環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年7月6日)

(大臣)閣議の案件ですが、一般案件が1件、国会提出案件が13件、政令が9件、報告が1件、配布が2件でした。環境省関連では、質問主意書に対する答弁書が1件ありました。世界自然遺産屋久島の関係です。また、持ち回り閣議が7月1日にあり、人事が1件でした。閣議では、選挙中であるということで、残りわずかですが、それぞれ頑張りましょうという総理の発言があり、みんなで頷いて終わりました。特にやりとり等はありませんでした。以上です。


(質問)曽我さん一家が、インドネシアで9日に再会するということですが、それについて、感想等があればお聞かせ下さい。
(大臣)これは、選挙とは別の話で、とにかく早く家族との再会をということで、担当の方が極力頑張られたのだろうと思います。これは、粛々と再会ができればいいなと思っております。また、遅いより早い方がいいと思います。前にインドネシアに行った時に、インドネシアと北朝鮮は近いと聞いていたので、妥当な場所なのかなと思います。時期については申し上げた通り、それ以上でも以下でもありません。横田さんたち他の不明者の問題が、これからの焦点になってくるだろうと思っていたら、よど号の犯人達が帰りたがっているということが入ってきました。北朝鮮は、日本案件について、ただいま整理中というような印象を持っています。

(質問)今、選挙絡みの話が出ましたが、各社の世論調査等で、自民党がかなり苦戦するという結果が出て、この要因等については、どのようにお考えでしょうか。
(大臣)イラクと年金が二大争点と言われていますが、それでは、どこが野党側と与党側で違うのかをいろいろな有権者の方に聞くのですが、あまりはっきりしないので、イメージの問題もあろうかと思います。年金法案の強行採決のイメージもあるのでしょう。それから、西川きよしさんの最後の質問について、自民党の方はいろいろと配慮してやっていたのですが、むしろ野党側の方に質問を拒否されてできなかったとか、細かい話が伝わっていないんですね。敢えて言えば、マスコミが伝えることのみしか伝わっていないので、それを説明して歩いています。いずれにしても、年金、イラクの問題については、与党側に対して厳しいので、説明をきちんとするような演説を続けています。まだ5日くらいありますので、例えば、市会議員の選挙とか町長選挙とかは一週間くらいで終わりですから、それを考えれば、これからラストスパートかなと思っています。

