環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年5月28日)

(大臣)閣議の案件ですが、一般案件が3件、国会提出案件9件、公布(法律)15件、政令5件、人事3件、配布4件でした。環境省関連は2件でした。その2件とは、環境白書と循環型白書の決定です。今回の「環境白書」は、「広がれ環境のわざと心」を総説のテーマとしまして、優れた環境技術や環境に配慮した事業形態などの「環境のわざ」と日本古来の環境を大切にし敬う「環境の心」と組み合わせることにより、社会経済活動に一層の発展をもたらす「環境革命」を実現し、地球環境の保全につながることを訴えさせていただきました。「循環型白書」では、循環型社会構築の障害となっている不法投棄をテーマに、その現状や背景、不法投棄がもたらす環境、経済、社会的影響を具体な事例を交え、わかり易く紹介させていただきました。また、不法投棄撲滅のため、行政、事業者、国民それぞれが自己の役割と責任を認識し、一体となって取組を進める必要性を訴えたところです。そして、閣議の際にそれらを説明し、最後に6月5日の「環境の日」及び6月の「環境月間」における各種行事等に対してのそれぞれの関係省庁の御協力を御願いしたところであります。
 閣僚懇で、川口外務大臣から今回のイラクの日本人襲撃についての説明がありました。ただ、既に報道等で流れている一人死亡、一人負傷という情報につきましては、政府としましては、未確認であると、もっとも今、向こうが夜中ということもありますので、これから詳細がわかってくると思いますが、私とすれば同行していた人を含め、安全を祈って参りたいと思っております。
 環境と経済の統合ということで、各業界団体といろいろなコミニュケーションを図って参りましたが、6月2日(金)にコンビニ業界との懇談会を開催いたします。これは、今コンビニは全国に3万7千軒あり、生活に密着しているということ、それから生活に密着しているが故に、お弁当等残った場合の残渣をどうするのかとか、レジ袋の取り扱い、お弁当等を配送することによって車が出すCO2であるとか広がりが非常に大きいということで、生活に極めて密着している。エコイスト大賞の中にもコンビニとの連携によって環境保全を進めていく必要があるということで、「コンビニから始まる民生部門対策」ということで副大臣賞に輝いておりますので、そういったことも踏まえコンビニ業界との連携を図って参りたいと考えております。
 明日、モーニング娘。のミュージカルを見に行くことを予定しておりまして、さらにその翌日に「デイ アフター トゥモロウ」という映画を見に行きますので、閣僚の皆さま方にもお声をかけております。どなたが来られるかわかりませんが。ちなみに、明日モーニング娘。のミュージカルに行くことを石破防衛庁長官に言うと「いいな。」と言っておりました。私からは、以上です。


(質問)イラクの今回の事件につきまして、まだ未確認だと思いますが、日本人のジャーナリストと見られる方が襲撃されたということですが、イラク内でフリーのジャーナリストがこういう目に遭うというのは、これもやはり自己責任とか無謀といった類に入るのでしょうか。
(大臣)私は、これは別だと思います。私が無謀と言ったのはNGOの方々の話で、その辺のところについては用意が足りないということを申し上げたわけで、今回は、事情にも詳しい方のようですが、マハムディーヤという所が非常に無差別でマスコミを含め動く者は撃てというような状況になっている印象を受けます。ですから、日本人を狙ったというものではないと思います。そこは、CNNやポーランドの国営放送の方々も犠牲になられている地域であるということで、地域的な動きもあるでしょうし、とにかくまだまだイラク情勢は流動的ですし、6月30日もあと1ヶ月少々と間近に迫ってきていますので、これからは非常にテンションが高まるということを十分に考えて、安全に取材活動をされることを祈っています。
 ちなみに、今サマーワから宗教者、学校の先生等が来日しておられて、今日は、伊勢神宮に行かれて、その後、広島へ行くということで、東京財団が招待してますが、私昨日はそのレセプションに行ってきました。その前日は、日下公人東京財団理事長のご自宅で、そのサマーワの方々と直接会ってお寿司を食べてきました。その宗教者の一人はファトゥワといって宗教的な訓辞、日本の自衛隊と協力して我々サマーワ市民は進めていきましょうというものを出した人です。非常に日本に対して感謝しておられるのと、引き続き協力を頼むと。私は環境大臣だと言うと是非協力して欲しいということの要望等も直接承ったところです。ちなみに、蚊やハエが非常に発生してまして、衛生状態が良くないというようなものがそのリストに入っていました。いずれにしても、イラクの直接の声を聞くチャンスがあったので、それをこれからもいろんな意味で活かしていきたいと思っています。

