環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨

小池大臣記者会見録(平成16年10月8日)


1.発言要旨
 おはようございます。
 まず閣議のご報告です。今日は総理、外務大臣はいらっしゃいませんでした。一般案件が3、政令が2、他はありません。環境省、沖縄・北方ともに案件はございませんでした。
 閣僚懇において、官房長官から三位一体について、これからの流れなどのお話がございました。閣僚の間で若干そこでやりとりがございました。
 その後、ご承知のように、公害対策会議を開きまして、それぞれ今回分について各府省の同意をいただきました。
 それから、まず私から3点申し上げたいと思います。
 温泉に関して、温泉利用施設に関する調査を8月末から実施をしてまいりました。その調査結果のとりまとめを急ぎ、本日公表するということで、既に数字については皆さんに入っているかと思います。今回の調査は、全国の温泉利用施設約2万カ所に対して、質問書を送付しまして、その中から約1万2,000カ所、62%の施設からの回答をいただくことができました。こういった調査は初めてだと思います。この調査の趣旨をご理解いただいて、ご協力いただきました温泉利用施設の方々に、しっかりと答えていただいたことに対して、まず感謝を申し上げたいと思います。
 調査で何がわかったかですけれども、温泉施設での加水、水を加える、それから加温、温度を温める、循環濾過装置の使用の状況、表示の状況、そして入浴剤を使っているか否かといったような状況が明らかになってまいりました。中でも水を加えている、温度を温め直す、循環濾過装置を使う、それから入浴剤を使用しているかどうかの表示、に関して、今後、温泉事業者の方が利用者に対する情報提供を充実していくことが重要であることが、このアンケートの調査結果から読み取れると思っておりますし、またそうしたいと思っております。
 調査の結果がまとめられましたので、今後早急に中央環境審議会で検討をお願いしたいと思っております。
 それから私の興味を引きましたのは、特に表示の重要性ということでありますが、大体2割がその表示をしてきておられる。多分、加水だとか加温だとかというような表示をしているところ、何かの表示をしているところは、そういった項目を幾つかまとめて表示をしておられるんだろうと思いますので、数値が大体この辺で止まっているというか、そういう数値になっているということですが、また一方で、今後表示の予定があるというような施設も少なくない数がございました。表示の必要性を、施設側も感じておられるのではないか、このように思った次第です。
 もう1点、これも環境関係ですけれども、先だって、日本経団連と、環境と経済の統合に向けた取り組みの一環として、直接の対話、意見交換の場を持たせていただいたところですが、次回は第8回目といたしまして、10月15日の金曜日に電力業界との、それからその後9回目として、10月21日の木曜日に鉄鋼業界との懇談会を開催させていただくこととしております。
 電力業界は、申し上げるまでもなくエネルギー供給という観点から、日本の経済、そして社会を支える極めて重要な業界です。また、地球温暖化に影響を及ぼす二酸化炭素排出の問題、そして硫黄酸化物、窒素酸化物、煤塵等の排出といった大気汚染、さらには廃棄物の問題で、環境と密接な関係のある業界でございます。各社とも熱心にこれまでも環境対策も行ってこられたわけでありまして、この電力業界との懇談会をしっかり進めてまいりたいと思います。
 そして9回目の鉄鋼業界も、鉄は国家なりと言われて国を支えてこられた業界であります。一方で地球温暖化の関連での二酸化炭素排出の問題、廃棄物の問題で、こちらも環境と密接な関係がありますので、しっかりとした意見交換を行わせていただきたいと思っているところでございます。
 もう1点は沖縄関連でございますけれども、昨日、一昨日と、沖縄担当大臣として初めて沖縄を訪問いたしました。今回は稲嶺県知事を始めとする自治体の方々、経済界の方々、さまざまな団体の方々にお会いしました。また各地にまいりまして、いろいろな声を直接伺ってまいりました。さらには米軍ヘリの墜落現場にまいりまして、その当時の状況を撮影したシーンも見せていただきました。さらには普天間飛行場の現況、そして代替施設建設地域となっている辺野古沖も見ることができました。泡瀬についても自ら見ることができました。