(質問)小笠原のレンジャーの派遣の関係で、以前大臣会見で、粛々と進めるということをおっしゃっていました。それが延期されるということですが、その辺の経緯をご説明願います。
(大臣)基本的には、小笠原だけの問題と捉えていないということです。というのは、例えば、自然遺産が膨らんでいくということ、外来種等の問題等も自然局のレンジャー絡みであること、つまり仕事の幅がどんどん広がっているのに、これまでの流れの中で、はいこっちに何人とか、そんなにたくさん人がいるはずがないわけで、むしろここは、レンジャー制度と配置の全体的な見直しをしたいと思っています。予定していた二人は足止めを食った形ですが、この一瞬とまって、わずかな人数で、現場も忙しくて忙しくて、会議ばかりに追われるよりは、むしろ全体を見直してからやらないと、兵力の逐次投入というのは組織としてもったいない、みんなが疲れて、そして肝心の目的が果たせないということだと思います。レンジャーのあり方、また、それをバックアップすべき自然公園指導員やグリーンワーカーとか、みんなバラバラに、そしてみんなが不満を抱きながら、何かもっと違うのになと思っている。野口健さんに言わせると、シマフクロウに会うよりは、レンジャーに会う方が珍しいから、そっちの写真を撮るんだということまで言われている。だから敢えて言うならば、石原都知事がいろいろおっしゃっているのは、ある部分当たっていると思いますので、石原都知事と一緒に、本来どうあるべきか、先日は出張でアメリカに行き、イエローストーン等も見てきたというので、その辺のところも聞いてみたいと思っています。選挙後ですけど、近々お会いすることになると思います。ただ、小笠原に人を送って下さいという都知事からの要請書が来ているんですね。それに対応してということで、都知事からの要請にも応える形でやってるんですけど、別に都知事がおられるのかなあと思ったり、ご本人ではないような気がするので、本当に都として、この要請書というのが、生きているかどうか、その思いが本当にあるのかどうか、確認をしたいと思っております。それから、沖縄のマングースが自然の地域まで来ていたり、ハブに咬まれて死んだ人も出たとかで、少しずつぱらぱら人をというのは、組織論としても有効ではないと考えていますし、それで忙しいのであるならば、もっとそれをサポートする組織を、急に国家公務員の制度として、アメリカやカナダのように一万人単位のものに人を増やせるとは思いません。しかし、今ここで仕事ばかり増えて、そして少ない人数で広くやるなんて、どだい無理なんだろうと思います。その度に対処型でやることは、やめた方がいいと思ってますので、全体の見直しをしたいと思っております。都知事の場合は、そもそもあそこが選挙区ですし、現地に詳しいのは当然です。私は残念ながらまだ行ったことがないので、今行こうとしているわけですけど。それから、知事も書き物の枕詞に必ず書かれるのは、自分も環境庁長官をやっていて、その時にやらなかったことをというくだりが必ずありますが、やはりその任のある時に成すことというのが、本来あるべきだと思っています。ですから、私も同じ轍を踏まないようにしたいと思っています。いずれにしても、選挙が終わったら、知事とお会いするようにしたいと思います。長年の友人でもありますので、ここはしっかりと、自然保護がどうあるべきかという、もっと大きな部分のところで取り組みたいと思っております。時期の問題は、ご本人の都合の関係もあるでしょうけど、全体のことを考えれば、多少の時期のずれは生じても、むしろ全体を見直すきっかけとなっていいと私は理解しています。

(質問)全体的な見直しを大臣が考えるようになったのは、石原知事の指摘等もあってということですか。
(大臣)それも一つです。それから、知床の問題とか外来種の関係で、これまでのいろいろな積み重ねの中でもありました。また、エコツーリズムを自ら始めていますので、会議を開いて、これからまさに運用をどうするかというルール作りの詳細の設定を進めるわけです。そうすると、そこでは必ずガイドの問題をどうするのかも含めて、レンジャーのあり方という部分は、どうしても核になりますから、まわりの部分、ディテールから入るよりは、むしろ本筋から入っていかないと、エコツーリズムも結局自然を破壊しただけで終わるということになりかねないと思っております。ですから、その場その場の積み重ねよりは、むしろ基礎、土台から考えていかないと、日本の自然全体を守ることに繋がっていかないという思いを強くして、今もずっと選挙で回りつつ、あれをどうしてこうしてと考えているところです。

(質問)全体的な見直しですが、それは増員ということなのでしょうか。それとも局所的に人数を集めるという形なのでしょうか。また、いつ頃という、見直しの時間的な段取りはどうなのでしょうか。
(大臣)それは、自然環境局の方に見直しをどういう形で進めるのか、たたき台をまとめるように言っています。ただ、基本的に、現時点でのレンジャーの人員と仕事の内容、そして持っている権限、実際の仕事量、そういった現場の現状を私は知りたいと思ってますので、それをまとめるということです。それから、それを補完する人たちで、ボランティアの方達に頑張っていただいていますが、自然公園指導員が二千数百名おられる、グリーンワーカーもけっこういますので、そこの仕分け、役割と、あと何ができるのか、またレンジャーに集中している様々な権限等、許認可等々の処理、それで会議とか判子を押したりと、シマフクロウ以上に希少な生物になってしまうわけですけど、そこの辺の見直し等も私は必要だと思っています。

