環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年9月10日)

(大臣)閣議の案件ですが、一般案件が4件、国会提出案件6件、政令10件、配布3件でした。環境省関係はございませんでした。閣僚懇で、タウンミーティングでもっと質問を受けるようにしようというような話や、三位一体とは別に人員の関係で、総定員の大幅な削減を省庁横断的に進めていかなければいけないので協力をよろしくというようなことが総務大臣からありました。公務員の給与改定の取扱等いろいろありました。私からは、省庁横断的な連携の一つとして、生活排水対策の関係で国土交通省、農林水産省、環境省でうまく連携をとり、地方の自主的な取組により積極的に進めるようにしていきたいという旨のお話をさせていただきました。それに対し、総務大臣から是非そういった省庁を越えた動きをしっかりやって下さいというような反応がございました。
 私の方から2点ご報告があります。1つ目は、9月8,9日に奄美大島に行ってまいりまして、マングース捕獲大作戦の現場を見てまいり、8日に奄美大島の中央部の金作原という所でマングースの捕獲作業で実際に一頭マングースを捕獲することができました。ひょっとして、私用に捕ってあったのではないかと思ったりしましたが、本当に掛かっていました。外来生物の防除ということで、法律もできましたし、これから力を入れていくところで現場を知ろうと行ってまいりまして非常に参考になりました。これから生物の指定をしていきますが、マングースも一つの典型的な例ということで、完全排除を目指して取り組んでいきたいと思います。今回まいりまして、アマミノクロウサギ、非常に数が少ないオオトラツグミ、アカショウビン等を見ることができ、奄美の自然の奥深さを実際に触れることができ大変有意義な視察だったと思います。また、これらについては、今後運用をどうしていくのか、今回の視察、そして現地の方々、専門家の意見等を伺って効率的な、効果的な方向でいきたいと思っております。
 2つ目は、ホタルに着目し、子どもたちの水環境の保全活動を募集し、一生懸命素晴らしい活動をしたグループには大臣表彰を行うということでホタルで環境教育、それから、水環境への意識を高めていきたいと思い、ホタルとレンジャーを掛け合わせ若い職員が考えた案で「こどもホタレンジャー」というのを始めてまいりたいと思います。以前、河村文部科学大臣からも「ホタルの星」といういい映画があると紹介され見ましたが、地方の先生方が、PTAのお母さん方にホタルにかまけさせないで、もっと勉強をさせて下さいと言われながらも一生懸命にやるという心温まる映画でした。こういったことにもヒントを得ました。ただ、ホタルも生態系の関連で微妙なところもありますので、そこは専門家の皆さんのご意見も取り入れて生態系を乱さず環境教育も進めて、そして、季節にはホタルの灯火をみんなで堪能するというイメージをしております。詳しくは、この後、担当から御説明させていただきます。
 本日、総定員の話が出まして、地方支分局等もこれからより削いでやっていって欲しいということですが、三位一体もそうですが、予算が多いとか、職員が沢山いれば立派な役所だとは思いませんが、3年少々前に環境省として新たにスタートしてこれから環境に力を入れていこうという時代の流れと、日本の行政の見直しであるとかこういう波に呑まれたら環境は大丈夫かなと思うことがしばしばあります。環境保全ということが最大の目的でありますから、今のいろいろな大きな構造改革の流れで、この環境保全という大テーマにどのようにして我々もしっかり、地方もしっかり取り組めるからという観点から当たっていきたいと思っております。私からは、以上です。


(質問)先日、三位一体の閣僚会議がありましたが、それについてどういうことを話されたのかお願いします。
(大臣)今回は非常に短い時間で行われました。それぞれの役所としての考え方をおっしゃられました。文部科学大臣も額が一番大きいということもあり話されてましたが、率から言えば環境省が一番高いわけです。ですから、真に環境保全が図られるのかどうかという懸念を持っているという今私が申し上げたようなことを、もっと手短かな形で話し、まずはそれでエントリーをしました。やはり、政策的な論議をきっちりと詰めていくことが、特に環境問題は後ずさりするとそれを取り返して、さらによくするためには後ずさりした分の何倍も何十倍も力が必要だということも考えて、環境保全を進めるための方策をこれからも主張していくつもりです。

(質問)本日の閣議で決定される郵政民有化の基本方針についてお願いします。
(大臣)それは、今日の経済諮問会議の流れからになると思います。今日は大変な一日になると思います。プロ野球の方も。

(質問)郵政民有化の基本方針について大臣のお考えをお願いします。
(大臣)私は前にも申し上げましたように、金融の部分については、民営化を進めていくことで自由な競争にもっていくと、橋本大蔵大臣の頃にビックバンと言われましたが、郵政の部分の民営化なくしてはヒックハンだと私はその頃から言っていました。ただし、郵便の部分についてはユニバーサルサービスというのが大変求められる部分ということです。ですから、今でている案は私はその意味ではずっと私自身が申し上げていたことに近いと思います。

