環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成16年11月12日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 今日の閣議は、一般案件が2件、国会提出が9件、条約の公布が1件、法律の公布が2件、政令が2件、人事が3件で、環境省関係はございませんでした。国会提出案件のうち他省庁の案件ですが、沖縄・北方に関係するものが3件あり、これは質問主意書に対しての答弁書でした。
 今日はそのあとに会計検査院の報告について総理からの発言がありました。それから、国籍不明潜水艦探知事案で、例の潜水艦について防衛庁長官から報告がありました。加えて、防衛庁長官からは、昨日、イラクのサマーワにおいて140名のイラクの住民たちが、自衛隊がいる場所に詰めかけた。「ありがとう」という支援のプラカードと、メッセージがそのリーダーから伝えられたということで、そのことを報告しても、どこもまともに扱ってくれないという防衛庁長官からの発言がありました。
 私からは以上であります。

2.質疑応答
(問)三位一体の改革の関係で、昨日、自民党が独自案の基本方針のようなものをまとめて、それによると、補助率引き下げですとか交付金化というのは望ましくないということだったかと思うのですが、これに対しての大臣のお考えを教えていただけますか。

(答)今、党の方で積極的におまとめいただく流れがあると聞いております。また、今日もこの後、政府主催の全国都道府県知事会議などもございますし、これから考え方が集約されていくのではないかと思っております。環境省とすれば、これまでも説明させていただいたように、環境行政はどうあるべきかという観点から案を出させていただいているところであります。これからもしっかり理解が得られるように主張していきたいし、またそれでまとめていただけるように活動していきたいと思っています。

(問)国立公園の直轄事業化ということで、国立公園については筋が通っているかなと思うのですけれども、その一方で国定公園について、国が指定して都道府県が事務を行うというのが原則であったかと思います。それについて補助金を廃止せずに交付金化を図るということには、当然、地方から反発もあるかと思うのですが、国定公園について、廃止ではなくて交付金化という理由を改めて説明していただければと思うのですけれども。

(答)まず、国立公園については読んで字のごとしでありまして、今回も国の補助金は廃止して、国の直轄事業として行うということであります。それから、国定公園については、国が指定をして、原則、都道府県が自治事務として公園事業を行うというのが平成11年の地方分権推進法にあるということで、そもそも役割分担は確認がされていたわけであります。そういったことで、今回それに即した形に徹していこうという考え方です。

(問)そこで廃止せずに、あえて交付金化というのは、そのあたりは何か。

(答)実際には、これまでの流れから申し上げますと、国からの補助金とセットでやっていたわけです。ここで交付金化というのは、それぞれ地域の事情に即してより使い勝手がよくなる形で国がバックアップをするという方向で、まさに地方分権として地方の考え方、地方の見方、そういったことに選択肢を広げていくということであります。
 ただ、最終的には、国立公園であれ国定公園であれ、それぞれにおける事業というのは、自然環境の保全という観点から環境省としての考え方を申し述べるということが、環境省、国としての役割です。ですから、権限とお金と、そしてまた地域地域でそれぞれ最も適した方法は何かということ、そういったことを整理した上で今回の環境省の案となっているわけであります。

(問)潜水艦の問題ですけれども、沖縄周辺でこうした問題が起きたことについて、沖縄担当大臣としてどのようにお考えでしょうか。

(答)今回の問題については、大変遺憾に思います。沖縄担当ということで申し上げると、突然どこの国かわからない船が近くを航行しているというのは、県民にとっても不安なことだということはよくわかります。これからもしっかりと国としてそういった不安を取り除けるように、防衛庁、その他関係省庁と連携をとってまいりたいと思います。

(問)環境税についてですが、環境省案が発表されてからこの1週間でいろいろな動きがありまして、反対派はもちろんですけれども、賛成派の中からも、配慮し過ぎであるとかいろいろ出てきました。反対派の経団連の奥田会長から、環境税を導入するぐらいだったらサマータイムを導入したらどうだと御提案いただいたようですけれども、中環審などではサマータイムの導入も検討したり、方々でも上がっていたりしていますけれども、新しい案を出す出さない、その辺についてはどうですか。

