環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成16年11月19日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 今日の閣議ですが、一般案件が2件、国会提出案件が8件、条約の公布が1件、法律の公布が3件、政令が11件、人事が2件、配布1件で、環境、沖縄・北方ともに関連はございませんでした。
 このあと、総理がチリに、APECのため出張されるということと、大野防衛庁長官が海外出張されるということで、それぞれの代理が決まりました。
 それから、審議会などで女性の委員が3割を超えるようにという、これまでの目標ですけれども、環境省の委員については、女性委員が3割を超えているということで、お褒めはなかったですが、超えている中に入れていただきました。
 それから、閣僚懇では、三位一体の話について、4大臣と与党による枠組み案が調整できたということで、官房長官から報告があり、そのあと最後の方で、総理からも、調整は済んだ、これから数字を含めて具体的に地方案を真摯に受けとめて臨んでほしいという発言がありました。
 そのほか、GDPのデフレーターの取り方が若干変更されるであるとか、新潟中越地震で農水大臣が現地を訪問、視察した報告などがありました。
 以上が、閣議と閣僚懇の報告であります。
 それから、私から2点申し上げておきたいことがあります。11月18日に、ロシアのアンドレイ・デニソフ国連大使が、現在、国連安全保障理事会が開かれておりますナイロビの地において、京都議定書の批准書をアナン国連事務総長に寄託いたしました。これによって、議定書の発効要件が満たされることになりました。今回のロシアの参加で、128の国と地域に京都議定書が効力をもたらすことになるわけです。来年2月16日に発効することとなったということであります。
 かねてより節目、節目で会見をしてお話しいたしましたけれども、改めて申し上げますと、京都議定書は、地球温暖化防止という人類の壮大な挑戦の具体的な第一歩であります。その発効が実現したことは、大変、私としても喜ばしく思うところであります。これからも世界と一致協力して、地球温暖化対策に全力で取り組むという決意を新たにしているところであります。
 これも繰り返しになりますけれども、京都議定書が発効することによって、6%の温室効果ガスの約束が法的拘束力を持つことになります。地球温暖化対策推進大綱の評価見直し作業をしっかりと行うこと、そして、6%削減を確実に達成することが必要になってくるわけです。そのために、排出量の算定・報告・公表制度、それから自主参加型の排出量取引制度、さらに環境税、こういった追加的な施策、対策を導入してまいりたいと、そのために各関係方面との対話をさらに進めてまいりたいと、このように考えております。
 もう一点の御報告でありますが、これは沖縄関係です。来週の11月22日の月曜日から24日の水曜日まで、沖縄を訪問することになりました。日程は、中部圏域の市町村長との懇談の場、それからロバート・ブラックマン米軍四軍調整官とお会いをして、意見交換を行わせていただく。また、沖縄科学技術大学院大学の建設予定地であるとか、嘉手納の飛行場、大変人気を博しています沖縄美ら海水族館などの視察を予定しております。
 それから、今回、初めて沖縄本島以外の島に参りまして、座間味村の阿嘉島、それから慶留間島、座間味島を訪問いたします。
 座間味では、いわゆるエコツーリズムにも大変熱心に取り組んでいるということから、また台風の被害もあったということで、現場を視察してまいりたいと思っておりますし、それぞれの地域で住民の皆さんと一緒にお話ができるということを大変楽しみにしているところであります。詳しい流れなどについては、事務方にお聞きいただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)昨日、自民党の関係部会で、党の税制調査会に対して、環境税の来年度の導入を要望していくということが正式に決まりました。その一方で、政府の税調の答申案では、来年度の導入というのが言及されていないと聞きます。この点について、どのような感想を持っていらっしゃるか、また今後どのように取り組んでいかれるのか教えてください。

(答)党の方もそれぞれの部会で大変活発な意見交換があったと聞いておりますが、最終的には部会でまとめて出されました。また、農水の部会も出しておられて、これからそれぞれ党としてどう対応していくかということで、調整といいましょうか、話し合いもされると伺っています。
 環境省としての案を出させていただいており、それをベースにいろいろと御議論もあろうかと思います。環境省とすれば、今回、最善の案を出させていただいたので、それを中心に、熱心に御議論があるということは大変歓迎すべきことだと思っております。
 それから、政府税調の方は、迅速に議論を進めるべきという書きぶりになっていますけれども、これはすなわち来年度の導入を考えての迅速さだというふうに受けとめています。

(問)昨日、沖縄のヘリの事故に関して、日米合同委員会の下の特別分科委員会が開かれて、日本側から事故現場の管理について、提案があったということですが、どういった内容だったか御存知だったら教えてください。

(答)この分科委員会には、内閣府は入っておりませんので報告を受ける形になりますけれども、今回、ヘリが墜落した現場の統制のあり方についての調整ということで、日本側から提案があったというふうに聞いております。
 まだ詳細については、現在検討中であり明らかにはできませんが、いずれにしても、こういった、不幸にして事故が起こった際の現場の統制については、日米の当局がそれぞれお互いに共同で行うということを基本原則とし、現場の立ち入り制限、情報提供、緊急連絡手続の実施の方法について、互いに確認をしようと、こういったことを日本側から申し述べました。これらの項目を中心として今後調整が行われる、このように聞いておりますし、またそうあってほしいと思っています。

