環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年6月11日)

(大臣)本日は総理が米国のサミットに御出席されていますので、総理の代理として細田官房長官が司会等全て進められました。閣議の案件ですが、一般案件1件、国会提出案件が16件、政令が3件、報告1件でした。環境省関連はありませんでした。
 私から2点御報告があります。まず、今回のシーアイランドにおいて開催されたG8サミットについてですが、循環型社会の形成に資する「3R」、廃棄物の発生を抑制するリデュース、再使用するリユース、再生利用するリサイクルの3Rイニシアチブを新たに開始することに合意致しました。この3Rイニシアチブは、小泉総理が提唱されたもので、来年の春に、閣僚会合を日本において開催することも併せて合意されております。この閣僚級会合には、環境大臣等をお招きすることを考えており、いつ、どこでということについては、今後、関係府省、関係各国の意見等も聞きながら具体化していきたいと思います。また、決まりましたらお知らせを順次していきたいと思っております。これまでも日本の環境問題におけるイニシアチブがいくつかありますが、例えば、ものの流れ全体を把握し、循環型社会の形成に役立てる物質フロー会計ですが、昨年4月のG8環境大臣会合、当時は鈴木環境大臣でしたが、ここで提案をし、続いて昨年6月にエビアンサミットで物質フローについての理解を高め、資源生産性指標についての作業を継続するということが合意されました。そういった流れから、その後、11月に東京で専門家会合を開催し、この分野でも国際的な取組のリード役を務めてきました。3Rを日本から発信し、その場を提供し、ノウハウもお互いに共有し、地球全体を考えての3R活動を活発化させていきたいと思います。今回のシーアイランドサミットで一番申し上げたい点はこの点になろうかと思います。
 もう一つの御報告は、6月12日(土)及び13日(日)にソウルに出張致します。郭環境大臣と二国間会談を行います。日中韓三カ国環境大臣会合を日本で開催しますし、北東アジア地域における環境協力のあり方等について意見交換を予定しております。6月13日から始まるアジア戦略見識円卓会議、アジア版ダボス会議にも出席する予定ですが、そこには、盧武鉉大統領はじめアジアの主だったリーダーの方々が出席されます。私はこの会議は、前回の香港会議にも参加しましたし、本体のスイスの会議もメンバーにもなっていますので、この会議に出席したいと思います。国会の関係で、日曜日中には帰国するというスケジュールです。私からは、以上です。


(質問)ソウルでの会談では、どのようなことをテーマにお話する予定ですか。
(大臣)郭環境大臣とはこれまでも何度かお会いしておりますし、今度はTEMM6になりますが、日中韓会議ということで今後の進め方等を含めお話をさせていただきます。前回は北京でありましたが、環境教育の問題、黄砂の問題等、いくつか共有する問題等ございましたので、それらについても意見交換を進めていきたいと思います。今回は2国間で何かを決めるというものではありません。

(質問)民主党が参議院選のマニフェストで環境税の創設を謳っていますが、与党として、野党が打ち出したことについてどのようにお考えでしょうか。
(大臣)これは、前回の衆議院選の時と何も変わらない状況ではないかと思います。マニュフェストはそう頻繁に変えるものではないと思いますし、前回お答えしたのと同じシチュエーションだと思います。

(質問)3Rについてですが、日本国内でこれからどのような準備を進めていくのか等、もう少し具体的なものがあればお願いします。
(大臣)これについては、今サミットで決まったばかりですので、加速度的に準備を進めていくということで、それぞれのところとの調整を進めていくこととなります。ただ、今回の合意文章の中で[1]3Rの推進、[2]障壁、つまり妨げの要因となるものの低減、[3]ステークホルダー間の協力、[4]研究開発、[5]途上国の能力向上、この5つのポイントが今回の合意文書に盛り込まれています。このポイントはそれぞれの役所の切り口も変わってきますので、そういったところを相談し、突き詰めていきたいと思います。

(質問)来年の春の閣僚会議は、G8ということですか。
(大臣)G8ということではありません。

(質問)もう少し幅の広い枠組ということですか。
(大臣)それも含めて、これから検討していきたいと思います。いずれにせよ、テーマは3Rをどのように世界に進めていくかということです。時期についても各国の国際会議等をにらんで決めていきたいと思います。絨毯のあっちとこっちを折るような話ですし、各国の都合も聞かなければいけませんので、できるだけ早く、決まり次第お伝えします。

(質問)総理とプーチン大統領の会談、あとプーチン大統領が来年春に来日されるというお話がでていますが、その辺りのお話は伺っていますか。
(大臣)今回の日ロ首脳会談については、ポイントは既に入手しております。その中で京都議定書について、総理がロシアがポイントであるということを踏まえ、呼びかけてくださったことに感謝したいと思います。プーチン大統領の今回のリアクションですが、「京都議定書は重要だと小泉総理から指摘があったが、それに対しては全く同感である。」と、そこからHoweverになりますが、「ロシアにとっては困難な問題もあるが、現在行政府と議会の間で協議中である。」という発言があったと聞いております。今回のポイントは2つあります。小泉総理からプーチン大統領へというトップからトップへの働きかけは最強なわけですから、今回それを行っていただくことができた点と、これまで京都議定書についてはいろいろな人の発言がありましたが、最新のこの時点で、プーチン大統領自身の京都議定書に対する考え方が、「京都議定書は大変重要だという認識を持っている」ということが明確になった点、これらの2つの点が意義があったと思っております。

(質問)環境ビジネスウィメンについてですが、活気のある議論があったと聞いておりますが、大臣は今回の報告、議論を受けまして、今後の政策に活かしていきたいということがありましたらお願いします。
(大臣)まず、環境関連産業の担い手としての女性の重要性を引き出したいと思っていた点がありました。今回は、金融機関にオブザーバーとして来ていただきました。今後さらに私どもも進めて行きますが、SRI(社会責任投資)を強化することにより、そういった環境産業が育っていく、そのためのエネルギー供給源としての金融機関が女性の声をなかなかまともに聞いてくれることが現実少ないと思います。最初に女性であることを理由に上客扱いされないということが現実にはしばしばあるということも、今回皆さんが共有されましたが、そうであるならば聞いてもらおうと、その場を提供させていただきました。今回、3回で締めくくりましたが、とてもパワフルな女性ばかりなので引き続きネットワークとして今回のメンバーをそのまま活かしてやっていこうということになりました。今度は私があちらに招かれるというか、私自身がどういう位置付けかは別にして、今度は私が行くような形でいきたいと思っております。女性のベンチャーの場合はすべからくそうだと思いますが、あと一つの後押しでグッと伸びる可能性もありますので、そのチャンスを広げていくというお手伝いができればいいと思いますし、できれば今回のビジネスウィメンと金融機関の方々との接点で何か具体的に実を結ぶものがでてくればいいなと思っております。

(了)