(質問)今のNGOのことをおっしゃったという話ですが、ジャーナリストとして入っている人たちは別だということですか。
(大臣)私が、どれでどうわけるかそんな気になりますか。

(質問)前の時と今回がどう違うかということです。
(大臣)そのことについては、私はこの場で長々とお話するつもりはありません。

(質問)いや、前も聞かせていただきましたので。
(大臣)使命として行ってらっしゃるのでしょうから、それにこれまでにもいいお仕事をされてきた方だということなので、ですから、私は心から安全、安否を心配していますし、とにかくいい情報を聞きたいと思っております。

(質問)試写会の話は、本日の閣僚懇で話されましたか。
(大臣)そこでPRすることではないと思いますので、言っておりません。そして、どなたが見えられるかはわかりません。

(質問)その試写会は大臣主催ということになりますか。
(大臣)そういう形になります。

(質問)狙いというか何を理解してもらいたいですか。
(大臣)今、原作を読んでいますが、気候変動をビジュアルに描いているということなので、その気候変動という点では環境大臣としても興味があるところですし、そういったことに対しての問題意識を皆さんと共有できればと思っております。

(質問)コンビニ協会との懇談会ですが、具体的にレジ袋の問題等とおっしゃいましたが、何か規制的なものを模索しようという意図ですか。
(大臣)直接お話することによって、お互いに何ができるのかというのを見ていきたいと思っておりますし、何よりも売り上げ的にも7兆円近いということで協力が非常にうまく進むと環境保全の点では前進するということもありますので、まずは、お話を直接伺うということをしていきたいと思います。

(質問)本日、環境白書が了承されましたが、拝見しますと他の省庁より読み易い印象を受けましたが、国民が環境白書を読む上で、こういう視点で見てもらいたいというのは何かありますか。
(大臣)今回、前年度版が384頁であったということを聞き、実際にそれを見た時に環境白書に対しての私からの第一の要望は、もっと頁数を減らして欲しいということで、まずは300頁に抑えるということを目標に定めました。そうすることによって、何がより重要なのかということが浮き上がってきますし、それから、図表等を多く使用することによってよりわかり易くということに心掛けました。ちなみに、300頁に圧縮する際に文字の大きさは小さくするなと言いました。その辺の意図を酌んでよく積み重なったものができ上がったと思います。こういったものは見てもらって、読んでもらってからがスタートですから、まず、読みたいと思うようにしていかなければならない。もっとも、環境白書を手にする人はその時点で環境に興味があるから読もうとするのでしょうから、その辺のニーズのところは難しいのですが、より多くの人に知って欲しい、考えて欲しい、行動して欲しいとそういうことから今回の大きな編集方針はそこにあったわけです。環境問題というのは様々な観点からのアプローチがあるかと思いますが、現状を知ってもらうということは、どの分野においても重要なことではあるのではないかと考えまして、その意味でも図表等も多用したということです。様々な環境をやってらっしゃる方がいらっしゃると思いますが、多くを訴えたいし、そのニーズも多岐に渡っているということですが、全体的に環境についての総合的に知ってもらうという心意気をまず感じ取っていただければと思います。

