環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年7月13日)

(大臣)閣議の案件ですが、一般案件が3件、国会提出案件が7件、政令が2件、配布が2件でした。環境省関連では、質問主意書に対する答弁書が2件あり、そのうち1件は共同請議でした。総理から、選挙ご苦労様でしたということで、お互いにご苦労様と言い合いました。閣僚懇では、竹中大臣が選挙に候補者として出たので、大変だったですねという発言がありました。そもそも学者というよりは政治家向きだったのではないかというやりとりもありましたが、今日は、選挙の中味とかでやりとり等があったわけでもなく、短時間で終わりました。以上です。


(質問)選挙について、自民党は目標割れ、民主党の方が議席を上回ったという結果ですが、この要因等は、どのようにお考えでしょうか。
(大臣)年金と自衛隊の二大争点と言われてきましたが、街頭演説などをして、どちらに対しても、そう反応があったとも思えないです。かといって、景気の問題についてもよく掴めないので、明確な争点が何であったのかわからないで終わった感じがします。ただ、私が地方に行った時に、地方議員の方とか、それぞれの市町村長さんたちが迎えていただいたりしたのですが、そこでのやりとりは、三位一体の方針で、これから地方はどうしていけばいいのかということでした。ですから、地方においては、景気の回復の波が、まだ地方には到達していない、実感が伴っていないということで、将来どうなるのかなという不安を持っています。都市部になりますと、むしろ、小泉改革がまだ十分ではないということで、都市部は不満を持っています。ですから、地方が不安で、都市部はむしろ不満がまだあって、もっとやれというような、そんな感触を私は持ちました。総理、総裁としての任期が二年ということであるならば、私は、小泉総理には、思い切った改革を続行していただくというのが、今回の選挙で、国民、有権者からいただいた一番大きなメッセージだったのではないかと思っています。

(質問)総理の人生いろいろ発言とか、多国籍軍の派遣について、事前にあまり説明がなくて、そういった責任もあるのではないかという批判もあると思いますが、その辺はどのようにお考えでしょうか。
(大臣)多国籍軍については、かつて湾岸戦争の時は、それで国会が空転して何ヶ月も続いたことを考えると、確かに期間が短かったと思います。年金については、これはきっちり説明しようとすると時間がかかって、ダメだというのは一言で済んでしまうので、この辺は、十分理解を得られるのになかなか至らなかったと思います。人生いろいろというのは、マスコミが、その言葉だけを取り上げたので、刷り込みが行われて、あたかもそれが最大の争点のようになったのではないかと思います。これまでも総理の感動したという一言が、何度も繰り返されて刷り込みが行われていたことを考えると、やはり政治家、特にトップが何を発言するかというのは、極めて重要だなと思いました。言葉そのものには、私は大きな意味はないと思います。

(質問)これから環境省関係ですと、地球温暖化防止大綱の見直しとか年末に向けて環境税の議論も本格化すると思いますが、その辺の取組姿勢をお聞かせ下さい。
(大臣)これで参議院選挙も終わりまして、これからは、予算であるとか、来年度の様々な環境の施策について、腰を据えて、そして本気で取り組むということです。そして、前から申し上げているようにテーマが二つありまして、一つが廃棄物関係、大きな意味では循環型社会の形成です。もう一つが地球温暖化防止ということで、これは大綱の見直し等で、まさに佳境に入りつつあるわけですから、その方向性をきっちりと出せるべく、腰を据えて取り組んでいきたいと思っております。

(質問)長野県の白骨温泉で、入浴剤を入れていたことが判明したわけですが、温泉法を所管している環境省として、どういう見解をお持ちなのでしょうか。また、今後、何か対策をとっていくつもりがあるのでしょうか。
(大臣)入浴剤を入れるのなら、家でもやっていますよね。温泉ファンをとてもがっかりさせる事態であって、大変残念に思います。それから、入浴剤を入れることは、発見された段階でストップされたということであり、これが大きな警告に繋がっていくと思います。実際はどうだったのかということを、現在事務方に調査させております。温泉ファンは、根強くおられるし、むしろエコツーリズム等も考えれば、もっと広めていきたいというところですから、本当に残念ですし、こういうことが二度と起こらないようにしていきたいと思います。

(質問)今の時点で、法的な問題があるとか、こういう点を特に調べるとか、そういうことは、何か具体的にあるのでしょうか。
(大臣)入浴剤を入れたということですが、温泉としての要件は基本的には満たしておりますので、その点では、法律的に、環境省がどう動くかということは、今のところ考えていませんが、それは調査次第ということにもなるかと思います。他のところに広がらないためにも、まずは、この白骨温泉のケースがどうだったかを調べてからにしたいと思っています。

(質問)どなたか環境省から調査に行かれることがあるのでしょうか。長野県を通してなのでしょうか。
(自然環境局)今、長野県と連絡をとりあっており、いろいろな情報を収集しているところです。場合によっては、現地へ派遣ということもあるかと思います。

