環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年6月8日)

(大臣)閣議の案件ですが、一般案件が2件、国会提出案件が5件、公布が3件、政令が2件でした。環境省関連はございません。総理からは、今日サミットに出発するということで、イラク問題、北朝鮮問題等を含めて、世界平和が安定するための国際協調の結束を固めるいい機会であると考えているという旨のご発言がありました。なお、重要法案が何本か残っているので、閣僚は発言を慎重にするようにと言われました。以上です。


(質問)サミットに首相が出かけられますが、環境相会合がないということで、環境大臣として、今回のサミットにおいて、首相に対してどのようなことを望んでいるのか、また、どんな成果を求めていらっしゃるのでしょうか。
(大臣)やはり、イラク問題、拉致を含む北朝鮮問題です。今、G8サミットは、世界に責任を持つ首脳達の集まりという意味づけでの最高の場であるわけですから、今後のイラク情勢、また東アジア情勢にも極めて重要なタイミングで行われるということから、小泉総理には、我が国の責務を、また、各国との協調を図るという意味で、重要な役割を果たしてきていただきたいと思っています。環境の問題については、今回、環境大臣会合が残念ながら開かれておりませんが、総理には、G8の場において、環境についても日本の取り組みなどもご紹介いただきたいという希望も含めて、今後、日本も環境の面でイニシアチブをとれるような土壌づくりをぜひともお願いしたいと思っております。
 閣僚懇での話を一つ忘れていました。金子大臣から、青森でのタウンミーティングの報告がありました。青森、八戸、下北の辺りは、地形的に風が強いということ、また、東北地方も、公共事業の縮減等、様々な経済活動の停滞から、建設会社が窮乏状態にある中、新しい活路として、下北半島の地形、自然を活用して、風力発電に取り組んでいるという例がタウンミーティングで紹介をされ、それに非常に深い印象を持ったというお話がありました。そこで、ポイントと思ったのは、RPS法については、まだまだその買い入れが私からすれば十分ではなく、その中での様々な原因の中に、電圧の上下があることが、ネックになっているところもあります。我々の今の高度な情報を支えているコンピューター等にとっては、この電圧の上下は非常に厳しいものもあります。けれど、例えば青森の場合は、農作業や温室で使われる電力については、電力の安定はもちろん必要ですが、その幅は広いので、そちらの方に使えるようにして、これは十分やっていけるのではないかという話が、タウンミーティングの中であったと聞きました。風力発電については、国立公園内の設置についての考え方をまとめましたし、今日も京都議定書関連で、エネルギー政策、CO2削減について新聞に載っていましたが、いずれにしても風力発電は、再生可能エネルギーということで伸ばしていきたい分野でもあるので、今日のタウンミーティングの報告をきっかけとして、もう一度見直してみようと思っています。いつまでに何がどうだと言って、畳みかけられて聞かれるのも困りますが、今の心境は、そんなところであります。

(質問)その関連で言うと、ボンであった再生可能エネルギー国際会議で、あまりにも日本の目標が低すぎるという指摘があるようにも聞いております。例えば、もう少し環境省として、自然エネルギーの普及に向けて各省に働きかけるとか、政府全体として取組をもう少し修正するとかについては、何か考えていらっしゃるのでしょうか。
(大臣)今回の国際会議では、いわゆる各省のシェルパ的な人たちが、いろいろな準備をした上での合意であり、環境省からも一人出席をしております。経済産業省が筆頭でありますが、私としても、もう少し踏み込んでいいのかなという気持ちは正直あります。その他の部分は、政策提言として、市場の創出、金融支援、人材育成等、前向きになったものが多いとは聞いていますが、その辺は、世界各国と日本の役所で言うなら霞が関の中での温度差ということなのでしょう。

(質問)最近、長崎の事件をめぐって、閣僚級の方々の配慮に欠けた発言が目立つと思うのですが、それに関して、大臣としてのご見解をお聞かせ下さい。
(大臣)大臣の発言というのは、いろいろな影響にもつながりますので、やはり慎重にしなくてはいけないと思います。お父さんの心境は、察するに困難な状況にあるのだろうと思います。私や皆さんの子供の頃とは、遊びがすっかり様変わりしてますよね。子供の遊びをもう少し見直してもいいのではないのかなというのが、私の率直な感想です。

(質問)先ほどのボンの会議の関係で、大臣は、もう少し踏み込んでもいいのかなということをおっしゃいましたが、それは、風力発電の数値目標等についてですか。
(大臣)全体的な印象としてです。

(質問)それは、日本側のということですか。
(大臣)私は、日本というのは、環境でもせっかくいい立場でいるのだから、日本からいろいろなことを発信したり、むしろリードするくらいの体制をとりたいと思うのですが、急に国際会議で一人そう言っても、後がついていかなければ言い放しになるので、責任を持って進めようとすると、できることに限定されてしまうというのも現実だろうとは思います。いずれにしても、もっと日本から何が発信できるのか、そのために国内でどういう体制をとるべきかというのも少し精査をしていきたいと思っています。

(質問)先ほど、子供の遊びをもう少し見直してもいいのではないかということでしたが、環境教育ということも推進法ができて踏み出していますが、その辺と絡めてお考えなのでしょうか。
(大臣)野や山に出て、自然を楽しむということが減ってきていますよね。だから、その意味では、環境教育をしっかり進めていくということは、環境の教育だけではなくて、心の教育ということにも繋がっていくのではないかと思います。

(了)