環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年7月16日)

(大臣)本日の閣議の案件ですが、一般案件1件、国会提出案件が4件、政令が2件、配布2件でした。環境省の共同請議で石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計の施行令の一部を改正する政令案があり、内容は石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に委託費と交付金を加えるというものでした。
 閣僚懇は、新潟の災害に対する防災大臣からの現地報告、国土交通大臣、経済産業大臣、総務大臣、それから、普段は避難所になるべき学校が今回孤立したということで文部科学大臣のそれぞれから報告とこれからの対応策についての説明がありました。阪神大震災も被害に遭われた多くはお年寄りでした。それは、大体1階に暮らしておられる場合が多く、つぶれる場合は1階からだということです。今回は水かさが増えて逃げることができなかった方々がいたということですが、このあたり、隣り近所のつながりが重要だと思いました。新潟のあのあたりは強いところだと思いますが、近所のネットワークやお互いの相互扶助が必要だなと共通項として感じました。私からは発言はしておりません。私からは、以上です。


(質問)地球温暖化推進大綱の見直しですが、昨日の地球環境部会で中間取りまとめに向けた論点というか、手持ちの玉が揃ったような印象を受けました。まだ、最終取りまとめの段階ではありませんが、具体的施策の一番の柱が石炭から天然ガス火力発電への転換ということで思い切って打ち出してますが、この点について大臣はどのように考えられていますか。
(大臣)CO2排出の計算上も天然ガスは、石油や石炭から比べると軽減されますし、また、私自身は以前からこの天然ガスには非常に注目しているところですので一つの柱として考えられると思います。

(質問)具体的に実現に向けて電気事業連合会が相当強く抵抗していたり、かなり難しい課題があると思いますが、そのあたりで特にどのようにして政策実現を図りうるとお考えでしょうか。まだ、報告が出ていないので仮定の話になってしまいますが。
(大臣)まだ、私自身も例えばインフラの問題等、非常に大きな枠組で考えていかなければなりませんし、また関係省庁も非常に多いですし、公共事業がらみになると、これが公共事業になるのかは別にしても、なかなかこれまでの流れでいくとネガティブな発想があったりもします。その辺のところで、課題は大きいと思いますが、検討に値すると思っています。

(質問)来週に知床の世界遺産の登録を前にIUCNの事前調査がありますが、今の大臣のお気持ちと、環境省としてどのような姿勢で臨むのかお教え下さい。
(大臣)来週、専門家の方をお迎えすることになっておりまして、私は東京でお会いするということをスケジュールに入れてあります。今回、知床を対象として推薦させていただいて、無事登録の要件を満たしていることを確認していただけることを大変大きく期待しています。

(質問)昨日の夕刊のプラスチックごみの焼却についてですが、実際に大臣としてはあのような方法で進めていくべきだとお考えですか。
(大臣)本日の審議会では、自治体のヒアリングということをさせていただいただけで、昨日の報道のようにプラスチックごみの焼却処分を義務付ける方針を決定した事実はありません。ですから、自治体からのヒアリングも重ねているわけですし、これから年内を目途にしてあり方についてのまとめをしていきたいと思っています。循環型社会の形成を目指しているわけですから、サーマルとマテリアルの区別のチェックをしなければいけませんし、検討を始めたばかりということで、今回出されたような議論でその方向付けがされている現状はありません。そして、この記事によって国民の方が「もう、燃やしてしまうの。」というふうに決めつけないで欲しいと思っています。

(質問)これは、法改正でこのようなことが出来るということですか。
(大臣)方向性を決めた時に必要な体制を整えていくということで、いずれにしましてもまだ仮定の話です。

(質問)野口健さんが会見で、レンジャーの問題についてもっと国のレンジャーが自然保護の全体の中核になるべきだと、そして、東京都のレンジャーともうまくやって欲しいとおっしゃっておりましたが、大臣もお会いになられてどうでしょうか。
(大臣)彼のお母さんがエジプト人だということもあり、非常にいろいろな接点があり、以前からお会いしていますので、彼の意見も現場の意見として、よく参考にしていきたいと思います。いずれにせよ、目的は自然保護であり、広大な我が国の国立公園等を守っていくために、どのような配置で、どのような役割で、そしてそれに対してコストをどのくらい国としてかけるのか、かけられるところはどこなのか、そういったことの見直しをする必要があります。小笠原のみならず、さっきの知床の話もそうですが、実際にあちらこちらで世界に向けて自然をアピールする際に、ではその体制が十分なのかというようなことを考えていかないとならない。レンジャー自身も自然保護の前に自らの保護ができないということになりますと、これは職場のあり方としても、私がトップに立っている身とすれば考えていかなければならないと思います。彼らのやり甲斐であるとか、それから実際の現場における彼らの仕事のやり易い部分と、どうしてもやらなければいけない彼らの義務とを整理していかないと、どんどん対象が増えて、仕事も増える一方ということになっては、土台の問題にまでくるのではと思っています。野口さんやニコルさんのようなエコツーリズム推進会議に集まっていただいた皆さんは、非常に現場を知っておられる方であり、同時にエコツーリズムも進めていきたいという両方の考え方を持っていらっしゃるので、またいろいろと皆さんからお聞きしていきたいと思います。ですから、東京都知事だけでなく、各都道府県にこの公園の問題はかかわっていますので、これから機会を見ていろいろな知事の皆さまにもお会いしていく機会が設けられたらと思っております。

(質問)その野口さんが都道府県レベルでのレンジャーの創設を働きかけていきたいとおっしゃってまして、それは大臣の方にもお話したということでしたが、今後環境省として東京都のようにレンジャーを作るのを支援していくということは、お考えでえしょうか。
(大臣)今回、彼は富士山のことで会見されて、富士山はいくつかの県にまたがっているわけで、そういったことを考えて彼自身のアイディアを練っているところだと思います。いずれにしましても、国の役割、それぞれの地域の役割、国立公園ということで基本的には国ということになりますが、それだけでは足りないということで、今、いくつかの見直しの要件を踏まえて、どうすべきか検討しているところですので、総合的に判断していきたいと思います。


(了)