(質問)1月に大臣がお会いになったクウェートのサバーハ首相が来日されていますが、会談の予定等はあるのでしょうか。
(大臣)昨日、表敬という形でホテルに行って、20分程度でしたが、外務大臣、石油エネルギー大臣、日本・クウェート民間合同委員会の委員長他とお会いしました。クウェート側からは、これまでクウェート湾における魚の大量死の問題があったが、それに日本側が適切に、スピード感を持って対応したということで、非常に感謝をしており、謝意が示されました。また、その担当された日本の専門の先生が、再発がないかどうかの確認のため、8月にもクウェートに行くという話を伺いました。それから、クウェートで新たな都市建設を進めていくけれども、それに対して例えば、環境アセスのノウハウなどについても教えて欲しいということで、あちらは、捨てるところは砂漠で、不法投棄というか、いくらでも捨てるということでした。また、その辺の廃棄物処理が問題とのことでした。これは前に、サラウィ環境庁長官が来られた時にも、こちらからいろいろとご紹介をしています。日本・クウェート協会が、非常に熱心に、環境の問題で、日本とクウェートとの関係を更に強めていきたいということでした。環境問題は、向こうのニーズと合致していて、クウェートで環境問題というと、一般的にピンとこないかもしれませんが、彼らのニーズにそのままストライクで応えることができるものだという認識を共有しました。首相は長い友人で、日本に初めて来たのは53年だったけれど、その時は帝国ホテルに泊まって、他には何もなかったということをおっしゃっていました。今日の官邸でのお食事に私もお招きを受けています。もちろん、クウェートはイラクの入口で、日本にとっても自衛隊の受け入れも含めて、大変重要な地域になっています。クウェートの一行の方の話で、ふーんと思ったのが、サダム・フセインが捕まって、裁判にかけられていることは、クウェート人からすれば、これは大変大きな喜びであって、短期的に見ればいろいろあるかもしれないが、これからのイラク情勢というのは、前向きにいい方向に向かっていくということで、けっこう楽観的な捉え方というのをしていたことです。また、そうあってほしいと思います。

(質問)サウジなどでは逆に緊張が高まっていたりしますが、そういうことについては何か意見を交わされたのでしょうか。
(大臣)その点については、話をしておりません。

(質問)参院選の話に戻りますが、自民党が51議席をとれなかったことで、小泉さんの責任というものをどのようにお考えでしょうか。
(大臣)与党としても安定多数を確保していますし、私は、小泉総理がこれからもより改革の気持ちに、これによって火がついてくれたのであれば、国家の運営とすれば、その方がベストであると考えております。また、参院選の結果で責任をとる必要が実際論理的にあるのかどうかと思っていますので、これは何ら支障はないと思っております。

(質問)先ほど、多国籍軍については、期間が短かったとおっしゃっていましたが、これは、論議の期間がということですか。
(大臣)そうです。

(質問)昨日事務次官が、選挙では、環境というのはなかなか票にならないという話をされていましたが、小池さんが各地をまわられて、環境問題というのは、国民にどう伝わっているのか、伝わっていないとすれば、環境省としてもっといろいろとアピールしたりする必要があるかと思いますが、どうでしょうか。
(大臣)私は、環境が票にならないとは思っていなくて、次官は選挙のご経験がないので、そういうふうにおっしゃたのかもしれません。でも、すごくわかりやすいテーマで話をしていくと、非常にみなさん反応はいいですね。私は今回の参院選の間、連日何を話したかというと、環境のことを必ず入れて、具体的に国民の皆さんに省エネであるとか、今どんな環境の技術が進んできているのかということをずっと訴えてきました。一番鍵を握っている国民の皆さんに環境問題に対して、直接お訴えができる、こんなチャンスはないと思っておりました。環境問題5、年金とイラク3,今後の改革の話2くらいで、ずっと訴えてかけてきました。より具体的に話すと、非常にわかってもらえますね。地球の46億年といった話をすれば、これはたぶんはずすと思います。

(質問)中川前環境事務次官が東京選挙区でトップ当選されましたが、そのことについてはどのようにお考えでしょうか。大臣も応援演説に行かれたと思いますが。
(大臣)何度も行きました。まず、前環境事務次官が当選されたということは、これから参議院における、また国会全体において、また環境行政を進めていく上で、応援団長みたいな人が表れたということで、大変うれしく思います。それから、東京で自民党が一議席もとれないというのは、これはもう極めて由々しき事態でありますので、その意味では、トップ当選されたということは、うれしいことだと思います。また、環境のことをテーマに応援にまわると、これはある意味で党派を超える話なので、いわゆる野党攻撃とかそういうことにはならないので、みんながいきり立っている時のテーマとすれば、ちょっと遠い話になるのかもしれませんね。だからそこを、こうやって皆さんのお財布がこれだけ助かりますよというような形でいくと、みんなふんふんとうなずくということで、話し方、切り口の問題だろうと思っています。

(質問)小笠原のレンジャーの問題で、選挙が終わった直後ですが、石原都知事との話し合いの日程等についてはいかがでしょうか。
(大臣)選挙が終わったばかりなので、これから全体的な日程調整をします。決まり次第皆さんにお伝えします。

(了)