環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年3月19日)

(大臣)閣議の御報告をさせていただきます。一般案件4件、国会提出案件3件、政令 12件、人事1件です。閣議の直前に公害対策会議についての関係閣僚会議がありました。


(質問)地球観測衛星関係の中間報告が本日まとまりましたが、大臣肝いりでできた検討会だとは思いますが、この中間報告の評価についてお聞かせ下さい。
(大臣)それぞれの立場、お考えをまとめていただいたものです。基本的には、環境省としての役割とユーザーとしての関わり、この2つの考え方が凝縮されたものになっています。衛星ロケットというような宇宙科学の技術については、国策として総合的にどこまで国がやるのかというスタンスを早く設定して欲しいという気持ちが皆さんにはおありになると思いますし、私自身もそう思います。非常に予算的にもお金が掛かる部分ですので、これからむしろ本格的に取り組むなら、腰を据えて取り組んでいきたいと思ってます。中間の取りまとめということで、十分に参考にさせてただきたいと思います。
 
(質問)鳥インフルエンザの関係ですが、環境省として韓国に野鳥の調査に職員の方が行かれてましたが、それとは別に、動物衛生研究所で韓国から入手したウィルスが国内の鳥インフルエンザのウィルスと一致したという報道もありますが、その辺りどうでしょうか。
(大臣)今回、塩基配列まで一致していたということで、ここで渡り鳥の感染説が強まったと新聞で伝えられていますが、これまで、こういうことがあるのではないかということで韓国に職員を派遣しておりました。現在、ファクトの積み重ねをずっとしていまして、渡り鳥が全ての問題であると断定するにはまだ至っておりません。専門家のグループの初会合も開かれまして、そこで経験者の知見と行政側の体制をうまくミックスして、ファクトをできるだけ多く集めた上で、できるだけ早く本質的な解明をしていくということについては、これからも同じ姿勢でやっていこうと思います。渡り鳥が関与しているということは、これまでの地域の広がり等からどこまでが渡り鳥でそうでないのかが十分に解明ができていないと思います。

(質問)動物衛生研究所は、農林水産省が担当だと思いますが、その連絡は、農林水産省からきましたか。
(自然環境局)本日の午前中に農林水産省からプレスリリースされる予定ですが、直接、動物衛生研究所から電話等での連絡はありませんでした。

(質問)17日まで、韓国に自然環境研究センターの方が行っていらっしゃいましたが、この調査でも韓国の渡り鳥からの鳥インフルエンザのウィルスの検出はされなかったのですか。
(大臣)そこで検査をしたのは韓国側ですが、その時は、韓国からの渡り鳥が感染源というのは、むしろ否定的だったと報告を受けています。

(質問)まだ、韓国からの渡り鳥が感染源だと断定はできないと思いますが、これを受けて、これから環境省としてどのような対応をされますか。
(大臣)専門家の会合を開いて、それぞれの考えを聞いています。最初に、山口県、大分県、京都府と点在している理由は何なのか。当時の風の向き、強さ等も、専門家の皆さま方からお考えをいただいています。いろいろなファクトを合わせていきます。そして、これから夏鳥の話になり、「ツバメはどうなのだ。」という話も出てきます。これまでのことを検証すると同時に、今後の拡散を防ぐためには何をすべきなのかというようなことを、いろんなことを断定するのは簡単でないかもしれませんが、やはりそれにはさまざまな知見や実証されるべきものを積み重ねて、間違いのないようにしていきたいと考えております。

(質問)日韓で、改めて何か取り組みをしますか。
(大臣)今回、韓国にはいろいろと材料を持って調査してきましたので、取り敢えずのところ、韓国との改めての連携の必要性は考えておりません。ただ、今後の話し合いで接点があればお互い協力できるところはしていきたいと思います。

(質問)日韓渡り鳥リストに載っている両国にいる鳥278種のうちで、多少は今回の韓国での調査で飛来している種類とか、そうでない数等、絞り込めましたか。
(自然環境局)それにつきましては、自然環境研究センターで調査を行っております。いずれにせよ、日韓渡り鳥条約の表につきましては、両国に同じ鳥がいるということで、渡っている可能性があるのではないかというものなので、今回の感染ルート解明には、発生地にどういった鳥がいるかというのを調べるのがポイントです。今、おっしゃいました大きなリストの話というよりも、発生地にどのような鳥がいるのかを調べまして、また、日本の発生地で同様の鳥がいるのかどうかを調べるのがポイントです。

(質問)それは、いつごろまでにですか。
(自然環境局)まだ、17日に調査が終わったばかりですので、報告は聞いていません。

(質問)ツバメについては、何か対策等をお考えでしょうか。
(大臣)専門家の会合で、ツバメについては、これまでツバメからウィルスが検出されたことはないということで、人への感染を心配する必要はないということが話されました。

(質問)ということは、改めて対応はしないということですか。
(大臣)ツバメの場合は、これからの季節ですから、それよりは、長年積み重ねてきたツバメの生態であるとか、どういった種類のツバメがくるのかというような、これまでの積み重ねをチェックしておくということです。

(質問)岐阜県の産業廃棄物業者が約50万?以上の産業廃棄物を不法投棄したという報道がありますが、この件について率直にどのように感じていらっしゃるのか、これを受けて、環境省として対応をとられることはあるか教えて下さい。
(大臣)豊島に匹敵する規模だということで、「またか。」という思いがあります。この件は、昨日、警察庁から環境省に産業廃棄物の収集運搬中間処理業者の株式会社善商が、この不法投棄をした疑いがあるということを御報告をいただきました。岐阜市からは、今後、立入検査を行うなどにより、本件事案の実態を解明していく意向との一報を受けています。環境省としましても、現地の状況を直接見た上で、岐阜市等から更に詳しく事情を聞くため、本日、現地に本省と中部地区環境対策調査官事務所から職員を派遣しました。かなり大きな現場ですので、これまでなぜ見つけられなかったのかということですが、捨てたところに覆土していたのでなかなか見出すことができなかったと岐阜市はおっしゃっています。これから、職員からその辺の報告をできるだけ早く的確に聞きたいと思います。

(質問)その報告を受けて、具体的に何か処分のようなことは考えられていますか。
(大臣)その結果次第です。

(質問)職員の方が行かれているのは、立入検査という意味ですか。
(廃棄物・リサイクル対策部)実際、まだ状況がわかりませんので、まず現場を見せていただいて状態を把握し、必要があれば次のステップをとっていくための状況把握のためです。

(質問)大規模な不法投棄が続いてますが、どうしてこのような規模になるまでわからなかったと疑問を持ちますが、環境省でも早期発見に向けて取り組みを強めていらっしゃると思いますが、その辺についてどのような対策といいますか、どういう状況ですか。
(大臣)この不法投棄については、これまで基本的には都道府県がチェックに入るというか第一義的に責任を負っていただいてますが、ただ、いたちごっこと言いますか、非常に巧妙に、夜陰に乗じてという業者も多々あると聞いております。ただ、きっちりやっている業者には、プラスのメリットを、それから、しっかりやらないところには、それを取り締まるというような形で、今国会で廃棄物の処理及び清掃に関する法律も改正を図っているところですし、間もなく審議も始まります。基本的には、このような形はゴミがでる限りはずっと続くことになると思います。その意味で循環型社会の構築という大きな話ですが、その場その場の対症療法ではなく、基本的に社会の構築のあり方そのものを変えていくという大きな取り組みの方も忘れてはいけないと思います。つまり、不法投棄で儲けさせないということです。

(了)