(答)いよいよ環境税の議論が活発になってきたということは、本気で考えてくださる方々が増えてきたということで、こういった議論はまさに歓迎すべきところだと思います。環境税の導入の主目的というのは、やはり企業であれ、自治体であれ、それから個々人であれ、それぞれが温室効果ガス、地球温暖化に対してその当事者であるということから、できるだけ多くの広がりを持たせ、そして、ライフスタイル全体から見直していくということが、一番大きなアナウンスメント効果につながるわけです。ですからその意味で、今回、経団連の奥田会長から、例えばサマータイムなどということを具体的におっしゃっていただいたのは、歓迎すべきことだと思っております。
 先日、連合に御説明に伺う際にも、サマータイムのお話をさせていただきました。労働時間が延長されるのではないかと心配される組合などもおありのようですけれども。サマータイムについては議連も動いておられます。是非ともこれは積極的に考えていくものであると思います。環境省は、環境税だけですべてを賄うということなどは申しておりませんで、ただ広がりを考えると、非常に大きくて、効果があって、透明性があって、公平性が保てるという観点から出させていただいております。
 それから、サマータイムを言うのであるならば、CO2がなかなか減らない業務の部分、これは学校とか病院などもそうですけれども、特にビルも含めて事務所、ビジネスにかかわる部分で、今CO2の発生が止まらないということで、私は今年の夏も職員のノーネクタイを進めました。聞くところによると、ネクタイをしている、していないで温度が2度違うとか、いろいろな計算があるようです。日本中で真夏に男性諸氏がネクタイを取ったら、原発で何基分か浮くのではないでしょうか。ですから、是非、奥田会長のネクタイを外すということをわかりやすい目標にして頑張っていきたいと思っております。環境税についても、広く御理解を求めていきたいと思っています。

(問)先月の水俣裁判に関してですけれども、最高裁の判決を受けて、熊本県では、患者の認定作業をする審査会が、このままでは認定作業を続けてもしようがないということで、委員が決められないまま空白の状態になっているということなのですけれども、これについてのお考えをお聞かせください。

(答)熊本県で、公健法に基づいての認定審査を行う認定審査会の任期が、この10月末で満了となっているということを聞いております。そしてまた、委員の手続がその後行われていないと。年に2回開かれるということで、現時点では直ちに審査が滞ることはないというふうには承知しております。熊本県としっかり連絡をとりながら、その熊本の状況などを受けとめて聞いてまいりたいと思っています。

(問)では、やはり国としての認定基準を変える考えはないということでしょうか。

(答)見直しの必要はないと考えております。

(問)京都市の話なのですが、一昨日、京都市が全国で初めて地球温暖化対策条例というものを来年4月からの施行を目指して発表いたしました。具体的には2010年度に1990年度比10%のガスの削減という目標を立てまして、大口の事業者に削減計画書の提出を義務付けて、また提出しない場合はその会社名を公表するとかということと、あと具体的に市民の役割というのも定めるという形で、初めて地方からそういう動きが出ています。こういう動きに関してどのように評価されるかということと、こういう地方からの動きの意義ということについて、もしお考えがありましたらお聞かせください。

(答)積極的に取り組んでおられるということで、評価したいと思います。地球温暖化対策というのは、これだけ日本列島は南北に長いところですから、それぞれの地域性があると思います。それに適した温暖化対策を積極的に取り入れて実行していただくというのは、これは国全体としても大きな意味があると思います。今回の環境税の設計の中にも、この地球温暖化対策に関して地方への譲与ということも考えており、それぞれの地域で最も適した温暖化対策をとってもらうということが必要になるかと思っています。
 ちなみに、三位一体でこの対応をより進めていこうということで、まほろば計画などを進めているのですけれども、それが地方から要らぬなどと言われているのはちょっと不本意ではありますが、いずれにしても、各自治体での取り組みというのは歓迎すべきことだと思います。

(問)今日の閣僚懇で防衛庁長官から潜水艦について御報告があったということですが、どういったお話があったか、ちょっと聞かせていただけますか。

(答)内容的には、11月10日の何時何分に、どの法律に基づいて何を発令したかという、これまでの経過、事実確認報告であります。ということで、実際に潜水艦がどのような対応をしていたかということなどの報告がありました。まだ国籍を特定するには至っていないが、潜って航行している時間が長いということから、これは原子力潜水艦の可能性が高いと考えているといったような文字どおりの報告でした。

(問)今後も追尾するかどうかについてのお話なども出ましたでしょうか。

(答)いえ、それについてはありませんでしたけれども、当然するのではないでしょうか。

(以    上)