環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年2月24日)

(大臣)閣議の案件ですが、一般案件が2件、国会提出案件が7件、法律案が5件、政令が3件、人事案件が1件でした。閣僚懇も本日は手短に終わりました。
 私からの報告としては、先月の山口県の第一例目に続いて、大分県でも発生している鳥インフルエンザ問題について、追加調査研究を実施するということを、今日付けで総理にご決定いただきました。調査研究の全体像については、後ほど資料を配付しますが、もちろん目的は、引き続き、渡り鳥類の日本への飛来情報に関する部分を担当させていただき、感染ルートの解明に関する研究の一部を担うことを続けてまいります。今度は、大分県の渡り鳥に関して担当するということです。ちなみに今日ですが、環境省職員を本省及び九州地区自然保護事務所から派遣し、大分県と合同で鳥類の生息状況等に関する概況把握を行っているところです。以上です。


(質問)大分県の調査は、基本的には、山口県で行っている形のものを、大分県でも実施するということでしょうか。
(大臣)そうです。基本的には、山口県の調査と同じで、自然環境研究センターによって、渡り鳥の飛来情報の収集と、発生地周辺の鳥類の生息状況に関する調査を行います。それから、鳥取大学と自然環境研究センターの共同で、野生鳥類の鳥インフルエンザウィルスの保有調査も実施する予定です。

(質問)家電リサイクルの件について、何か進展はあったでしょうか。
(大臣)今も調査は続けております。書類の突き合わせ等をしています。

(質問)温暖化問題について、昨日、東京都環境審議会で、事業者に対する削減義務を課すということを見送るという、自主的なものを優先して取り組んでもらうという方針を固めたようですが、この流れについては、いかがでしょうか。
(大臣)東京という経済規模、人口規模の一番大きいところで、形はどのようなものにするかは、もちろん東京都が決めることですが、同じ方向で、より強く進めていただくということでは、これからも見守りたいと思っています。

(質問)当初は、義務付けという話もあり、それが企業側からの反発等で形としては後退したイメージもありますが、今後、温暖化対策を推進していく上で、何か影響は考えられるでしょうか。
(大臣)もちろん義務付けの方が、温暖化対策も大幅に進むのでしょうが、一歩一歩進めていただけることで、全体の温暖化対策が進むということを期待しています。

(質問)ロシアの大統領選の3月14日が近づいたということで、地元の報道では、政府関係者が、京都議定書に関して、ゴスプランや強制収容所と同じようなものであるとか、かなり強い批判をしているようですが、現在のロシアの情勢をどのようにご覧になっているのでしょうか。また、大統領選に向けて、何か日本として働きかけるご予定はあるのでしょうか。
(大臣)大統領選に国家として絡むということは考えられませんが、国内の大統領選に向けての動きを、関心を持ってこれからも見ていきたいと思っています。ロシアはこれまでも、人によって言い方がバラバラで、掴み所のなかった部分もあります。それだけにどういう結果が出てくるのか、流れは見えてきているような報道もされていますが、とにかく大統領選そのものが終わるところから、次の流れが見えてくるのではないかと思っています。

(質問)その後、日本政府として、何か働きかける予定はあるのでしょうか。
(大臣)これからもいろいろな国際会議等もあるでしょうし、様々な機会を捉えて、私のみならず、会議は事務方が出席することもありますし、いろいろなケースをこれからも考えていきたいと思っています。やはりロシアがどう動くかといういことは言うまでもなく、キャスティングボートを握っているということですから、日本として働きをするのは当然ですし、それも役割と思っています。

(質問)公明党の浜四津さんが、イランに行かれましたが、何かやりとりはありましたか。
(大臣)直接はしていません。

(質問)メソポタミア湿原関連の話はどうでしょうか。
(大臣)イランに逃れているイラクの難民の視察と伺ってます。イラク国内に入るのは、警備の面などからも厳しいのではないかと想像します。

(質問)大分県での鳥インフルエンザの本格調査は、いつ頃をメドに考えているのでしょうか。
(大臣)とにかく、今後どうなるのかということが、皆さんにとっても心配材料ですから、
できるだけ早くということに尽きるのではないかと思います。

(質問)鳥インフルエンザの関係で、三重県の方だったと思いますが、異常がないのに大量に処分されたという話がありましたが、それについてのご見解はいかがでしょうか。
(大臣)それぞれの方が、大事をとって判断されたかと思いますが、今回のペットで飼っていたチャボというのは環境省の分野ですが、動物愛護の観点から言うと、ちょっと可哀相という気がします。できるだけ多くの情報を、環境省としてもこれまでの対処の方法をインフォメーションとして出していますので、それを基準に考えていただければと思います。

(質問)今日から六カ国協議が始まりますが、この協議に対して、どのように期待されているのでしょうか。
(大臣)日本としては、拉致問題をしっかり出してほしいと思いますし、また、核の取り扱いについて、北朝鮮が非常に曖昧なニュアンスで言及をしているわけで、これは明確に、凍結ではなく、廃止、廃棄ということをきっちり決めてほしいと思っています。また、前にも少しお話ししたと思いますが、3日間の会議ですが、状況によっては延びて、そして明確な答えが引き出せるくらいにしてほしいと思っています。

(質問)東京都がプラスチックのゴミ問題で、今まで燃えないゴミだったものを燃やすゴミにするという審議会の中間とりまとめが出ましたが、東京都という非常に大規模なところのゴミの扱いについて、どのようにお考えでしょうか。
(大臣)国とすれば循環型社会ということで、リユース、リサイクルという流れを創ろうとしておりますので、基本的にサーマルの処理ということは、循環型社会の流れと少し違うかなと思います。処理能力等の問題も現実としてあると思いますが、都のやり方について、どのように影響があるとか、その辺りは十分分析しておりませんので、詳しくこちらとしても研究したいと思っています。
それから、前に記者会見でお伝えしたと思いますが、イラクへの日本の支援ということで、C130輸送機の積荷、初荷と言っていいのかもしれませんが、乳幼児、産婦人科関係のケアをしてくださいとずっと申し上げていました。それが実現するようになって、サマーワ母子病院の産婦人科系の出産等、女性、子どもたちのケアの充実ということが、かなり進むようですので、大変うれしく思っています。

(質問)それは、大臣からの進言でということでしょうか。
(大臣)イラク人というのは、アラブにありながらアジア的に通ずるところと、商売上手であるところと、ドライとウェットが交錯しているんですよね。ウェットの部分で通ずるところが十分あるので、その辺りを日本として具現化していくというのが、お互いの信頼に繋がると思います。一部の地権者の方が、値段の交渉をやっているということは、私は、イラクの人にも地権者の方にも、今、何が最大の目的なのかということを理解していただければ、イラク人のために良いと思います。


(了)