(質問)都知事との話し合いの時に、都のレンジャーと国のレンジャーの役割分担を、もう一度考え直すということですか。
(大臣)ですから、それぞれ人員を投入してやっていくその効率性も、こちらが考えているのとむこうが考えているのと、縄張りがどうだとか、そこで競うことによって、小笠原の自然保護が効率よく進むというのなら別ですけど、今、何か別々のことを考えて、別々のことをやっているというのは、率直に言って、非効率だと思います。ですから、お互い何を考えているのかを、お会いして意見交換をしましょうという場を持ちたいと思って、今、副知事と話を進めております。

(質問)選挙期間中で、いろいろな有権者の方達と話をされる機会が多いと思いますが、環境問題について、温暖化問題やごみ問題について、いろいろ意見を聞いて、国民からの関心はどの辺にあって、どういう施策が必要だと思いましたか。
(大臣)そうですね、シチュエーションによって、私も取り上げるトピックスが違っておりますし、地域によっては、ごみの問題を抱えているところもあれば、地域興しということでエコツーリズムを考えておられるところもあるので、どちらかというと私が壇上で声を枯らしてとは言わないけれど、さえずるように私が候補者のことを含めてお話しする機会が多いので、むしろ前もってこの地域はどういう問題があるのか調べて、またおしえていただいて、そこでその地域に合った環境のことのお話ししています。この選挙期間中、日本の環境行政が何をやっていて、何を考えているのか、そして地域で何を協力してほしいのかということを伝える、いいPRの機会だと捉えてますので、極力皆さんに環境の話をさせていただいてます。大体地球温暖化防止の関係で、電気便座のふたを閉めてると千百円儲かりまっせという話を最後にすると、みんなほーっと言って終わる、そんなパターンでしょうか。だから、非常にわかりやすいエピソード等でないと、千人単位で集まったり、歩いている人に足を止めてもらうというのは、やはりそういう話になりますので、それはいい機会であると思っています。

(質問)レンジャーの話ですが、自然環境局でたたき台をまとめているということですが、概算要求とか組織定員要求とか8月末にありますけど、それに反映させるということでしょうか。
(大臣)人数は基本的になかなか、他の部署もみんな欲しいという状況ですね。ですから、私は仕事の役割なんだろうと思っています。それが見直しということになろうかと思いますが、レンジャーの方々も本当に専門の方がたくさんそろっているので、その辺が私はまだ掴めていない部分もあります。それから、本当にレンジャーの方々は、ただ人数が少ないところで仕事が多くて守備範囲がむちゃくちゃ広くてということで、直接私のところにいろんな訴えがきているのも事実ですからね。ですから、貴重な人材と、守るべき日本の自然と、そこの役割をこれから整理していかないと、どこかで限界を超えるときが来るのではないかと思います。

(質問)知事との会談ですが、7月中ということですか。
(大臣)これからあちらとも話していきます。

(質問)環境省として、小笠原にレンジャーを常駐させるという方針も、白紙撤回するという可能性があるのですか。
(大臣)それも含めて、全体の見直しの中で考えたいと思います。エコツーリズムのモデル地域にも指定しておりますし、こちらとしても、国として取り組むべきことがありますので、それを踏まえてどうするかということになります。その前に現場を知らないといけませんので、行ってきたいと思っています。

(質問)いつ頃でしょうか。
(大臣)選挙後です。

(質問)7月中にもということでしょうか。
(大臣)できるだけ早くということです。

(質問)話は変わりますが、水俣病の件で、昨日最高裁の弁論が開かれて、今後節目に向かうと思います。先日大臣も水俣を訪れましたが、公害の原点であり、これが終わっていないという現実に関しての大臣のご所見と、最高裁の判決で、行政責任というものが問われて、それは、ある意味環境省の原点みたいな部分だと思うのですが、最高裁の判決に関して、どのようなことを期待されるのでしょうか。
(大臣)今回の口頭弁論で、期日については追って指定されるということですが、昨日の口頭弁論の方で、環境省としての主張をしっかり尽くさせていただいたと思っておりますので、すべてそこに集約されていると私は思っております。いずれにしても、裁判所の判断ですので、その期日の指定がどうなるのか、もちろん中身もそうですが、その辺りを注視していくという、その一言に尽きると思います。

(了)