環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年3月5日)

(大臣)閣議の御報告をさせていただきます。国会提出案件4件、法律案14件、人事1件、報告1件、配布1件です。桜を見る会が、4月17日(土)に新宿御苑であります。新宿御苑は環境省が管理しています。

(質問)鳥インフルエンザについてですが、その後の進捗状況等はありますか。
(大臣)山口県での現地調査は先週終了し、鳥類の生息状況及びウィルスの分析を進めているところです。大分県での調査が昨日から始まり、京都府での調査は明日から開始されます。昨日の大分県での調査では、カモ類やミヤマガラスなどの糞便を約100検体採取するとともに、鳥類を1羽捕獲しました。ただ、昨日は悪天候で雪が降ってきたので、午後の調査を途中で打ち切らざる得なかったと聞いております。京都府についてですが、最初の鶏舎から5km離れたところで広がりがありますが、調査範囲の設定などは、そういったいろいろとわかっていることに対して対応できるようにしていきたいと思います。山口県で捕獲した鳥類の種類は、ウグイス、エナガ、シジュウカラ、ジョウビタキ等17種で91羽を捕獲し検体を採取しました。ただ、野生の鳥類は、一般的に鳥インフルエンザに対しては抵抗性があるということで体内でウィルスが増加しにくいそうです。よって、その検出が難しいということです。サンプル数がどんどん増えてきていることも時間がかかっている要素ですが、私としましても、広がりをみせていることから、できるだけ早く経路の解明に努めていきたいと思っております。
 3月16日、17日の2日間で、日本とロシアの温室効果ガス排出・吸収目録(インベントリ)に関するワークショップを、環境省とロシア水理気象環境モニタリング庁と共同で、モスクワで開催します。今回のワークショップは、温暖化対策の前提となる温室効果ガスのインベントリ整備を促進するための技術的な情報交換を行うものです。これによって温暖化対策に関して日ロの関係を強化し、両国の対話を円滑に進める上で意義深いと考えております。ロシアのフラトコフという新しい布陣もでてきていますが、日ロ間でまずは技術的な面での情報交換をしっかり進めていきたいと思います。

(質問)このワークショップは、どちらから提案されたものですか。それとも以前から決まっていたものですか。
(地球環境局)環境省から話を持ち掛けました。

(質問)今の時期に開催される意味合いは何かありますか。
(大臣)ずっとロシアに働きかけを続けてきている一環でもあるわけですが、ただ今回は極めて技術的な部分での情報交換ということで、いろいろ複層的にロシアとの対話を進めていくということの一つです。お互いインベントリは新しいところですので、これの整備状況や国内における体制、また、関連する科学的知見について、相互に情報交換を行うことは大変意義深いことだと思います。また、そのなかで、何らかの技術協力が具体的にでてくるということになった場合には、日本として前向きに検討していきたいと思います。

(質問)ロシアのインベントリ整備については、あまり進んでいないということになるのでしょうか。それと、環境省は何を見て、そういったことへの協力を判断されたのですか。
(大臣)進んでいないということではありません。どのように考えているのかというところを逆にこちらからも知りたいということで、どういった技術協力ができるかもワークショップを通じて見出していきたいと思います。ロシア側からは、水理気象環境モニタリング庁のベドリツキー長官、インベントリ作成スタッフが多数参加することに加え、ロシアの地方政府関係者からも数名の参加者が予定されています。日本からは、竹本審議官、インベントリ作成担当者、学識経験者が参加します。

(質問)鳥インフルエンザの関係ですが、農林水産省が全国で登録を指示する等、全国的な広がりをみせていますが、環境省としての調査のやり方は今まで通りとお考えですか。
(大臣)京都府で広がりをみせていますので、京都府についても、京都府がベースになると思いますが、環境省としましてもしっかりと調査に入りたいと思っております。これが、あちらこちらという被害につながらないためにも、できるだけ早く今の時点である地域、今の時点で行った分析をできるだけ早く進めていきたいと考えております。ただ、野生生物は強いといいますか、鳥インフルエンザに、なかなかかからないということで分析にてこずっています。いろいろと問題が拡散していることからも、野鳥の媒体がどの程度あるのか、できるだけその点だけでも早く結果を出したいと思っております。

(了)