環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年4月9日)

(大臣)閣議の御報告をさせていただきます。一般案件3件、国会提出案件7件、公布4件、政令5件、人事3件、配布1件です。本日は環境省の関係する共同請議がありまして、平成13年度決算に関する衆議院の議決について講じた措置について各省が共同で請議するという案件です。
 本日の閣議は、御承知のように、イラクで邦人が人質になっているということがありまして、内閣に在イラク邦人人質事件対策本部を設置するということで、政府が一体となって取り組んで、各関係省庁が一致協力して必要な施策を強力に推進することが決まりました。結論から言いますと、構成員に私は入っておりませんが、本部長が内閣官房長官、副本部長が外務大臣、本部員が法務大臣、国家公安委員長、防衛庁長官、政務と事務の2人の副長官、内閣危機管理官、及び警察庁長官という構成になっております。閣議での基本的なやりとりは、拉致をした主体である組織がどういうものなのか。私も初めて聞く名前ですので、実態がよくわからなく、3人の足取りも含めて不明な点がほとんどですので、現在ありとあらゆる形で調査をしているということでした。今後、逐一とはいかないでしょうけれども、要、要で報告等も閣僚のところにくるだろうと思っております。こういう時は、船頭を多くしない方が良いと思っておりまして、静かに見守っていきたいと思っております。閣議では、人質を取られることについて、そういう脅しに屈するものではないと麻生総務大臣から言わずもがなですが一言ありました。ということで、まだ議論するための材料があまりにも少ないので意外と閣議は淡々と終わりました。
 それから、今月の21日に「環境ビジネスウィメン環境と経済の好循環を語る」という懇談会を開催することにしました。この発想は、環境と女性とニュービジネスの3つのキーワードをまとめてみたいと思っていたところからきました。環境ビジネスというのは極めてニッチな部分と非常に大きな部分の両方があると思いますが、そのいずれも女性の感覚が介在し得る部分だと思っております。いろいろと実際にビジネスの分野、環境のみに限りませんが、私は環境ビジネスの起爆剤として、環境と経済の統合をどう実現していくかに当たり一つのグループを作っていきたいと思っております。この懇談会では、環境と経済の好循環を生み出すためにどうしたらいいのか等を率直に皆さんと話し合いをしていただこうと思っています。
 本日は、この後、三重県に行きましてRDFの現場と翌日は青山高原で風力発電、その後タウンミーティングという段取りで、少しバタバタしますが、今日、明日しっかりと視察してこようと考えています。

(質問)タウンミーティングの御視察は予定通りですか。
(大臣)そうです。国会次第でどうなるかと思っていましたが、少しRDFを見に行くのが遅くなりますが、そもそも、24時間操業だということなので、受け手の方には若干迷惑をかけるかもしれませんが、せっかくですから、現場を見ておこうと思っております。
 
(質問)それでは改めて人質問題の件ですが、大臣は本日閣議でこの件に関して何か発言されたのかという点と、今回の事態に対する大臣の御考えをお聞かせ下さい。
(大臣)ベースになる情報が極めて少ないので、閣議での発言は極めて少なかったです。むしろ、今は情報収集に最大の努力を払ってもらうのと、人質解放に対しては、全力を挙げて政府一丸となってやっていくということの確認をし合ったということで、私自身は発言しておりません。この事態についてどうかと言いますと、危ないというところに自ら飛び込んでおられる方々ですが、NGOであろうが何であろうが、今、イラクの治安は、この数日特に悪くなっているという印象を各種報道などを通じて受けているところですが、そういう悪くなっているというのをメールで見ていると承知でいらしているということで、何度もイラクにいらしてて、どういうネットワークの方かよく存じませんが、随分危ないところに飛び込まれたと思います。現在、拉致した組織の背景など猛烈なスピードで解明に当たっていることでしょうから、今、これに対して私が憶測でものを言う段階ではないと思っていますが、一刻も早く解放されることを願っています。

(質問)今の御発言ですと、3人の方々の行動が少し無謀だったのではないかという意味にとれますがどうでしょうか。
(大臣)今、あそこに行くのは、大体無謀なのではないでしょうか。そのために外務省から発令がされているわけで、でも、彼らの信念とかいろんなものでそれを超えるものがあったのかも知れませんし、私自身も今年1月に中東へ危険の中で行きましたが、それは自己責任の世界で行きました。いずれにせよ、その辺のところもよくわかりませんので、軽々にこうだと断言するわけにはいきません。ただ、一般的に危ないと言われているところにあえて行くということは、そこは自分自身の責任の部分が多いと思います。