 これまで地図の上や書類の上で見てきたことに、距離感、海の色などの深さが加わって、立体的に物事をとらえることができたと思います。また、基地が多くの面積を占めているため、海の方にしか出ていけず、海の埋め立てが多いという事情を沖縄は抱えているということも改めて実感をしてきた次第です。今回の訪問は私自身にとりましても、大変有意義でございました。
 私からは以上です。

 
2.質疑応答
(問)温泉の調査の関係ですけれども、先ほど大臣の発言の中で情報提供というのが非常に重要ではないかという発言があったと思うのですが、今後その温泉法の改正なんかも絡んで、大臣の意見、考えとして、法改正とか政省令を出す考えとかはありますでしょうか。
(答)近々、中環審を開いていただきまして、そのあたりを法律的に改正すべきかどうか、またすることによって、利用者が今、不審に思っていらっしゃるようなところが除去できるのか。専門の方々を交えて、まずはしっかり検討していきたいと思っています。できるだけスピーディーに、日本の温泉は一つの大きな産業でもございますので、利用者の信頼とそして温泉で業を成しておられる方、両方の接点が必ず見つかると思っております。
(答)アンケート調査で、温泉以外の水を使用したケースとか、現在も表示なく入浴剤を使用しているケースの回答がゼロ件でした。任意の調査ということなので限界はあると思うのですけれども、今後その辺りについてどのように進めていかれるお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
(問)今回は回答率62%であり、この手のアンケート調査とすれば、私はかなり高い返答、回答率ではなかったかと思います。
 それから、自己申告型というような形でありますけれども、これで答えていただくということは、そこでどう答えたかということがこれからの流れの中で非常に大きな意味を占めてくると思います。自己申告の限界があるかもしれませんけれども、さまざまな情報もこれからも集まってくるでしょうし、コンプライアンスは温泉の場合でも必要なことなので、まずその基盤ができたということが重要だと思っています。
(答)ちょっと聞き逃したのかもしれませんけれども、今回の調査結果を踏まえての今後の環境省としての対応を。
(問)先ほど申し上げましたように、近々中央環境審議会、これは環境省として一番大きな審議会ですけれども、こちらにお諮りをして、専門家の方々のご意見をまとめて、法改正をする、しないも含めてご審議をいただくということであります。
 また、私とすればできるだけスピーディーに結論も得ていきたいと思っています。
(問)温泉法の関係で、利用者への情報提供が必要だと思うんですが、今の温泉法の表示はどういったところに課題があると考えていらっしゃいますか。
(答)これも専門の方々にしっかりとご審議いただきたいと思います。利用者の観点からすれば、どこのデータを公表しなければならないかということではないかと思います。源泉のデータなのかどうなのかというところだと思います。ただ、温泉法はそもそも、温泉の源泉という自然環境を守るという観点から出てきていますので、源泉のところの数値を確保するというのも、本来の温泉法の意味では大変重要だと思います。どういう形でできるのかしっかり検討していきたいと思います。
(問)方向性としては、要するに利用客がどんな湯に入っているか自分で分かるようにするということですか。
(答)そこが今回一番大きいのではないかと私は思います。
(問)できるだけスピーディーにということですけれども、例えば年内とか年度内とか、何かそういったタイムリミットというものはありますか。
(答)いや、これはまた審議会でまず問題の整理をしていただいた上で、拙速にならないスピード感を持てるというところであります。
(問)法改正が必要だという判断が出た場合、来年の通常国会での……
(答)それも含めて。
(問)このアンケート調査は、環境省ができる限りの工夫を尽くしたもので、実態を把握できたというふうにお考えですか。
