環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年1月30日)

(大臣)閣議の御報告をさせていただきます。一般案件1件、国会提出案件3件、政令3件、人事3件、配付は3件でした。配付案件の中に労働力調査がありました。失業率ですが、12月の完全失業率が、季節調整値で4.9となって、前月比0.3ポイントの低下となり、久しぶりに5%を切ったということで、若干、閣議の後の懇談でも、それについてふれられる方が何人かおられました。失業率が5%を切ったということですが、環境と経済の統合ということで、私もそれを念頭においていますが、新たな雇用の場が環境産業が大きくなることによって増えていくこと、雇用の場としての環境ということにも、心を配っていきたいと思っております。


(質問)環境と経済の統合に絡むかと思いますが、先日、日本経団連が政治献金の指針ということで、自民党と民主党に対する政策評価をいたしまして、特に環境税に対する取組についての評価が、自民党は高く、民主党は低いということになったと思いますが、このことについてご感想をお聞かせ下さい。
(大臣)民主党が環境税をマニフェストに明確に書かれたことが、経済界からすれば、問題だと捉えられたのだと思いますが、環境省としては、今年の大綱見直しとその後の措置として、地球環境の温暖化防止ということで、今、考え方を積み重ねているところです。何れにせよ、税の問題は消費税の例をとるまでもなく、非常に敏感なところもありますし、広く納得がいく形で国民的に広げていかなければなりません。この国民的の部分に経済界も入ります。これまでも各業界との懇談の場を設けさせていただいたり、広い意味での経済界の方々との接点もございますので、一番いいところに集約できる時は、必ずやってくると思っております。だから、環境省として言うならば、今後も経済界の方々とも接点を持って、ご理解いただけるように努力していきたいと思っております。

(質問)そもそも、今回の経団連側が政治献金の関与を再開するということを打ち出した、その動き自体については、如何お考えでしょうか。
(大臣)経済界も御自身の候補者を出されたりとか、いろいろな形で政治と経済界とのスタンスを図ってこられたのではないかと思います。その中での結論ということではないかと思います。ただ、専門家議員という個人の場合と、対政党というのはと少しニュアンスも違うのではないかと思います。私は、基本的には、全ての透明性を確保する、その中での献金という行為については、当然あって然るべきものだと思います。

(質問)昨日、官邸でイラクのお話をされたとお聞きしてますが、どのようなことを話されましたか。
(大臣)昨日は、メソポタミア湿原については、全く話しませんでした。環境大臣である以前から中東が専門ですので、予算委員会でのやり取り、例の評議会の解散のやり取りを聞いてまして、どうも日本で抱くイメージと、アラブの社会での現実の機能と、随分かけ離れたところで、野党はその辺の乖離を審議を止めることに使い、また、こちら側もそう言われればそうかなということが若干あったりして、どうもこの辺のところは、アラブに対する理解が、与野党共に不十分で、議会としての様々なやり取りになってるのは、自衛隊にとって不幸だと思います。あの地に向かっておられる皆さんも、こういうやりとりばかり国会で続けていて、僕たち大丈夫だろうかと思われていると思います。そのことが、一番申し訳ないと思っております。よって、何をポイントに考えていくべきか、そしてまた、私なりに今後どういうイラクに対しての支援が日本として出来るか、そのポイントをお話させていただきました。具体的には、イラク人の今のニーズをしっかりと掴むこと。つまり、善意の押しつけをしても意味がないというか、お互いのエネルギーを使うだけである。ならば、どんなニーズがあるかというと、イラクの映像を見ているとみんなひげ面のおじさんばかり出てきますが、女性もいるのだと。私は、必ず毎日どこかで起きている「出産」の支援、産婦人科関係のお医者さん、もしくは、その専門家を日本から送るなり、もしくは、イラク人から女性の看護婦さんを雇用する等をし、そういったところに目配りをしているのだというアピールを込めて、彼、彼女等のニーズに応えるというセンスが必要ではないかというような趣旨のことをお話させていただきました。アラブ人は、大ざっぱなところと非常に繊細なところとあるので、このボタンを掛け違えると、日本の支援していることが、向こうからすれば、すれ違いになってしまうのは、日本にとっても不幸だし、イラク人にとっても不幸だと思います。ベストミックスは必ずあると思います。私が1つ提案したのは、かつて湾岸戦争の時に、クウェート、イラクそれぞれ駐在していた日本人がクウェートで約140人、人質になりまして、イラクで駐在していた人たちも留め置かれていた時に、私は、救出に行きました。その方達は、もうリタイヤされた方もいますが、未だに、名前は忘れましたが人質の会のようなネットワークをもってまして、時々、声が掛かったりします。あの方達は、これまでのサダム・フセイン時代のニーズ、これは、ビジネスと絡んでいたかも知れませんが、現場のノウハウは持っているので、こういう方々の意見を聞かれたらいかがですかというようなことを、いくつか極めて具体的、現実的な私なりの考え方を総理にお伝えしました。時折「面白いね。」等、おっしゃられてずっと聞いておられました。

(質問)今のお話の産婦人科の専門家についてですが、あちらでは、そういった専門家は少ないのですか。
(大臣)少なくはありませんが、基本的には、私が見た範囲では、医療設備は盗まれたり、間に合わなかったり、十分でなかったりというのがありました。多分、防衛庁や自衛隊の中で、産婦人科ということに神経が配れるという状況にはあまりないのではないと思いますので、みんながついつい見逃しがちですが、本質的に重要なことであると思います。後は、目医者、歯医者とか。ついつい、ああいうところでニュースを見ていたら、爆発したとかばかりなので、外科ばかり考えますが、基本的には、日常の中で暮らしているので、日常的なことがかえって忘れ去られたりすることへの気配りが必要だと思います。歯が痛いのは我慢していても治りません。そういうのは、意外とイライラしますし。だから、自分に当てはめて考えれば、答えは目の前にあるのではないかと思います。だから、やれイラクだ、自衛隊だといって、非日常的なことに頭がいきがちですが、実は、答えは極めて日常的なところに転がっているというのが、私の考え方です。

(質問)本日、フランスで知床の推薦書を正式に提出されることについてご感想をお願いします。
(大臣)今日の日本時間の午後5時に、パリのユネスコ日本政府代表部からユネスコ世界遺産センターに知床の推薦書を提出することになっております。なお、手続きが終了次第、担当部局から御連絡させていただきます。私も推薦書をまだドラフトの段階で見ましたが、分厚かったです。すごく細かく、ビジュアルにもいろいろ配慮して、アカデミックな部分と一般的な部分のアピールをしています。本日、午後5時、現地時間では午前9時に、本格的にエントリーをするということですから、私自身も知床のPR作戦をいろいろ考えておりますので、それで、世界に知床を知ってもらえるように努力していきたいし、何よりもきっちり登録されるように努力していきたいと思います。


(了)