(問)三位一体の関係ですけれども、昨日の基本的枠組み、これを見ると、公共・非公共ともにさらに検討するとかですね、どっちつかずの記述が多いような気がしたんですけれども、環境省として今回のその枠組みに対する評価と、あと、この後折衝が激しくなると思いますが、どのように臨まれるかということを教えていただきたいんですが。

(答)今回は、ざっくり調整案ということだと思います。これから公共・非公共といった分け方であるとか、それぞれの中で、今日の総理の指示があったように、具体的にかつ数字も上げてという、そういう段階に入っていくのだろうと思います。環境省の案とすれば、もう既に10月28日の段階で出させていただいていますし、これで環境省はこれからもこの方向を堅持していきたい。内閣府の場合は関係省庁とよく話し合っていきたいということです。環境省案については、基本的な枠組みの変更ということは、特に廃棄物と自然公園整備、これは公共事業でありますけれども、こちらについて枠組みの変更をする必然性は今、ないと受けとめています。
 それから、非公共事業については、今後またさらに検討が行われるというふうに、このように私どもは受けとめているということです。それぞれ関係のところに理解を深めていきたいと思います。

(問)非公共でのさらに検討ということは、温暖化対策ですとか、あとモニタリング関係の補助金ということでよろしいでしょうか。

(答)幾つかしか項目がありませんから、おのずとおわかりだと思います。ただそれぞれ、必然性があってこれまで予算をつけてきたものですので、今後ともその必然性とその背景については説明をしていきたいと思っております。

(問)話は変わりますけれども、水俣病の件で、昨日、熊本県で、県議会が開かれまして、委員会で潮谷知事から、正式に熊本県としての対策案というのが、予算措置を伴う形で提示されました。今後、国に対しても、予算措置を伴うケースもあって、協力を求めていきたいというふうに、正式に表明されていたと思います。現実問題として、予算措置ということになると、スケジュールの問題であるとか、いろんな問題もあると思うのですけれど、具体的にどのような所見というのをお持ちなのかということと、環境省としてはどのように対応していくと、今のところ考えているのか、お願いします。

(答)昨日、報道された限りで知り得るところでは、これから県会の方で提案がされて、成案を得るというふうに、これからの段取りが進んでいくのだろうと思っていますので、国、環境省とすれば、これからそういった県の動きはまだ見守っていく段階なのかなと。ですから、予算がどうというのはその後の話になってくるし、そもそも熊本県の案ということについても精査しなければならないと思っています。
 その前に、24日には大阪の方に、今回の関西の訴訟団の原告の方々との話し合いに担当部長がまいりますので、最高裁判決後に初めてといいますか、要望書の確認作業が行われるということで、まずそちらの方が環境省とすれば先になるのかなと思っています。これから熊本県側がどうかは、いろいろな手続などもありましょうから、それを環境省はまずは見守るという、そういう立場かと思います。

(問)話は変わりますが、北方領土に関して、ロシアのプーチン大統領や外相などが、繰り返し二島返還について、最近になって検討をしているようなんですが、それはどのように受けとめていらっしゃいますか。

(答)APECが開かれて、そこで既に日露外相会談が開かれました。それから今度は日露首脳会談という、そのスケジュールがもう既に視野に入ってきたということと、それから来年のプーチン大統領の訪日という大きな政治スケジュールがあって、やはりプーチン大統領、ロシア側とすれば、これからの一つの交渉の下地づくりをしておきたいのかなと、私はそのように理解いたしております。いずれにしても日本のスタンスというのは、まず北方四島の帰属の確認をした上で、日露平和条約を締結する、そして両国間に真の相互理解に基づいた安定した関係を確立する。この段階をきっちりと踏まえていくということが、これまでも変わらぬ日本の基本方針でありますし、またそのことは日露外相会談などでも日本側からその旨が述べられたというふうに聞いております。
 そしてまた、プーチン大統領の訪日までに日露の両外務大臣が相互訪問するということでも合意したところでありまして、これからそういう日露間の大きな懸案である、領土問題がしっかりと話し合われるということは、大変重要なことだと思っています。
 最近の中露の領土問題などへの取り組みなどを考えると、プーチン大統領としても積極的に取り組むのだろうという、その姿勢は感じとれます。

(問)日本としても今は領土問題を前進させるチャンスということでしょうか。

(答)やはり150周年という大きな節目でもありますし、領土問題の解決はいずれの国でも早期に行うべきだと思います。そこは一つ大きな節目であるというふうに認識しています。
 小泉総理が、海上から視察したというのも日本側の政治姿勢そのものを示しているのではないかと思いますし、またその意を受けて、私も国内の世論の啓発に努めていきたいと思います。

(以    上)