(質問)ある意味では、今回の事態を個人が予想されていたと思いますか。
(大臣)それは、わかりません。ただ、みんな自分だけは大丈夫だと思うのです。

(質問)住民の現在のアメリカ軍への感情とか、現地の復興に当たっている日本及び日本人への感情については、中東にお詳しい大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(大臣)基本的には、アラブは反米です。これは、生まれた時から教育されていますから、どう考えても反米です。また、それをよりどころにしている国もこれまでありましたので、明確に反米です。ただ、それで生きていけるかというと生きていけないので、様々な国際政治の中で生きていくということで、指導者たちは、そこはいろんな形でうまく乗り切ります。基本的には、反米ですが、親日です。これは、変わらないと思います。今回の人たちは目的があってやっているわけですから、それが全てのアラブ、中東においての感情だというのはあまりにも一面的だろうと思います。ただ、日本に対しての憧れが無茶苦茶あるのは事実だと思います。

(質問)時間が限られてる事態ですが、どういう解決策が考えられますか。
(大臣)これは、まず向こう側にちゃんとしたメッセージを送ることから始まると思いますが、ただ、相手がわからないのでメッセージの送りようがないというのが現状であるが故に、ありとあらゆる形でそういった実態を含めて調査をしているところだと思います。

(質問)ぎりぎりの事態になっても、やはり自衛隊は引くべきではないとお考えでしょうか。
(大臣)いろんな判断を踏まえてのことだろうと思いますが、基本的にはテロに屈することはないというところを変える必要はないと思っています。そういうことになると、さらに次の事態を誘発することになりますし。こういう時は、冷静に徹底して情報収集に徹し、その間にどういうルートがあるのかを探るというのが危機管理の鉄則だと思います。

(質問)環境ビジネスウィメンについてですが、これは大臣の発案ですか。
(大臣)そうです。

(質問)具体的に言うと、例えば、どういったビジネスをターゲットに考えておられますか。
(大臣)環境に対してのいろいろなビジネスを既にやっている方々、それから、ビジネスをやっていく上に、例えば、金融の知識、バランスシートの書き方等そういった基礎的な知識は必要ですが、そういったことを総合的にいろんな分野の方に入っていただくことによって、今は環境ビジネスは考えていないけど、これなら私でもできるのではないかというような方々が環境ビジネスができるようなお手伝いを今後できるように発信していきたいということです。もう既に環境ビジネスで成功されている方もおられます。

(質問)環境ビジネスウィメンについてですが、そこで決まったことを行政の施策に反映させる等そういったことは考えておられますか。
(大臣)考えております。それはこれからの懇談会の中身次第ですが、いろいろアイディアを出してもらおうと思っています。

(質問)具体的にはこれからということですか。
(大臣)そうです。

(質問)イラクの人質についてですが、大臣の個人的な人脈を生かして、情報収集に役立てるとかそのようなことはお考えでしょうか。
(大臣)私は、テロリストに人脈はありませんので。

(質問)その周辺や現地の人を通じてというのはどうでしょうか。
(大臣)どこにいてどういう団体かわかりませんので。今、向こうと時差の問題等がありますので、もう少しで情報が集まってくるとは思いますが。

(質問)この人質となっている3人へのアドバイスは何かございますか。
(大臣)どういう方々かもよくわかりませんので。

(質問)犯行声明といいますか、アル・ジャジーラに送った手紙の中で犯人グループが、日本人に対して、「敬意と友情を抱いていたが、悪い米軍に協力することにより我々の信頼を踏みにじった」というような文章がありましたが、どうお考えですか。
(大臣)それは、テロリストの言い分であって、そのまま受け止めるということは、すごく成功しているメッセージということになるのではないでしょうか。

(質問)それはアラブの人の日本への感情とイコールではないだろうということですか。
(大臣)それは、テロリストがアラブの代表ではないと思います。そこを間違えるといけないと思います。

(質問)こういった事態を想定していましたか。
(大臣)こういう形かは別にして、例えば、日本の大使館が狙われている等、私は直接は聞いていませんが、特にこの数日間でレベルが上がったというのが現実だったのではないでしょうか。

(質問)そのレベルが上がったきっかけは何かありましたか。
(大臣)それは、6月30日まで上がる一方です。パワーゲームをやっているのですから、みんな6月30日の権限委譲された後のパワーをどこで今確保しなければならないかということで、それぞれが突き合わせてやっているような状況です。だから、むしろ6月30日がピークなのか、もしくは、6月30日のやり方がさらに次のピークを目指すのかという状況にあるわけですから、これは危ないと普通は思うと思います。

(了)