環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成16年11月16日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 今日の閣議は、その直後にデンマークの国賓御来日の行事があり、非常に短時間で終わりました。国会提出案件が3件、政令が2件であり、環境及び沖縄・北方関連はございませんでした。
 私からは、1件報告がございます。硫酸ピッチ対策について、先日の全国都道府県知事会議の知事と各閣僚との懇談の中で、千葉県の堂本知事から硫酸ピッチ対策、不正軽油の製造禁止の強化について御発言がありました。私からは、これまでの硫酸ピッチ対策ということで、法律の強化なども行ってきたことを申し上げました。環境省の取組について、堂本知事はよく御理解いただけていると思いますが、麻生総務大臣から、関係省庁が一堂に会して対策を検討しようという発言もございました。これまでも関係省庁と連携した会議等もあるわけですが、せっかく堂本知事からこういう御発言があったので、今後とも改めて対策を強化し、一層の連携をとっていこうと思っています。
 硫酸ピッチのそもそもの問題として、税制の部分があると思います。税制を国に渡せば一番問題はなくなるのですけれど、そうすると地方は嫌がるでしょう。システム的にもまだ若干問題ありかなと思いますが、いずれにせよ連携をとってやっていきたいと思っております。
 閣僚懇では、総務大臣から、新潟の地震関連で、行政ワンストップサービスを長岡市役所で始めることとしたという話がありました。各役所の窓口が別になっていて、時間ばかりかかってはいけないということで、これは阪神大震災のときも同じように行われました。そろそろ緊急の段階から、次の復旧、復興へ向けての行政サービスに移行する中での一環という位置付けだろうと思います。
 もう一つ、紀宮殿下の御婚約が内定し、まだ正式ではないということですが、私からも心からのお慶びを申し上げたいと思います。

2.質疑応答
(問)日朝実務者協議ですが、今回の結果について、拉致問題に取り組んでこられた大臣として、どのようなお気持ちでいらっしゃいますか。

(答)ある意味で、北朝鮮側も何とかしたいという思いはあるのでしょうが、それがいつもの調子の、上塗りの上塗りという感をぬぐえません。ですから、誠意とかそういう問題よりも、何とかしてこの場をしのぎたいという気持ちの方が前に出てきているような、またかという印象です。特にめぐみさんの骨を焼いてどうこうしてというのは、前に聞いた話でもありますし、かなりあちらも焦ってはおられるのだろうと思います。
 今後、今回の物証と言われるものの研究、調査するということですので、これからどういう結果が出てくるのか、見守りたいと思っております。
 最近の情勢の変化と言えば、やはりアメリカ大統領選が終わり、ブッシュ政権が続くという中で、北朝鮮側もいろいろな焦りもあるのだろうと拝察します。

(問)今回の結果について、家族会からは、早速、信用できない結果であり、ぜひ経済制裁をやってほしいという声が出ていますけれども、経済制裁というか、北朝鮮に対する圧力のかけ方についてはどのようにお考えでしょうか。

(答)私は以前から、積極的に経済制裁であるとか、さまざまな圧力を重視するべきだと申し上げてきました。政府として、今回の調査などを踏まえて、これから全体として判断されることと思っておりますけれども、当然我々日本人として怒るべきこと、怒るべきときはしっかりと怒らないと、相手には伝わりません。ああいう国ですから。その意味で、選択肢は十分あるわけですから、それを使うか使わないかのタイミングはあるでしょうが、国際的な場においてもこのことは、しっかりとこれからも日本として訴えていくべきだと思います。
 御家族がまたかという気持ちでいらっしゃることは、私はよくわかります。本当にそのたびに翻弄されておられる御家族はまことに気の毒だし、これまでの四半世紀の長い空白の中にこうやってそのたびに一喜一憂というか、一憂、二憂がまた増えていくというのは本当に気の毒と言うしかありません。政府の一員として、努力していきたいと思います。

(問)話題は変わりますが、ロシアのプーチン大統領が閣議で北方領土問題について歯舞、色丹の二島返還を軸に進めたいと、それ以外については日本側に妥協を求めたいというような趣旨の発言をされたようなんですけれども、その発言についてどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。

