俣病の対策が正式決定されましたが、ある程度具体的なそういう考え方が出てきたわけですが、そういう今後の県に対しての対応、スタンスを大臣としてどのようにお考えでしょうか。

(答)熊本県で昨日ですか、県議会で成案をおまとめになるような、そういった審議が行われたということは伺っていますけれども、直接それについての最終的な結論などはまだ受け取っておりません。それから考えたいと思います。

(以    上)