(質問)先日、坂口厚生労働大臣が年金について未加入という時期があったということをおっしゃったわけですが、それについての御意見と、どうしてもぽろぽろと後から出てくるものですから、小池大臣に念のためですが、念押しをしたいと思います。
(大臣)1986年の強制加入からは、1ヶ月も事欠かず加入しています。あとは、留学中の部分は入っておりません。厚生労働大臣については、任意でない時期のところは民主党も法案を出すとかという話が出ていますよね。私は今ここへきて、国民の願いというのは、それでだれがどうしたということより、今後年金どうしてくれるのかということに移っているのではないかと思います。そういったことは、選挙を意識した形と共に問題としてあるのですから、あの人がどうしてこうしてというのは一部の人のところでは面白いかも知れませんが、国民の多くは、これからどうするのかというところが知りたいところであるからこそ、残された会期の中でそういった審議を重ねているということに他ならないのではないかと思って、私は法案を出す出さないのは、これから民主党内がどうされるのか存じませんが、私は違うのではないかという思いを感じます。

(質問)環境白書についてですが、今環境省として環境税を打ち出していろいろと協議を進めていると思いますが、白書は各省庁の姿勢を表す一つの媒体ということであれば、もう少し環境税についてこういう現状があるから必要だとかそういったアピールというものを環境白書だからできるのではないかと思いますが、今回環境税については扱いが小さかったのではないかという印象を受けましたが、何か意図、思いはありますか。
(大臣)いえ、そういうことではなく大綱見直しの最中ということで、決め打ちのように環境税ということを出すことのプラス、マイナスもありますし、ですからそういった見直し等の一環としては触れていると思いますが、そこをドンと持ってくることのマイナスのリアクションを考えなければならない。私はむしろ環境革命というところに思いを込めました。今後、見直しの過程でこれから加速度的に広まってくると思いますが、今この環境白書を出す時点での扱いを表紙にもってくるとかそういう時期ではむしろないと思います。真剣に考えるからこその対応というふうにお考えいただきたいと思います。
 アメリカの石油価格についてですが、アジアの中でも特に中国の今後の経済発展のペースが少々ダウンすることがあっても、明らかな右上がりということなので緩慢なるオイルショックはこれからずっと続くということで、これは急激にこないからこそみんなピンとこないだけで、突然きた方がかえってある意味では環境革命という思いが伝わり易いのですが、それは非常に経済全体からとってもよくありませんし、こういった日常的な中で革命を進めることの難しさ、もどかしさも感じつつ、そういったことは環境省としてしっかりアピールしていきたいと思います。このところのガソリンの価格、ジェット燃料への転換の話が随分でてきてますが、これで、環境に対しての意識は一気に高まってきていると思います。じゃあどうするかというところを我々は総合的に発信を続けていきたいと思っております。

(質問)モーニング娘。のお話ですが、向こうで大臣はお話することはありますか。
(大臣)観客の一人として見ていこうと思います。

(質問)楽屋には行かれますか。
(大臣)それはあるかもしれませんね。せっかくこの間5人が来て下さったので、励ましもできればいいなと、そして私の友達からサインをもらってきてと言われています。

(質問)今、ガソリンの問題を非常に気にされていましたが、緩慢なるオイルショックが進めば、値上げということで言えば、税金という面では非常に難しいかなという感じがしないでもないですが、その辺どうでしょうか。
(大臣)そこは、総合的に考えなければいけないと思っております。私は前から思っていますが、結果としてマーケットプライスが上がって、それが産油国にお金が流れるということと、環境税のリッター当たり2円少々ということで言うならば、お金の行き先が産油国に行くのか、我が国政府に入ってそれが次なる省エネ技術等の育成につながるかということで、その辺のところの考え方だと思います。私はその意味では、お金がどこに行って、どう使われてと考えると環境税は一つの選択肢ではありますが、結果として払わせられるよりも、意志を持った税ということがいかに意味があるかということを改めて感じざるを得ないと思います。今後の石油価格を、これは動くものですから、そこのところも見なくてもいけませんけど、そのこともこれから総合的に判断をしていきたいと思っております。


(了)