(答)プーチン大統領、それからその前日はラブロフ外務大臣とこの北方領土問題について相次いでまさにトップが発言されているということについてはよく承知をいたしておりますし、また、そういった背景についても私なりに今分析しているところであります。ただ、我が国の一貫した方針は、これまでも何度も申し上げているように、四島の帰属の問題を解決する、その上で日露平和条約を締結する、そしてそこから本当の相互理解が始まるということであります。この線は変えることなく、来年来日されるプーチン大統領と精力的に交渉を進めていく、という構えは微動だにせずということでいきたいと思っております。これから訪日されるということで、いろいろな下準備といいましょうか、あちら側とすれば、そういう思いもあるのではないかと思います。

(問)ということは、ロシア側としても方針を変えないということで、かなり厳しい交渉になると思いますが。

(答)北朝鮮は拉致問題で日本の国民を拉致していったわけでありますけれども、ロシアとすれば、戦争とかこれまでのいろいろな長い歴史、ましてや日魯通好条約150年という歴史までひもといていきますと、これまでもいろいろな動きがあった。そういう中で、4人、つまり4島そっくり返してほしいという日本の願いと、いやいや2島ですよ、2人だけはお返ししますよと言っているのと、その辺の違いがあるのだろうと。拉致の人を島に変えればもっと国民の皆さんもこの北方領土問題について身近な問題としてとらえていただけるのではないかと思っております。
 外交交渉というのはもとより非常に本来厳しいものであると思いますが、やはり我が国としての基本線をまず確認して、それから交渉に臨むということに他ならないと思っています。

(問)ディーゼル車のポスト新長期規制について、先週で関係者のヒアリングが終わったようですが、今後の方針というのはあるのでしょうか。

(答)自動車メーカー、装置メーカー、それから国内外政府関係者等を含めて、これまで環境省としてヒアリングを重ねてまいりました。大体それが終わって、今、最終的に審議を進めているところですが、新たな規制を平成22年、2010年よりも前倒しで導入をしていきたい、つまりもっとスピード感を出していきたいということが1点であります。
 規制の数値ですが、ディーゼル車のPM排出問題を事実上なくす脱PM化、これは何を意味するかというと、今、規制値が0.027ですが、それを半減させようという、それくらいの規制をきっちりとやっていきたいと思っております。スピード感とその内容、この両方で詰めていきたいと思っています。これらは、ポスト新長期であり、平成17年の規制以降の次の話です。

(問)環境税についてですが、今週、党関連部会が相次いで、大詰めを迎えると思います。19日が党税調への締め切りだと思うのですが、何度も繰り返されていますけれども、いろいろ周囲から出ている意見なども踏まえて、今の環境省案に手を加えるご意思があるのかどうか、あるいは部会へどういう論議を期待するかなどお聞かせ下さい。

(答)環境税について、環境省としての案を出させていただきました。ボールが投げられて、そこで今議論が起こっている最中であります。これで議論がどんどんと大きく広がって、そしてまた中身も深まっていくことは、大変歓迎すべきことだと思っております。
 環境省として、今回、ベストな案を出させていただき、そして、それぞれの御意見を伺いますけれども、時間との関係もありますし、環境省としての案について御理解を深めていただけるようにもっていこうと思っております。とにかく、今週が大きな山場であることは認識しております。私もかつて与党の税調のメンバーに入っており、大体流れもよくわかっているつもりですが、年末のぎりぎりのところまで、ずっと山場が続くだろうなと思っています。

(問)同じく今週が山場という三位一体の話ですけれども、今週18日の決着を目指すという方針だったと思います。党の方では毎日部会等が開かれて、さまざまな論議がされているのですが、どういう見通しになるのかということと、環境省としての対応は今どのような形なのか、その辺を教えていただきたいと思います。

(答)日程については、この後、総理がAPECに出かけられるそのぎりぎりまで、この三位一体についての議論が、環境省、内閣府ともに続いていくと聞いております。タイミングがいつになるのか、これは全体像なのでよく私自身も見えておりませんけれども、私どもは環境省についても沖縄についても、ちゃんと提案もさせていただきましたので、こちらもしっかり理解を求めていきたいと思っております。

(問)具体的に今日の閣僚懇でこの辺の話というのは。

(答)今日はその後がつかえておりましたので、総務大臣の発言だけで切り上げました。みんな言いたいことはいっぱいあると思いますけれども、言い始めたらきっと閣僚懇にはならないのではないかと思います。

(以    上)