(答)このような形で温泉に対する調査をしたのは、とにかく初めてのことであります。これが今後のさまざまなベースになってくると思っておりますので、貴重な調査結果だと認識しています。
(問)温泉の調査絡みですけれども、数字がまとまったのが今朝ということで、今回の発表は、速報に近いような概要にとどまっていると思います。例えば読者や視聴者の関心が高いのは、どこの温泉がどうなっているのかというところだと思うんですが、都道府県別、地域別などを含めた詳細な調査結果が今後発表される可能性はありますか。
(答)今回の温泉の報道もその地域の温泉街を報道する際に看板が映っていたというだけで、ちゃんとやっている温泉なのに被害が及ぶというようなこともありました。発表の仕方については、知らせるべきことは公開していきたいと思いますけれども、慎重に当たっていきたいと思っております。
(問)国民が一番知りたいのは、恐らく入浴剤を使っているかとか、水道水を使っているのかだと思うんですね。今後、都道府県を通じた全施設を対象にした調査というのは考えていらっしゃいますか。
(答)今回の調査で基本的に回答率が62%でありますけれども、これはありとあらゆる施設に対して行った調査であります。そして、入浴剤などを表示しないで入れているケースなどは、かなり確認をした上で出た数字でありますので、この点については完璧な調査だというふうに思っております。
(問)ここまで質問が相次いでいるのは、国民の関心が高いということと、不十分さが感じられるからなわけですけれども、それについて、大臣はどのように……。
(答)不十分だとは思っておりません。2万軒全部歩くわけにもまいりませんし、こうやって調査をすることによって、いろいろと情報も集まってくるので、私は不十分だとは思いません。まず、こういった形できちっきちっと詰めていくべきではないかと思っております。
(問)今回、小池大臣が沖縄を訪問されまして、基地問題に関する地元負担の軽減について、改めてどのように思われましたか。お願いします。
(答)現地にまいりまして、改めて沖縄の地において基地が占める割合の多さということを痛感しました。また、ヘリの墜落現場を見まして、本当に一瞬の差で大惨事が起こりえたということを実感し、いかに住宅が密集しているところに基地があるのかという、距離感、県民の方々のご不安ということがよくわかったつもりです。
 今、トランスフォーメーションについての、総理の海外でのご発言など、一言一言は承知しておりませんけれども、確認はさせていただいています。これも総理がおっしゃいます、沖縄の基地負担の軽減の中での一つの具体的なアクションであろうと思います。これからいろいろな方法で、米側との折衝、国内における自治体などとの調整を一つ一つの積み重ねていくことになると思います。県民の皆様方の気持ちを受けて、それが実現できるように取り組んでいきたいと思っています。
(問)普天間の移設について、今回の沖縄での会見でスピード感を持って、一方で環境にも配慮してというふうにおっしゃっていましたが、環境に配慮するとある程度時間がかかるというのはやむを得ないかなと思うのですが、その辺はどのようにお考えですか。
(答)これも両方のバランスの問題ではないかと思っております。兼任という点では、まさに環境の保全について環境大臣としての目を光らせていくべきだと思いますが、全体的な感覚はスピード感を持ってまいりたいと思います。
(問)実際に現地をご覧になって、書面上では見えてこなかったことで何か感じられたことはございますか。
(答)今回の訪沖で、これまでの書面上での私自身の理解に、先ほど申し上げましたような3次元的な立体感が備わり、だいぶいろいろな問題が見えてきたと思います。今回が初めてでしたけれども、これから何度も沖縄に行かせていただくことになると思いますので、さらに私自身の理解が進むように、各方面からのご意見を今後ともいただきたいと思っております。
(問)そうしますと、今回の視察を通じて何か今までのやり方を変えなくてはいけないとか、そういうことは別に見つからなかったということですか。
(答)いえ、私自身の課題をこれからも見つけつつ進めていきたいと思っております。まずは1回目でございますので、その課題の自らにおけるとりまとめは、まだまだ十分ではないと思っています。

(以    上)