(質問)生活排水の件で国土交通省、農林水産省と連携というのは、三位一体のことですか。
(大臣)いえ、地域再生の部分に対しての私の意見を申し上げた部分です。ですから、三位一体というよりは、金子大臣に対しての私からの意見ということで申し上げました。

(質問)それは要するに地方に全部移譲して下さいという話の中の位置付けではないわけですか。
(大臣)違います。これは全く別の考え方の部分で、前から言われているように、農水の部分と下水の部分と環境の浄化槽の部分と水という関係から、もっと省庁で横断的に連携をとって、そしてその地域のニーズに一番合った、それも地域から上がってくる要望にしっかり応えるということを進めていきたいという主旨で申し上げました。

(質問)要するに、浄化槽の事業を国が今後も担っていこうという一つの決意表明的なものではないということですね。
(大臣)それではないです。

(質問)ホタレンジャーについてですが、国内種の移動みたいなところで、生態系を乱さないというような教育を入れていくということですか。
(大臣)そうですね。私はホタルの専門家ではないので大まかな話しかできませんが、例えば、ホタルでイルミネーションとしてのことを重視して、とにかくどこからかホタルを買ってきて飛ばせばいいやという安易なことをされると、むしろ、もともとあった生態系をそれによって壊してしまうことになり、あまり競うがためにかえってマイナスになることもありますので、そこはしっかり守ってもらって、そのためには、この地域はどのようなホタルがいたのか、いるのか、今後どうするのかというようなことから子どもたちに考えて欲しいと思います。そのためにはいろいろな助言とか、おじいちゃん、おばあちゃんが昔はこんなのがいたよということで世代間対話がでてきたらいいなと思います。今、ホタルで地域の環境を見直そうという動きはホタルサミットというものが開催されているように全国的に広がりつつあると思いますので、これもホタレンジャーで後押ししていきたいという考え方です。

(質問)三位一体の補助金の関係ですが、閣僚会議に出席された印象として、環境関連の補助金をめぐる情勢はかなり厳しいかどうかというのはどのようなものでしたか。
(大臣)閣僚会議は、短い時間でそれぞれの分野のことをそれぞれの考え方でおっしゃるというものでした。ただ、それ以外のところで他の大臣からは「環境省は大変だね。」というようなことは言われますが、それにも気が付いておられない方々がまだまだ閣僚含めて多いと思います。これは全体的な話ですが、まだまだ皆さんの関心は、一番金額的に大きい義務教育の部分にしかないというようなところでしょうか。ただ、それぞれの大臣はもう自分のところの内容についてはご存じですが、全体を見てみようかと思う人からすれば環境省さんは大変という位置付けでしょうか。

(質問)普天間でのボーリング調査開始について大臣はどのように思われますか。
(大臣)環境省とすれば、かなり以前からこれに対しての評価とアドバイスは変わっておりませんで、ジュゴンやその餌場である藻場等に影響を及ぼさない、そういう方式で進めて下さいということでお願いしています。今回の調査の実施主体は防衛施設庁ということで、そちらの判断で進めてきているということですから、私どもの意見をしっかり踏まえてやっていただきたいと思います。

(質問)京都議定書についてですが、先だってロシアのテロについて、昨日、首相が秋にも手続きを進めるような勧告に対して、年末まで待って欲しいというような返事をしたので、次のCOPまで現状変わらずにいきそうな流れになってきていますが、大臣はどのように思われますか。
(大臣)私も実は大変心配しているところで、あの状況が起こっている時に、やはりプーチン政権にとってみれば今対テロ対策が最優先事項になっていると、それから議会も審議しますが、議員の多くもなかなかそちらの方に目がいかないのではないかと大変懸念しています。先方の事情はそういったこともあると思いますが、それでもロシアという存在がキャスティングボートを握っているということだけに、これからもまたあらゆる機会を捉えて、説得を進めていきたいと思っております。

(質問)プロ野球についてどう思われますか。
(大臣)私は、どっちがセリーグで、どっちがパリーグか未だにわかっておりません。ですが、タイガースは去年沢山応援しましたし、それからブルーウェーブも大事ですしと思っております。よくわかる部分とよくわからない部分がありますが、構造改革を宮内さんは狙っているだろうなと思っております。ファンの人ももっと球場に行ってあげないと。そうは言っても親会社が火の車で毎年30億円あたり赤字を出していたら、今は凌げてもまた次の時どうかなと思いますが。今日は、両者しっかり話し合って。結局プロ野球離れになってしまったら元も子もないわけです。

(了)